・短期集中表紙連載 第25弾
第1035話から始まった短期集中表紙連載 第25弾(Vol.1「脱出!ホールケーキアイランド」)の
タイトルは「
ジェルマ66のあゝ無感情海遊記」でした。ホールケーキアイランド編の事件以降の
ジェルマの様子が描かれるようです。
Vol.2「ためいきのジャッジ」
・伝説の悪魔の実
前回、
ゾロが
キングを倒したことにより、百獣海賊団の主力である「大看板」と「飛び六胞」は全て落ちており、敵陣の主力は
カイドウと
ビッグ・マム、そして「ナンバーズ」の何人かを残すのみとなっています。
一方、鬼ヶ島を粉々に爆発させようとして、
オロチが仕向けた「
火前坊」(本話では「カン十郎の燃える怨念」と表記)が大量の銃火器が保管された地下の武器庫に向かっており、これを食い止めようと
ヤマトが奔走しています。ナンバーズのNo.2・
フーガはヤマトの味方となっています。
雷ぞうと
福ロクジュの忍者対決はお互いに金縛りの術を掛け合って膠着しています(笑)。この戦いに何の意味があるかよく分かりませんけども、戦闘が長引くことで、福ロクジュの帰還を待っているオロチの鬼ヶ島離脱が遅れることになっています。そして
オロチは、突如現れた死んだはずの
小紫に夢中です。小紫として姿を現した日和の意図は不明です。
さらに、ナンバーズのNo.1・
インビとNo.3・
ザンキを従えて第4勢力となった
アプーは、
ドレークと共に、出会い頭の事故的に
CP-0と交戦していましたが、「”マスク”をつけた諜報部員は更に別格」(
1031話)というロビンの言葉通り、仮面付きのCP-0達はすこぶる強いようで、ドレークとザンキが敗北し、アプーとインビが逃走しています。
CP-0は上官命令(本話で五老星と判明)の
ロビンの捕獲任務に戻るようです。結局、アプーが撮影したCP-0の写真(1032話)を見過ごした形になるのでしょうか。後々、スクープとして出てくるかもしれません。
前置きに状況説明しようとすると、かくも長くなってしまう鬼ヶ島の戦い。
鬼ヶ島にいるCP-0の一人は、ルフィら最悪の世代が予想外に善戦していることに対して「
万が一「新世代」が勝利する様な事があれば一大ニュースだ それは今 世界中で起きている事件に追い風を与える事になるだろう」と危惧してます。「世界中で起きている事件」とは、革命軍が扇動している反乱ということでしょうかね。新世代の海賊が旧世代の四皇を倒すことが、革命軍による旧体制の打倒に通じると指摘しているのかもしれません。
そして本話(1037話)で注目されるのは、ワノ国の事態を注視している
五老星の会話です。
ゴルバチョフ似の五老星:ここまでの戦いになると一体誰が想像した
ガンジー似の五老星:手を打つなら今だ…ニコ・ロビンはもう捕らえた頃だろう
リンカーン似の五老星:
カイドウとビッグ・マムの戦いなら誰が死んでも不自然じゃない……!! 消すべきだ
・・・・・・(別シーン)
ゴルバチョフ似の五老星:いや……あり得ん!! もはや
あの実は我々にとっても伝説だ 過去何百年も”
覚醒”する事などなかった
リンカーン似の五老星:ではなぜ「世界政府」は……!! わざわざ
あの”悪魔の実”にもう一つの名を与えた!! 歴史からその実の名前を消す為だろう!?
別シーンを挟んでいるために少々分かりにくいですが、リンカーン似の五老星は
ある事を懸念して、
ある人物を鬼ヶ島の混乱に乗じて暗殺することを提案しているようです。そして、その「ある事」とは、
ある悪魔の実の覚醒です。しかし、その悪魔の実が覚醒する可能性は極めて低いようで、ゴルバチョフ似の五老星はその懸念を杞憂と見做している様子です。
暗殺対象はカイドウとビッグ・マム、ロビンを除く、現在鬼ヶ島にいる悪魔の実の能力者となるわけですが、これは曰く付きの悪魔の実(
1017話・
1018話)であることが既に仄めかされている
ゴムゴムの実に関わることだと思われます。
ゴムゴムの実は元CP-9の
フーズ・フーが政府の船で護送していたところを
シャンクスに奪われたものだということでした。問題はゴムゴムの実が、CP-9が護送する程の悪魔の実なのかという点なわけですが(シャンクスが奪った経緯も気になるが)、脱獄した元CP-9のフーズ・フーが知り得た機密情報は今となっては「特に政府に害はない」と見られており、ゴムゴムの実に隠された真価があるかどうかはあやふやなままでした。
しかし、今回の五老星の会話から、どうやら
ゴムゴムの実の真価は”覚醒”によって発揮されるようです。ただし、ゴムゴムの実は過去何百年も覚醒が確認されておらず、覚醒自体も信憑性が低いため、それほど危険視されていないというわけです。能力者を暗殺しても、どこかで悪魔の実が新しく成るだけですからね。
しかしながら、カイドウとビッグ・マムを相手に予想外の善戦をしているルフィについて、リンカーン似の五老星はもしかするとゴムゴムの実が覚醒しうる器なのではないか!?という懸念が強くなって来たと見られます。
では、ゴムゴムの実が覚醒することに政府にとってどのような危険があるのでしょう。
・何百年も覚醒する事はなかった
・あの実は我々にとっても伝説
と、五老星が言っていることがかなりのヒントになっています。
また、1036話のキングの回想では、カイドウとの会話で「
ジョイボーイ」の名前が挙がっており、こちらも重要です。
カイドウ:おれが”ジョイボーイ”だと!! おれの作ろうとする世界はお前の願う世界か!? ウォロロロ
キング:
伝説は伝説だ…今更 何も求めていない…おれの命はあんたに貰ったもんだ あんたは「最強」でいろ…!! おれも敗けねェ あんたを「海賊王」にする!!
キングの台詞の後半部分が、ゾロがルフィに言った台詞とリンクしているというのが、本編のシーンに関わる部分ですが、重要なのは会話の前半です。「おれが”ジョイボーイ”だと!!」と言うカイドウの台詞の前に、キングは「
カイドウは自分にとってのジョイボーイだ」という旨の発言をしたと考えられます。
これに対して、カイドウは「おれの作ろうとする世界はお前の願う世界か!?」と尋ねます。ここでカイドウが言う「お前」にはキングが「
ルナーリア族」であることが踏まえられていると見受けられます。しかし、カイドウの問いにキングは「伝説は伝説だ」として、今の自分には関係無いものだとしています。
この会話から読み取れることは2つあり、さらにヒントっぽいものが1つあります。
まず、1つ目は「おれの作ろうとする世界はお前の願う世界か」という部分。自分がジョイボーイだと言われて、ルナーリア族であるキングにこの台詞を言ったわけですから、
かつて、ジョイボーイとルナーリア族は同じ目標を掲げて世界を変えようとしていたと思われます。
2つ目はカイドウの問いをキングが肯定していないことから、キングはそれと別の部分にカイドウが自分にとってジョイボーイであることを見出していることが窺えます。それはおそらく、ルナーリア族であるがために実験体にされていた自分を、種族を一切問わず、ただ強いという理由で救ってくれたこと(
1035話)だと思われます。であれば、
かつて、ルナーリア族の窮地をジョイボーイが救ったという経緯があると思われます。種族を問わない姿勢はかなり重要な点です。キングがカイドウに忠誠を誓う様子から、さらに、
ルナーリア族はそれ以来、ジョイボーイの手助けするようになったのかもしれません。
これらの事柄は
1023話の考察に繋がる部分です。
太陽の神ニカのイメージが、ジョイボーイとルナーリア族が融合したものかも、という部分が特にそうです。
そして最後にヒント的な部分。
キングはジョイボーイの話を「伝説」だと言っています。そりゃ、伝説に違いないわけですが、その次のエピソードの五老星が「
あの実は我々にとっても伝説」だと言っています。伝説という本来の言葉の意味からゴムゴムの実が覚醒することの信憑性の低さを指摘しているわけですが、「我々にとっても」と言うことは、本来の伝説の語り手は世界政府の他にいる、おそらく世界政府と敵対する側だとも読み取れます。
それがつまり、ルナーリア族や魚人族(太陽の神ニカの伝説を信仰)だと考えられます。
ここまで来れば、
ゴムゴムの実を覚醒させた能力者は誰かと言えば、答えはきっと
ジョイボーイなのでしょう。
世界政府が件の悪魔の実にわざわざもう一つの名を与えたことは、
元あったその実の名前を歴史から消すためである、逆説的に言えば、覚醒したことが事実であると、リンカーン似の五老星は件の悪魔の実の覚醒を恐れていない他の五老星たちに訴えるのでした。
もうゴムゴムの実だとして話を進めているわけですが、一応、ゴムゴムの実以外の場合も想定すると、新しい名前に変わったという経緯からゾオン系能力の可能性はほぼ否定されます。鬼ヶ島にはゾオン系能力者が多いのでね。
ゴムゴムの実が新しく上書きされた実の名前だとすると、元あった実の名前は何なのか。悪魔の実の名前の傾向から類推すると「
ノビノビの実」「
ビヨビヨの実」とかですか。安直ですが。
ルフィと
カイドウの対決はついに互角に至り、カイドウがルフィの強さを認めて本気を出しています。カイドウの本気は、酒に酔って強くなる酔拳のようなもので(
酒龍八卦)、覇気も強まっているそうです。ここに来て、また一段ギアを上げたカイドウに対して、ルフィはまだギア4を温存している状態ですから、能力が覚醒するのはまだ先なのかもしれません。
それともギア4に覇王色の覇気を纏うことが覚醒の切っ掛けになったりならなかったり?・・・
・巨大戦力現る
ワノ国近海に待機する世界政府の軍艦の前に、
象主(ズニーシャ)が出現しています。
モモの助が無意識に応援を呼んだとか?
それぐらいのことしか思い浮かびませんが、ともかく、ズニーシャが漁夫の利を狙っている世界政府の軍艦を薙ぎ払ってくれそうな感じです。