「鬼滅の刃」など海賊版に誘導 「リーチサイト」 警視庁が摘発
漫画などが無料で読める海賊版サイトに誘導する「リーチサイト」を運営したとして、警視庁東村山署は3日、埼玉県狭山市に住む会社員の男性(34)を著作権法違反容疑で東京地検立川支部に書類送検した。男性は2017年8月からリーチサイト「漫画天国」(20年4月に閉鎖)を運営。サイトに掲載された表紙をクリックすると、無断で漫画をダウンロードできる海賊版サイトに誘導される仕組みになっていた。
東村山署は、「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」や「キングダム」「ONE PIECE(ワンピース)」といった人気漫画の表紙を掲載し、計約173万円の広告収入を得たとみている。
書類送検容疑は19年12月28日ごろ、「週刊少年サンデー2020年4・5合併号」の表紙を発行元の小学館の許諾を受けずにサイトに掲載したとしている。小学館が20年2月に警視庁に相談していた。
東村山署によると、男性は容疑を認め、「漫画が好きだったので、漫画関連で簡単にお金を稼ぎたかった」と供述しているという。サイト上で「漫画・コミック・全巻無料ダウンロード」などとうたっていた。
(毎日新聞)
海賊版リーチサイト「漫画天国」の摘発について
2 月 3 日、弊社発行の『週刊少年サンデー』に連載されているマンガを、インターネットに無断で掲載していた海賊版サイトに誘導するリーチサイト、「漫画天国」を運営していた人物が、著作権法違反の容疑で警視庁東村山警察署により書類送検されました。 「漫画天国」は『少年サンデー』連載作品のみならず、出版各社が発行する多数のコミック 作品を海賊版サイトに誘導していたたいへん悪質なリーチサイトでした。
2020 年 2 月、弊社が被害について警視庁に相談を開始し、同時に運営者情報の開示を大阪地裁に申し立て、仮処分決定を取得致しました。同サイトは同年 3 月、自ら閉鎖しましたが、閉鎖の告知文で他の海賊版サイトを紹介するなど、最後まで悪質な姿勢を崩しませんでした。その後も捜査は続き、この度の摘発に至ったものです。
被疑者が開設期間中を通じ、広告掲載等によって多額の利益を上げていた事実は、本来、 漫画家が受けとるべき正当な報酬を収奪したことによる犯罪行為にほかならず、サイトが閉鎖されたとしても、決して許されるものではありません。
弊社は、クリエイターが心血を注いで創作した作品を無断で盗み取り、これを糧に荒稼ぎする卑劣な犯罪の一掃を目指し、刑事、民事両面からの法的手続きをはじめ、海賊版サイトに対し、今後も断固たる対応を続けて参ります。
(小学館プレスリリース)