3月7日、「
ONE PIECE CARD GAME(ワンピースカードゲーム)」なるものが『ONE PIECE』連載25周年となる今年7月より発売されることが発表されました。
ONE PIECE CARD GAME公式サイト:
https://www.onepiece-cardgame.com
発売元は
バンダイで、第一報を聞いた段階ではデータカードダスによるアーケードゲームの可能性もあったのですが、どうやら
本格的なトレーディングカードゲーム(TCG)のようです。
ONE PIECEのTCGは、大昔(20年前)に本プロジェクトと類似した名称の「
TVアニメ ワンピースカードゲーム」(区別するためこちらを「旧OPCG」、今回の新プロジェクトを「新OPCG」と呼称する)がバンダイのカードダスより発売されています。
旧OPCGのルールについては全く知りませんが、カードデザインを見る限り、新OPCGはそれとはゲームデザインが異なるようです。バンダイから発売されたTCGで一定の成果を得たのは「
バトルスピリッツ(BS)」であり、開発中のティーチングアプリの画像を見る限り、
ゲームデザインはBSに類似したものだと見られます。
私のTCGの知識は「マジック・ザ・ギャザリング(MTG)」なので、BSには詳しくないですが、ティーチングアプリ画面上の
「ドン!!」のカウンターがBSの「コア」に相当するものだと思われます。BSの「コア」は、MTGの「マナ」や「ポケモンカードゲーム(PCG)」の「エネルギー」に相当するもので、カードのコスト(
ティーチングアプリ画面でチョッパーやゾロのカードの左上にある数字)の支払いに使われるものです。
BSにおいて「コア」は「リザーブ」(
ティーチングアプリ画面で「ドン!!」が並んでいる場所)に毎ターン1個ずつ自動的に追加されていくので、1ターンの間に使える「コア」が増えていきます。
BSのユニークな点は、この「コア」をカードの召喚だけでなく、召喚したカードに任意の数の「コア」を乗せることで様々な効果が発動され、戦略性が生まれる点です。
一方、新OPCGでは「
リーダーカード」なるもの(ルフィ)に、「ドン!!」が1個乗っていることを確認できます(「リザーブ」に6個あるうちの1個が使われている)。しかし、公開されているカードデザインには、「ドン!!」を1個置いたことで得られる効果のテキストはありません。
制作中のデザインなので、なんとも言えませんが、公開されているカードのデザインはいずれもテキストが一切なくシンプルすぎるので、TCGとしてそんなはずは無く(少なくとも本格的TCGは謳えない)、現在ゲームバランスの調整中といったところでしょうか。
追記)「
ドン!!カード」なるものも公開されていました。
カードとして存在しているので、「ドン!!」は毎ターン自動的に「リザーブ」に追加されるものではなく、デッキからドローして「リザーブ」に追加するものだと予想されます。おそらく「マナ」を発生させるMTGの「土地」と同様に、「ドン!!カード」は1ターンにつき手札から1枚までしか出せない制約があるはずです。MTGで言うところの土地事故ならぬドン事故(手札にドン!!カードばかり来て何もできない)で試合にならない場合もあるわけです。
また、
キャラクターのカードにテキストが無い代わりに、「ドン!!カード」に効果のテキストが記載されています。「自分のターン +1000」が意味するのは、この「ドン!!カード」をキャラクターのカードに付けると攻撃時、戦闘力が1000上乗せされるということでしょう。
ルフィやゾロがイラストが付いているので、それぞれルフィとゾロにカードにのみ付けることができる「ドン!!カード」なのかもしれません。カードの枠は属性の色(後述)ではないので、イラストぐらいしか縛りはないように見えます。逆にそうではないとすると、「ドン!!」の付与効果のバリエーションは少なく、戦略性はかなり単純なものとなりそうです。(追記終)
「リーダーカード」にはおそらく
6色の属性があるようです。カード左下には六角形のデザインがあり、カードの枠と同じ色が六等分された三角形の1つに配されています。このことから、2つ以上の属性を持つ多色のリーダーカードも存在すると予想されます。
名称とコスト表示のないカードデザインから類推するに、この「リーダーカード」はデッキからドローするカードではなく、
デッキの構築を制限する、あるいはデッキの性質を決定する類のものだと予想されます。デジタルカードゲーム(DCG)の「ドラゴンクエスト ライバルズ」の「リーダー」に類似したものでしょうか。
そして、
「リーダーカード」右下に表示された「ライフ」がプレイヤーのライフ(ティーチングアプリ画面で左下に表示された数字)になるようです。このことから、「リーダーカード」はプレイヤーのアバターのような存在と見られます。プレイヤーが船長となって海賊団を率いて戦うというゲームコンセプトでしょうか。BSにおいてライフはプレイヤーが直接攻撃を受けることができる回数であり、新OPCGにおいても同じだと思われます。
ティーチングアプリ画面でPWと表示された数字(カードデザイン上では「打」の文字が添えられている)はBSの「バトルポイント」に相当するカードの戦闘力だと見られます。
ティーチングアプリ画面で横向きになっているチョッパーは攻撃に参加したことを示しています(「遊戯王」の守備表示ではありません)。MTGでは「タップ」状態と言いますが、BSでは疲労状態と呼ぶそうです。守備側のプレイヤーは攻撃をどのカードでブロックするかを選択し(疲労状態のカードはブロックに参加できない)、戦闘で数値が下回るカードは破壊されます。ブロックせずに攻撃を通した場合はプレイヤーが攻撃を受けたことになり、ライフが1つ削られます。
「リーダーカード」にも同様に戦闘力と見られる数字が記載されており、リーダー自身も戦闘に参加することができるようです。ただし、先に述べたようにリーダのライフはプレイヤーのライフと同等のはずなので、リーダーでブロックした場合はプレイヤーが直接攻撃を受けたことと同等とみなされ、ライフが1つ削られるものだと思われます。リーダーが破壊される様な状況も同じく(破壊される代わりに)ライフが1つ削られると予想されます。
結局のところ、新OPCGのゲームデザインは、
「バトルスピリッツ(BS)」に「ドラゴンクエスト ライバルズ」のリーダー要素
「BS」の戦略性を簡素にしたベースに「ドラゴンクエスト ライバルズ」のリーダー要素
を取り入れたものだと予想されます。
カードイラストは
原作絵、TVアニメまたはイラストレーターによる描き下ろしイラストを採用するそうです。「リーダーカード」は原作絵、通常カードはイラストレーターによる描き下ろしで良く、TVアニメのカットは要らんでしょ、と思ってしまいますね。製品版ではイラストレーターの名前がそれぞれのカードに記載されるはずです。
販売形態はバンダイのTCGゆえにおそらく特殊で、国内の場合、通常のブースターパック販売の他に、カードダス筐体や食玩、書籍(Vジャンプ?)の付録での流通も予想されます。
7月の発売に先駆けて、4月に先行体験会、6月に全国ティーチングツアーが行われ、9月には早速、チャンピオンシップ予選会の開催が予定されているとのことです。
※画像は制作中のもの
■ ONE PIECE CARD GAME スタートデッキ 麦わらの一味/最悪の世代/百獣海賊団
2022年7月発売予定
価格:各990円
■ ONE PIECE CARD GAME ROMANCE DAWN 【BT-01】
2022年7月発売予定
価格:198円
1パック:カード6枚入り
■ ONE PIECE CARD GAME オフィシャルカードスリーブ
2022年7月発売予定
価格:各770円
1セット:スリーブ70枚入り
アジアや欧米に向けた世界展開も予定されているそうですが、そんな販売網がバンダイにあるとは信じられないので、海外では書籍として販売するのでしょうか。
今の時代、世界展開もするなら一層のこと、デジタルカードゲーム(DCG)の方が始めやすいのですけど。。
だって、小中学生に混じってカードショップでプレイするの辛いじゃん(泣)。