フーの話を聞いているジンベエの反応から察するに、「太陽の神ニカ」は魚人族には知られている話のようです。ただし、あまり口には出さない類のものなのでしょうか。消された看守は投獄された魚人族からニカの話を聞いたのかもしれません。
魚人島の先祖たちの夢が「タイヨウの下に王国を移す」ことであったり(621話)、魚人海賊団が「タイヨウの海賊団」と名乗っていたりと、魚人族にとって元々、太陽は憧れや信仰の対象であることは窺え知れますので「太陽の神ニカ」のような信仰が太古からあっても自然なことです。
しかし、「太陽の神ニカ」の話をしただけの看守が消されたとなると、これが「空白の100年」に関わるものだと自ずと推察されます。オハラの学者のクローバーは空白の100年に存在し、世界政府に滅ぼされた「巨大な王国」の名前を言おうとしただけで政府に消されました。
「太陽の神ニカ」について「実在したのか妄想か」と語られていますが、その点で見れば、空白の100年に実在した人物がモデルだと考えられます。しかし、そこまでのことは今の魚人族には伝わっておらず伝説化しているのだと考えられます。
フーが言うように「魚人の歴史は奴隷の歴史」であるのであれば、太古の地上にいた魚人族はほとんど奴隷だったと考えられます。その「奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士」が太陽の神ニカとなるわけでして、今のところ知り得る情報で太陽の神ニカのモデルだと考えられるのはやはりジョイボーイとなってくるでしょう。
「人を笑わせ苦悩から解放してくれる戦士」という形容はジョイボーイの名前にもピッタリです。
世界政府に滅ぼされた「巨大な王国」の思想は世界政府にとって危険なものだったとされていますが(395話)、それが仮に奴隷の解放(人種差別打倒)であり、その先陣に立ったのが太陽の神ニカ=ジョイボーイだったとすれば、
巨大な王国は世界政府と敵対して滅び(395話)、地上で奴隷を解放できなかったために魚人族の「タイヨウの下に王国を移す」という夢(621話)を叶えることができず(魚人族にとって地上を安全な場所にすることができなかった)、ジョイボーイが伝説の人魚宛てに、約束を守れなかった謝罪文を歴史の本文(ポーネグリフ)に記す(628話、649話)、
という具合につながります。
その場合、やはりジョイボーイは「巨大な王国」の王族(国王)であると考えられ、Dの一族がその王族の子孫であれば、ロックスやロジャー、ルフィがジョイボーイに成り得るわけです。ロックスの野望は「世界の王」(957話)でしたが、世界政府を倒して奴隷を完全に解放すれば、それもまたDの意志を成したと言えるのかもしれません(1014話考察)。
ササキ戦でフランキー将軍はかなり破損したと見られますが、本話冒頭ではサンジがクイーンの「レーザーを何発も撃つ技術」について「フランキーが欲しがりそうだ」と発言しており、フランキー将軍パワーアップの布石だと思われます。
(前略)仮に、月からレッドラインの頂上に降り立ったルナーリア族が「神」として統治していたとして、その「神の国」が滅んだ後に、神と呼ばれる天竜人が住むマリージョアが作られたというのは相当臭う話です。
そして気になるのは、世界政府に滅ぼされたという「巨大な王国」との関連性です。「巨大な王国」とはオハラの学者達が遥か昔の文献といくつかのポーネグリフを読み解くことで空白の100年に存在したと類推した王国です(395話)。「巨大な王国」は歴史に一切残っていないため、白ひげが言う「神の国」と「巨大な王国」は同じものではないはずです。
・・・(中略)
仮に「巨大な王国」に神と呼ばれたらしい月の人が関わっているとすると、Dの一族が宙ぶらりんになってしまうような気もするのですが、Dの一族は空白の100年にルナーリア族も含めて様々な種族の国をまとめ上げて「巨大な王国」を作った人間族だと仮定します。
これに対して、世界政府の前身は人間族の国がまとまった連合国と言えるでしょう。民族融和を成し遂げた「巨大な王国」の存在、そして太陽の神ニカ(1018話考察)から予想される奴隷の解放(人種差別打倒)という思想は、人間族の優位性を尊重する人種主義(レイシズム)の連合国側にとっては脅威だったわけです。その点を指摘しようとしたと見られるクローバー博士は五老星の命令で殺されました(395話)。
その王国の”存在”と”思想”こそが お前達「世界政府」にとっての脅威なのではないのか!!!
太陽の神ニカはDの一族(ジョイボーイ)の思想と「巨大な王国」のシンボル的な存在のルナーリア族が融合して伝説化したものなのかもしれません。「巨大な王国」の名前がタイヨウの王国であれば、しっくりきます。太陽→タイヨウ→多異様・・・そんなダジャレ、ワンピースならあり得るかも?w
空の民のように翼を持ったルナーリア族は、スカイピアのような空島の制度の「神」として当時、存在していた可能性もあります。
月の遺跡の壁画(エネルのスペース大作戦:470話・472話)によると、太古に生きた翼を持った”月の人”は資源不足のために月から降りてきたとされ、その子孫が空の民やシャンディアだと考えられます(月の都市「ビルカ」の名前はエネルの故郷の空島と同じ)。地上のカラクリ島には月のロボット技術が伝わっており、ツキミ博士は月のロボットと同じタイプのロボットを作っていました(エネルのスペース大作戦:448話)。しかし、空島、シャンディア、カラクリ島の文化は共通していないことから、月の人の部族ごとで定住先が異なっていたのではないかと推察されます。
壁画には発火している人物は描かれていませんが、ルナーリア族もまた月から降り立った種族の1つで、彼らはレッドラインの頂上に住み着いたということなのかもしれません。そもそも種族名が「ルナーリア」と、月を隠しきれていません。ルナーリアとはラテン語で「月のような」という意味らしいです。
・・・(中略)
ルフィによって壊された約束の船ノアについて、海王類たちは「ちゃんと使えるかな」「さぁ」「直すには あの一族の力が必要だがーー時代が代わった」(648話)と話しており、この一族とはこれまでの考察と同じで「巨大な王国」のDの一族だと考えられますが、実際に直すことができるのは月の人なのかもしれません。
そもそも、ノアは海王類が引くために作られたものなので(648話)、船大工であれば直せそうなものですが、海王類が「ちゃんと使えるかな」と発言しているように、ノアには魚人族を地上に運ぶだけの箱としてだけでなく、何か機能があると思われます。魚人族であれば、泳いで地上まで行けますからね。
そこで、ノアの動力源は月の古代都市と同じ技術(エネルのスペース大作戦:467〜469話)で作られたものなのではなかろうかと。
この月の都市ビルカの技術は、エネルが作った方舟マクシムの動力源の技術に類似していることから、エネルの故郷である空島ビルカにその技術が伝わっているものと推察されます。ノアは旧約聖書の「ノアの方舟」に由来する名前だと思われ、637話の話タイトルで「古の方舟」とも称されているわけですが、マクシムも方舟ということで名前と船の形状にも?共通点が一応あるわけです。
951話でビッグ・マムが言及していた歴史のかなたに滅んだかもしれないという種族もまた月出身の種族の1つで、発電する種族だったと仮定します。これで燃料問題は解決。しかし、この種族は既に滅んでいるようなので、ノアの動力源を起動するのはエネルという展開があったりなかったり。
オニ丸は狐なので目が悪く顔で主人を判別していなかったとして、トの康こと霜月康イエとゾロの絡みを見てもそんな伏線はなかったはずですが、これまでゾロについては、故郷のシモツキ村が霜月家と縁のあることが明らかになっていました。
・名工・霜月コウ三郎が50年以上前にワノ国を違法出国(955話)
・「和道一文字」「閻魔」はコウ三郎の作品(955話)
・ゾロが「捨名知(スナッチ)」という古いワノ国の方言を「村のジジー」に習った(955話)
・シモツキ村の一心道場の師範はコウシロウ
・ゾロはコウシロウから くいな の形見「和道一文字」を譲り受ける(5話)
このことから、シモツキ村はワノ国を出国した霜月コウ三郎とその仲間?が移り住んで作った村だと考えられます。名前から見てコウシロウ(コウ四郎?)はコウ三郎の親戚である可能性が高く、ゾロが言う「村のジジー」とはコウ三郎だった可能性があります。
50年ほど前に作られた随分新しい村なので、和風の村にしてロロノア・ゾロという珍妙な名前を持つゾロが霜月家の遠い子孫という可能性については否定的でしたが、ゾロが霜月牛丸に瓜二つという事実から、ゾロが霜月家それも大名家の血筋である可能性が急浮上しました。剣の所作が似ているというのは一心道場の門下生なので説明がつきますが、顔が瓜二つなのは偶然ではないはずです。
であれば、ロロノア・ゾロという名前は、敢えて身分を隠すように付けられた名前だと類推されます。どうしてそんなことをする必要があったのかというのは霜月コウ三郎がワノ国を違法出国した経緯と関連するものだと考えられますが、出国の経緯は明らかになっていません。昼ドラの臭いがしますが。
霜月牛丸は”刀神”リューマの子孫であり(リューマの本名が霜月リューマと判明)、リューマが隻眼の侍だったことが明かされています。
ゾンビとなったリューマは腐っているために隻眼であるかどうかは分かりませんが、今回描かれた生前のリューマはゾロ(牛丸)に似ており、右頬の縫い傷はゾンビのリューマでも確認できます。そして、左目にはゾロと同じように縦に切り傷があり、ゾンビのリューマではこの傷が包帯で隠されていたことになります。
そもそもゾロが隻眼になった経緯を我々は知らないわけですが、ゾロはリューマが隻眼の侍だったという話を村のジジー(コウ三郎?)から聞いていたのかもしれません。ゾロは強くなるためにリューマの真似をしたのだとするとあまりに幼稚ですから、”村のジジー”はリューマの隻眼の秘密さえも知っていたのかもしれません。
ナンバーズは、カイドウがパンクハザードから買い取った古代巨人族の失敗作(989話)だということでした。古代巨人族が人工的にどのようにして作られたかは不明ですが、囚人の血統因子を改造して作られたものだとすると、再び反逆した3人の侍はもしかすると古代巨人族に改造されたのではないでしょうか。
ナンバーズは20年前から存在が確認されており(973話)、カイドウは捕らえた侍が自身の部下にならないと諦めて、彼らをパンクハザードの実験材料に差し出し、そして、ナンバーズとして買い戻したのではなかろうかと。
成人を巨大化することはシーザーには出来ないため(834話)、もしナンバーズが成人を古代巨人族にする技術の失敗作であるとすると、それはベガパンクの技術の可能性が高いです。
ナンバーズは古代巨人族として完成しているように見えるのに「失敗作」と言われている点もベガパンクらしさを感じます。今のところ鱗の色しか違いがないように見える、モモの助が食べたウオウオの実の人工悪魔の実も「失敗作」と呼んでいたわけですから。
これはベガパンクの科学者としての偏屈だと解釈していますが、真相は定かではありません。ともかく、ベガパンクが「失敗作」だとして研究をお蔵入りにしたために、人工悪魔の実の技術を政府が手に入れることが出来なかったわけでして(1007話)、人工古代巨人族の技術も同様にお蔵入りにしたために、政府に技術が渡らなかったものと考えられます。実際、海軍に古代巨人族部隊なるものはありません。
ベガパンクが人工的に作った古代巨人族の何を「失敗」と捉えたかと言えば、それはナンバーズを見るに、「バカ」なところではなかろうかと。オーズやリトルオーズJr.を見ると、それは古代巨人族のデフォルトじゃないかとも思うわけですが(笑)、この技術に使われている血統因子が彼らに由来している可能性もあるわけです。
・・・(中略)
フーガは消去法で牛丸ということで。
(前略)したがって、フーガの馬の胴体のような下半身は意図して作られたものだと考えられます。
はじめから改造において動物の血統因子を組み込んだか、フーガがSMILE(あるいはゾオン系能力者)なのか。
人体改造において動物の血統因子を組み込むことができるのであれば、既にSMILEの技術を凌駕していますから、前者の場合はジェルマのように卵から古代巨人族を人工的に作ったと考えられます。その場合、ワノ国の大剣豪の記憶がほんの少しでもインビ、フーガ、ザンキに残っている可能性はないですから、希望的観測としてフーガはSMILE(あるいはゾオン系能力者)だと予想します。
SMILEの特性は、ハズレの場合、笑うことしか出来なくなるという副作用がありますが、元よりナンバーズに人格は無いようなものですから、カイドウにして見ればハズレを引いてもあまりデメリットはなく、当たりを引けばより強力な戦力になるわけですから、良い投資です。
そう考えてみると、これまで登場していたNo.4以下のナンバーズ達は皆、ハズレのSMILEを食べた者達だったのかもしれません。彼らの感情はよく分かりませんが、確かに考えてみると、皆、口を開け歯を出して常に笑っていたような気がします。
そして、フーガを含めたNo.3までのナンバーズがアタリのSMILEを食べた者達なのではないでしょうか。だから、ナンバーの位が高い、と。
CP-0は上官命令(本話で五老星と判明)のロビンの捕獲任務に戻るようです。結局、アプーが撮影したCP-0の写真(1032話)を見過ごした形になるのでしょうか。後々、スクープとして出てくるかもしれません。
ゴルバチョフ似の五老星:ここまでの戦いになると一体誰が想像した
ガンジー似の五老星:手を打つなら今だ…ニコ・ロビンはもう捕らえた頃だろう
リンカーン似の五老星:カイドウとビッグ・マムの戦いなら誰が死んでも不自然じゃない……!! 消すべきだ
・・・・・・(別シーン)
ゴルバチョフ似の五老星:いや……あり得ん!! もはやあの実は我々にとっても伝説だ 過去何百年も”覚醒”する事などなかった
リンカーン似の五老星:ではなぜ「世界政府」は……!! わざわざあの”悪魔の実”にもう一つの名を与えた!! 歴史からその実の名前を消す為だろう!?
別シーンを挟んでいるために少々分かりにくいですが、リンカーン似の五老星はある事を懸念して、ある人物を鬼ヶ島の混乱に乗じて暗殺することを提案しているようです。そして、その「ある事」とは、ある悪魔の実の覚醒です。しかし、その悪魔の実が覚醒する可能性は極めて低いようで、ゴルバチョフ似の五老星はその懸念を杞憂と見做している様子です。
暗殺対象はカイドウとビッグ・マム、ロビンを除く、現在鬼ヶ島にいる悪魔の実の能力者となるわけですが、これは曰く付きの悪魔の実(1017話・1018話)であることが既に仄めかされているゴムゴムの実に関わることだと思われます。
ゴムゴムの実は元CP-9のフーズ・フーが政府の船で護送していたところをシャンクスに奪われたものだということでした。問題はゴムゴムの実が、CP-9が護送する程の悪魔の実なのかという点なわけですが(シャンクスが奪った経緯も気になるが)、脱獄した元CP-9のフーズ・フーが知り得た機密情報は今となっては「特に政府に害はない」と見られており、ゴムゴムの実に隠された真価があるかどうかはあやふやなままでした。
しかし、今回の五老星の会話から、どうやらゴムゴムの実の真価は”覚醒”によって発揮されるようです。ただし、ゴムゴムの実は過去何百年も覚醒が確認されておらず、覚醒自体も信憑性が低いため、それほど危険視されていないというわけです。能力者を暗殺しても、どこかで悪魔の実が新しく成るだけですからね。
・・・(中略)
そして最後にヒント的な部分。
キングはジョイボーイの話を「伝説」だと言っています。そりゃ、伝説に違いないわけですが、その次のエピソードの五老星が「あの実は我々にとっても伝説」だと言っています。伝説という本来の言葉の意味からゴムゴムの実が覚醒することの信憑性の低さを指摘しているわけですが、「我々にとっても」と言うことは、本来の伝説の語り手は世界政府の他にいる、おそらく世界政府と敵対する側だとも読み取れます。
それがつまり、ルナーリア族や魚人族(太陽の神ニカの伝説を信仰)だと考えられます。
ここまで来れば、ゴムゴムの実を覚醒させた能力者は誰かと言えば、答えはきっとジョイボーイなのでしょう。
・・・(中略)
ゴムゴムの実が新しく上書きされた実の名前だとすると、元あった実の名前は何なのか。悪魔の実の名前の傾向から類推すると「ノビノビの実」「ビヨビヨの実」とかですか。安直ですが。
カイドウ:おれが”ジョイボーイ”だと!! おれの作ろうとする世界はお前の願う世界か!? ウォロロロ
キング:伝説は伝説だ…今更 何も求めていない…おれの命はあんたに貰ったもんだ あんたは「最強」でいろ…!! おれも敗けねェ あんたを「海賊王」にする!!
キングの台詞の後半部分が、ゾロがルフィに言った台詞とリンクしているというのが、本編のシーンに関わる部分ですが、重要なのは会話の前半です。「おれが”ジョイボーイ”だと!!」と言うカイドウの台詞の前に、キングは「カイドウは自分にとってのジョイボーイだ」という旨の発言をしたと考えられます。
これに対して、カイドウは「おれの作ろうとする世界はお前の願う世界か!?」と尋ねます。ここでカイドウが言う「お前」にはキングが「ルナーリア族」であることが踏まえられていると見受けられます。しかし、カイドウの問いにキングは「伝説は伝説だ」として、今の自分には関係無いものだとしています。
この会話から読み取れることは2つあり、さらにヒントっぽいものが1つあります。
まず、1つ目は「おれの作ろうとする世界はお前の願う世界か」という部分。自分がジョイボーイだと言われて、ルナーリア族であるキングにこの台詞を言ったわけですから、かつて、ジョイボーイとルナーリア族は同じ目標を掲げて世界を変えようとしていたと思われます。
2つ目はカイドウの問いをキングが肯定していないことから、キングはそれと別の部分にカイドウが自分にとってジョイボーイであることを見出していることが窺えます。それはおそらく、ルナーリア族であるがために実験体にされていた自分を、種族を一切問わず、ただ強いという理由で救ってくれたこと(1035話)だと思われます。であれば、かつて、ルナーリア族の窮地をジョイボーイが救ったという経緯があると思われます。種族を問わない姿勢はかなり重要な点です。キングがカイドウに忠誠を誓う様子から、さらに、ルナーリア族はそれ以来、ジョイボーイの手助けするようになったのかもしれません。
ゾウの秘薬とは黒魔術的な代物だったのか。
また、このシーンの直前には、シーザー調合のランブルボールの副作用(ベビジジー)から回復したチョッパーが、後で倍の苦しみを味わうことになるというゾウの秘薬を使ったゾロを心配しており、死神はゾロが死に際に見ている幻覚のようにも見えます。
動けなくなるほどの重症の倍の副作用を受けて、ゾロに本当に死んでもらっては困るわけでして、実はブルックでした、なんてオチもありそうではあります。
オペオペの実の能力の基本技「ROOM」の応用技と見られる「R・ROOM」は、「ROOM」を遠隔で発動する技のようです。能力者が手術室(ROOM)で手術するのではなく、遠隔で手術するリモート手術というわけです。手術ロボットを使った遠隔手術は現実世界でも行われ始めています。Rはリモート(remote)のRでしょうか。
また、技の始動(小さなROOMが手に現れる)が覚醒能力の「K・ROOM」と似ており(1030話)、名前も対になっていること、通常の「ROOM」による直接攻撃はビッグ・マムのような覇気の強い相手には通用しないことから、「R・ROOM」も覚醒能力だと考えられます。
ただし、技の威力自体が特別に向上したわけではなく、ROOMが対象への追尾式になっただけのように見えます。実際、今回はビッグ・マムが発動したソウルポーカスから船員達を守るために技を使っており、おそらく体力の消耗は「K・ROOM」に比べると通常小さいと考えられます。
しかし、この「R・ROOM」こそが、能力者の命を懸けたオペオペの実の不老手術(761話)を可能にする覚醒能力ではないかと予想します。つまり、手術の内容により体力の消耗は異なるのではないかと。
今回は、コラソンことロシナンテが最期にローにかけたナギナギの実の能力「お前の影響で出る音は全て消えるの術」(767話)を模した手術をビッグ・マムに施しているわけですが、このような手術は「R・ROOM」でのみ可能なのかもしれません。
ズニーシャは「命令に従い続けて」「ただ歩く事しか許されていないのだ」と語っており、その命令はモモの助の「戦う」許可により一時的に解除することができました(821話)。一体誰の命令に従っていたのか。少なくともズニーシャとコミュニケーションが出来る者のはずで、実際、モモの助がズニーシャに命令できたことを踏まえれば、その命令の主がジョイボーイであることが考えられます。ただし、ズニーシャに直接命令したのはジョイボーイの仲間である可能性が高そうなモモの助と光月おでんの先祖、つまり光月家の昔の当主かもしれません。
命令の主が仲間であるジョイボーイだとすれば(遺言に相当するわけですが)、命令に従い続けているのはズニーシャの意思によるところが大きいと考えられます。おそらく、本来の命令の意図は非暴力的な手段でミンク族ら(ロード・ポーネグリフの秘密も)を敵から守るためのものであり、戦う許可は本来の大義を果たすために必要だったのだと考えられます。
また、ズニーシャが「罪を犯した」と言うのは、自責の念によるものだと類推されます。
ジョイボーイは何かを成し遂げられず、伝説の人魚宛てに、約束を守れなかった謝罪文を歴史の本文(ポーネグリフ)に記しています(628話、649話)。その失敗の原因となる決定的なミスをズニーシャが犯したのではないでしょうか。
ジョイボーイは後世にポーネグリフを遺し、伝説の人魚は生まれ変わり、Dの意志(それが何かは分からないが)は受け継がれていますが、空白の百年から生き続けているズニーシャは”次の機会”を自責の念を持ちながらずっと待ち続けていたわけです。
そしてジョイボーイの命令は時限付きのもので、ただ歩く事しか許されないのは、”時が来るまで”ということだと思われます。その”時”とは”次の機会”、それはつまり、ズニーシャが本来の使命を果たす時です。
そのために、ズニーシャはワノ国にやって来たのかもしれません。
雷ぞう「おぬ"し ルフィ殿の……!! ハァ…ハァ い"…急がねば…!!! 不覚……”準備”はできておったのに"………!!」
雷ぞうは決戦のために何かを準備していた様子です。
ギア4とはギア2とギア3を包括する上位の形態で、ギア4発動時のルフィは、通常の効果が「硬化」である武装色の覇気をほぼ全身に纏っていながら、ゴム人間の性質がそのまま残っている状態です。ドフラミンゴはこの状態を「武装とゴムの融合」(785話)と分析しました。
肉体は武装色の覇気で「皮膚を固めて張力を何倍もの力に引き上げて」(784話)おり、大蛇系の技は「「武装色」でゴムの伸縮を自在にコントロール」(785話)することで可能となっています。ギア4が覇気を著しく消費するのは知っての通りですよね。
このような武装色の覇気とパラミシア系能力の融合技を使っていることが確認できるのは、現状、ルフィの他にカタクリのみです。
ルフィVSカタクリ戦の描写より、カタクリにもルフィと同じ様な武装色の覇気の模様が浮き出ていることから、ギア4のルフィの覇気の模様はパラミシア系能力と融合した状態を示すことが判明していました(895話)。
・・・(中略)
しかし、「「武装色」でゴムの伸縮を自在にコントロール」(785話)していると言っても、それだけで説明できるのかというと疑問はあり、今回のカイドウのリアクションがゴムゴムの実の”真の性質”がゴムではない何かを示唆するものである可能性はなきにしもあらずです。
それについて私は否定的ですが。だって「ゴムだから」。
体を変化させるパラミシア系能力やロギア系能力は覇気によって”実体”をとらえられてしまいます(597話)。ゴムゴムの実の能力によりゴム人間となっているルフィも、”実体”はただの人間であり、覇気によって能力を剥がされれば、ゴム人間ではないわけです。
本質的にゴム化すれば、”実体”もゴム人間となり、覇気によって能力を破ることは不可能になります。これにより打撃ダメージは完全に無効になるはずです。本質的にゴムとなれば痛さも感じないので、斬撃ダメージも無効になるかもしれません。たとえ体が斬られても、ゴムが溶けてくっ付いて固まるとか。また、本質的にゴムになったことで、ギア4における覇気の消費を抑えることが可能かもしれません。
そのような能力が覚醒したことにより、ルフィの体に変化が起き、負っていたダメージが無効化され、ルフィは元気になったのではなかろうかと思うわけです。
ルフィの”声”は見聞色の覇気の素質を持たない者にも聞こえる性質を持っているわけです。”解放のドラム”がなぜ発せられるかは分かりませんが、この”声”の性質はゴムゴムの実を覚醒させる素質の要件だった可能性が高いです。それに加えて”D”でしょうか。
興味深いことに「解放のドラム」の特徴的なオノマトペは『ONE PIECE』の劇中のある場面で実は既に使われています。それは、どこかというとジャヤと空島です。
400年前のシャンディア達が神を崇める儀式の際にこのリズムを叩いており、ルフィらとの宴の際にもシャンディア達がこのリズムを叩いていました。シャンドラは”歴史の本文”を敵から守っていた古代都市であり(290話)、ジョイボーイとの関係は深いと見られますが、古代都市シャンドラは400年前の時点で既に滅んでおり、シャンディアの子孫達には空白の100年の真相は伝わっておらず、先祖代々のしきたりだけが受け継がれていました。
そこで、シャンディア達が叩いていたドラムの音は”解放のドラム”に由来するものと考えられます。おそらくジョイボーイが神格化された、あるいは元よりシャンディア達に信仰されていた神と同一視されたのではないかと思われますが、
・・・(中略)
「太陽の神」という言葉自体は400年前のシャンディア達が儀式で崇めていた自然の神々(他に雨の神、森の神、大地の神)のうちの1つに登場していましたが(287話)、太陽の神ニカの逸話は魚人族のタイヨウ信仰に強く結びつくものだったため(1018話考察)、重要視していませんでした。しかし、今回シャンディア達のドラムのリズムが”解放のドラム”と同一だったことから、シャンディア達が信仰していた「太陽の神」と「太陽の神ニカ」は同一のものだと考えられます。
そうなると、太陽の神ニカのイメージ(1018話)とシャンディアの姿が似ていることなどに重要な意義が生まれてきます。それはジョイボーイがシャンディアだった可能性です。
シャンディア達は「先祖を神の様に尊敬している」と言います(290話)。仮にジョイボーイがシャンディアの戦士だったとすれば、神格化されるのは自然なことと言えます。
シャンディアの「太陽の神」のモデルがジョイボーイなのであれば、他の神々にもモデルがあるのではないかという考えが生まれてくるわけですが、それには打って付けのモデルがあります。それはジョイボーイの仲間(1040話)だったズニーシャあるいはそれを従えた光月家の当主などです。海王類あるいは伝説の人魚姫(ポセイドン)もこれに当てはまります。
光月家の当主がウラヌスだとすれば(821話考察)、残るはプルトンで、3つの古代兵器がシャンディアの神々のモデルになっているのではないか(雨の神=ポセイドン、森の神=ウラヌス、大地の神=プルトン?)と思うわけですが、プルトンに関しては設計図が存在するため(399話)、プルトンを設計した人物がこれに当てはまるのかもしれません。
800年前に生きたジョイボーイが帰って来たと言うと、スピリチュアルな発言に聞こえてしまうわけですが、ゴムゴムの実の覚醒した特徴がジョイボーイ特有の特徴であるのであれば、不自然な発言ではありません。
その名前が意味するところから、薄々分かっていたことではあるのですが、「ジョイボーイ」という名前は本名ではなく異名のようなものだと考えられます。「ジョイボーイ」という名前はゴムゴムの実の覚醒後に付けられた名前ではないかということです。
Joy Boy = 喜び 少年
なぜ、そんなニックネームが付けられたのか。
・・・(中略)
そして今回、ジョイボーイ特有の特徴とみられる”解放のドラム”も、太陽の神ニカ=ジョイボーイの説を裏付けるようなものとなっています。
その呼び名に加えて、「人を笑わせ苦悩から解放してくれる戦士」という部分です。
我々現代人には感覚として共感しにくいところがありますが、シャンディアのような古代文明人にとって、楽器や音楽は極上の娯楽だったはずです。そのような中で楽器の音を奏でながら戦う強い戦士がいたとしたら、どうでしょう。しかも、その戦士はゴム人間です。
「ジョイボーイ」という異名はこの戦士を形容する言葉だったのではないでしょうか。