本記事の内容は原作
1044話に関わるもので、コミックス派・アニメ派には重大なネタバレを含みます。
1044話はコミックスにはおそらく103巻に収録されるはずなので、コミックス派は今夏以降に閲覧してください。アニメの放送は・・・来年の春か夏ですかね(知らんけど)。
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さて本題に入りますが、ゴムゴムの実の”仕掛け”はいつから構想されていたのかという場外の話です。
連載開始時点からだったのか、はたまた連載途中であればいつから考えられていたのか。
読者の100中100人がまんまと騙されたであろう
ゴムゴムの実の正体は、推理小説に例えると、叙述トリックに近いものがあります。劇中(ワンピース世界の『悪魔の実図鑑』)のほか、コミックスのおまけコーナーの
SBS(30巻)、および
公式ファンブック(YELLOW、BLUE DEEP)でもゴムゴムの実は”
超人(パラミシア)系”悪魔の実だと紹介されており、読者にその情報を疑う余地はありません。
パラミシア系、動物(ゾオン)系、自然(ロギア)系の分類の仕方はコミックス35巻(2004年発売)のSBSにおいて次のように説明されています。
ロギア系の能力は、体そのものが他の物質に変化します。
ゾオン系の能力は、動物に変型します。
それ以外は、みんなパラミシア系に分類して下さい。
ただし、体そのものが変化するパラミシア系もいるんだよなー。
この説明ではロギア系とゾオン系に分類されないものは全てパラミシア系に分類されるとされています。但し書きについては、最も分かりやすいはずのノロノロの実がどの系統に分類されるか分からないという読者の質問に回答するためのこの説明では、言葉足らずで、また迷う例があるという懸念です。
例えば、『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』に登場する、体が飴になる
アメアメの実はロギア系に分類されている一方、体が餅になるカタクリの
モチモチの実はパラミシア系だとされています。これらは質問した読者でなくとも悩むところで、この但し書きに対して、ゴムゴムの実の特殊性の含意まで読み取るのはナンセンスです。
ギア4のルフィのビジュアル変化にギア5(ニカの獣型)の前兆が見られること、ギア4がギアシリーズの最終形として登場していないことから、
少なくともギア4が登場した段階(ドレスローザ編)で既にギア5の構想はあったものと推察されます。
コミックス35巻(2004年、ウォーターセブン編)のSBSでは、「
ルフィにゴムゴムの実以外を食べさせればよかったと思ったことはありますか?」という質問に対して、次のように回答されています。
ないです。
そういうのは連載前に、死ぬ程悩んだから、ぜんぜんないです。
ゴム人間が好きです。
また、コミックス65巻(2012年、魚人島編)のSBSでは、主人公のルフィをゴム人間に設定した理由を次のように語っています。
答えは簡単です。
一番ふざけた能力を選んだのです。
まっすぐに強くてかっこいい主人公だと、僕はこんなに長くつき合えてないと思います。
どんなに話が深刻になっても、ルフィは伸びたり膨らんだり。
いつでもふざけるチャンスをくれます。
この「一番ふざけた能力」という形容は、1044話で五老星が語ったゴムゴムの実(ヒトヒトの実 幻獣種 モデル ニカ)の覚醒能力の形容「
世界で最もふざけた能力」とリンクすることになりますが、質問に対する回答は完結しており、示唆的なものではありません。
問題は「連載前に、死ぬ程悩んだ」というのが、どこまで考え抜かれていたのかということです。
連載開始前にロギア系能力は当然、考えられていたはずで、それに対抗する手段として、「覇気」の設定は既に構想されていたはずです。そして、ゴム人間のルフィが覇気を使わずに倒すことができるロギア系能力者がクロコダイルとエネルだったわけです。
「覇気」の設定があれば、
連載開始前にギア4まで構想することは可能になります。
2003年発行の集英社の雑誌(「manga オモ!」)のインタビューでは、『ONE PIECE』のアイディアを書き留めている「落書きノート」(当時、月に一冊増えていく)を見ながら、描きたいことを全て入れていくと『ONE PIECE』がラストを迎えるまでに「
あと20年ぐらいは必要」と語っています。この計算には最終章が含まれているわけですが、連載は最終章を前に2003年当時からちょうど20年ぐらいが経ちそうな感じです。
果たして、この膨大な「落書きノート」の中にギア5の構想はあったのか・・・
しかし、
それ以上は栄ちゃんの証言や、それこそ落書きノート等の物証が出ない限り、検証不可能です。それについては「ONE PIECE magazine」でいつか出てくるかもしれません。
ここまでが個人的におさらいしておきたかったところです。私自身は1044話で受けた衝撃が全てで、真相をあまり穿り返したくない気持ちがあるのですけど、SBSでゴムゴムの実について書かれていたことは、うろ覚えでしたからね。
そして、ここからが別の目的の検証です。
当ブログの最新話の考察記事には、
考察好きの方が TwitterやYouTube等で知られている考察を経由して、コメントをしていると見られる場合があるのですが、私自身は他の人の考察を極力見ないようにしているので、説明してくれないと分からないこともあるんですよね。
それで今回、気になったのは
ゴムゴムの実の正体についてSBSに示唆があったという旨のコメントです。
しかし、上記で検証したようにSBSに示唆的なものは見当たりません。
じゃあ、一体の何のことを指しているのかと調べたら、どうやらコミックス20巻(2001年、アラバスタ編)のSBSのことが言われているようです。このSBSでは、
人間がヒトヒトの実を食べたらどうなるのか?という鋭い質問に対して、回答は次のように大変困ってます(笑)。
”人と成る”なんて言葉がございますように。
えー。これは成人するとか、正気にかえるとかいう言葉で、人が人になる。
といいますと、つまり、人が人らしく生きる。
と、そういう感じもあったり。ね。
なかったり。つまり、なかったり。
はい、そようなり。(逃げた)
動物がゾオン系悪魔の実、それもヒトヒトの実の能力者になるという逆転現象がチョッパーのギミックの面白いところですが、野生動物が悪魔の実を食べるというのはレアケースでして、本来、人間が食べたら、泳げなくなるのは当然として、ほとんど変化はないはずです。ゾオン系悪魔の実の恩恵で腕力やタフネスは多少上がるかもしれませんが。
人間がヒトヒトの実を食べてもほとんど意味がないというのが、このSBSのやり取りの核心です。
一方、このSBSの回答を示唆的と捉える場合、
「人と成る」には
「神が人の姿でこの世に現れる」
という意味があるのだと言います。
これが神や大仏をモデルとするヒトヒトの実の幻獣種の能力者を示唆しているということなのだと思われるのですが、
・・・「人と成る」に、そんな意味はないだろ?
出典とされているのは、Googleで「人と成る」を検索すると最初にヒットするページ「コトバンク」に記載された『
精選版 日本国語大辞典』のようです。
この辞書には「人と成る」の通常の意味2つ(1. 一人前になる 2. 正気に戻る)に加えて、「神などが人の姿をかりてこの世に現われる」と記載されています。
その意味の用例として、『豊後風土記』にある一文「
神有り・・・化て人と為りて参迎へ」が記載されています。
しかし、これはおかしな話です。なぜなら、「
神が化けて」と他の言葉で直接書かれており、
「人と成る」単独にそのような意味を読み取ることはできません。
他の辞書を見ても、この3つ目の「人と成る」の意味が書かれているものは見当たりません。私は言語学者でも専門家でもないので、この辞書の誤りだとは言いませんが、少なくとも慣用表現ではなく「
人の姿になる」という直接的な意味であり、通常、
主語は人ならざる者となります。
神とか妖怪とか、タヌキとか。結局、それってチョッパーのことであり(タヌキじゃねーぞ!)、ヒトヒトの実を食べた者は「人と成る」わけです。
先日、「
考察「ジョイボーイにDを足すとjoydboy=麦わらになる」→ そもそも「joydboy」という単語は存在せず」という記事を紹介したのですけど、
結局、今回もリテラシーの問題なんですよね。。
あと、ついでに
チョッパーのヒトヒトの実がただのヒトヒトの実ではない
と、にわかに言われ始めたことについても言及しておこうと思います。
要するに、これは何か隠れた「モデル」があるのではないか?という勘繰りなのですが、
この予想については私は否定派です。
理由は色々あります。
1)チョッパーの漫画ギミックは単なる「ヒトヒトの実」で十分成立している
2)ヒトはホモ・サピエンス1種を指すので「モデル」が無いことに違和感はない
3)ウマウマの実やモグモグの実、ゾウゾウの実などモデルを確認できないゾオン系悪魔の実は存在する
4)ランブルボールを使うチョッパーの変形点にトナカイ以外の要素を見出せない
5)仮に幻獣種で、ルフィと同じく覚醒しないと能力が発現しないとすると漫画的に芸がない
決定的なのは、上記のコミックス20巻のSBSの回答と公式ファンブック『BLUE DEEP』(2012年)の作者アンケートの回答です。このアンケートで栄ちゃんは食べたい悪魔の実を「ハナハナの実」、逆に
食べたくない悪魔の実を「ヒトヒトの実」と回答しています。当時、モデル大仏は既に登場しているため、単にヒトヒトの実と言った場合、チョッパーが食べたヒトヒトの実を指しています。
つまり、コミックス20巻のSBSの回答と『BLUE DEEP』のアンケートの回答において、
人間がヒトヒトの実を食べることに価値がないという見解で一貫しているわけです。これがブラフだとすると、流石にやりすぎでしょう。
最後に
「太陽の神ニカ」の示唆と言われているものについて、私の所感を述べてこの記事は終わりにします。
コミックス62巻の表紙のルフィの上に「ニカ」
これは、たぶん「太陽の神ニカ」が原作に出てきた時(1018話)から指摘されていたものだと思います。
イスラム教徒には、創始者の名前にあやかって「ムハンマド」の名を持っている人が非常に多いわけですが、
魚人族が「太陽の神ニカ」を信仰していることは1018話から読み取れるため、神の名前を持っている魚人族が居ても不思議なことではありません。ワンピースのキャラクターで、同じ名前が付くのは珍しいので(
前例はおそらく把握漏れ)、逆説的にそのような理由付けに説得力が出てきます。
しかし、メダカの人魚の五つ子で「イチカ」「ニカ」「サンカ」「ヨンカ」という具合に名前がつけられているので、リアルに考えると「ニカ」だけ神の名前が付けられて、なんかずるくない?という違和感はあります。仮に、全部、魚人族が崇めている神様の名前だとすると「ヨンカツー」は流石に変ですし。
また、仮に「太陽の神ニカ」の設定がこの時点であったのなら、魚人島編は魚人族の奴隷の歴史を描いたエピソードなので「ニカ」について、
名前だけでも出す機会はいくらでもあったはずです。しかし、実際に本編に出てきたのはワノ国編でフーの口からでした。
なので、
この表紙絵の仕掛けが、初めから考えられていたものなのか、後から意味が付け加えれたものなのか、50:50です。どちらかと言えば、後からという印象を受けます。あくまでも「ニカ」という名前についてですが。
571話の扉絵 鏡の前にカニだから「ニカ」
偶然だろうなw
よく見つけたなって話なのですが、571話がちょうどセンゴクのヒトヒトの実 幻獣種 モデル大仏が描かれるエピソードなのでリンク付けされています。しかし、この扉絵は「麦わらの一味」と「動物」シリーズで、「床屋のカニ」というテーマは意図せずともいつかは描かれた題材でしょうからね。
あと、
「ニカ」の名前の由来について、どこぞの言語で天然ゴムの木の一種を「ニカ」と呼ぶと言われているようなのですが、出典を見つけることはできませんでした。ガセなのかガチなのか、分かりません。