・ジェルマ66のあゝ無感情海遊記
短期集中表紙連載 第25弾。このシリーズでは、ホールケーキアイランド編の事件以降のジェルマの様子が描かれています。
Vol.11「なぜ!?研究所の本が発火で2人が解放!!」
トットランド脱出の際にビッグ・マムと交戦して敗れ、モンドールのブクブクの実の能力により人間標本にされてしまった
ニジと
ヨンジは、オーブンに担がれてホールケーキアイランドに運ばれ、ブラウニーらに引き渡されています。どうやらジェルマの科学を暴く研究材料として解剖される様子でした。
一方、ショコラタウンに2名の侵入者が出現。弟達を奪還するため、
レイジュと
イチジが早くもホールケーキアイランドに戻ってきた模様です。ジェルマの侵入を察知したブリュレはクラッカーにその事を伝えています。
本話では、人間標本のまま解剖されようとしていたニジとヨンジが、人間標本の
謎の発火により、ブクブクの実の能力から解放されています。なぜ?
・エピソード・オブ・カイドウ
本話では、
カイドウの幼少期からワノ国を裏で支配するまでの半生が短い回想で描かれています。
49年前:
カイドウは
ウォッカ王国に生まれ、10歳にして国の最強の兵士として活躍。
ウォッカ王国・・・天竜人への貢ぎ金「天上金」(727話)の支払いのために略奪戦争を繰り返している、偉大なる航路にある?貧しい国。マルコの話では「天上金」を払えない世界政府非加盟国は、普通は海賊や人攫いが横行する”無法の島”になり、ついには国は滅びるということでした(
909話)。ウォッカ王国の人たちは、非加盟国になることを「世界での人権を失う」と表現している模様です。
46年前:
カイドウ(13歳)が海軍に徴兵される。実際は、海軍がカイドウの戦力を危険視し、カイドウを引き渡す代わりに、ウォッカ王国への世界会議(レヴェリー)への参加権を与えるという条件で、海軍と国王の間で取引が行われた模様。
意思に反して引き渡されたカイドウは海軍を脱走し、指名手配される。懸賞金額7,000万ベリー。その後、何度も逮捕と脱獄を繰り返す。
44年前:
海賊島「ハチノス」にて、ロックスの誘いでカイドウ(15歳)が
ロックス海賊団(
957話)に加入。
38年前:
ゴッドバレーで事件発生。ゴッドバレーにて、ロックス海賊団が壊滅(
957話)。
1049話
※カイドウに声をかけているシルエットの人物は白ひげ?あるいはビッグ・マム?
33年前頃:※本話の回想では描かれていない
ロックス海賊団の残党がそれぞれ新しい仲間を集めて勢力を広げる(962話)。カイドウもこの時点で既に百獣海賊団を結成している模様。
28年前頃:
黒炭家のババア(
黒炭ひぐらし)が百獣海賊団のもとに現れ、カイドウにワノ国での武器製造の儲け話を持ちかける。28年前は光月おでんがワノ国を出航して2年目。ワノ国ではオロチとババアが将軍スキヤキを暗殺(965話)。
1049話
25年前:※本話の回想では描かれていない
光月おでんがトキらを連れて4年ぶりにワノ国に一時的に帰還。この時点で、ワノ国に武器工場が建設されてた様子を確認できる(967話)。
24年前:※本話の回想では描かれていない
光月おでんがワノ国に帰還。既に百獣海賊団がオロチと手を組んでいる(968話)。この時点までに、百獣海賊団は鬼ヶ島をアジトにした模様。
カイドウが
怪童(かいどう)でした、という話です。捕縛の経験が計18回など、カイドウの逸話に関わるエピソードも出てきています。
また、
カイドウがワノ国にやって来た経緯が明らかになりました。カイドウがワノ国に目をつけたわけではなく、後ろ盾を探す黒炭家のババアがカイドウの武力に目をつけ、儲け話を持ちかけたようです。
そして、未だに謎なのが38年前に起きた
ゴッドバレー事件です。
今は跡形もないゴッドバレーにて起きた本事件は、ガープがロックス海賊団を壊滅させた英雄譚としてのみ世間に知られており、ロックス海賊団が関わる事件は世界政府によってもみ消されることが多く、本事件の詳細もほとんど知られていません(
957話)。
センゴクが語ったゴッドバレー事件の真相は、「
ゴッドバレーにて”天竜人”とその奴隷達を守るため、そこに居合わせたガープとロジャーが手を組み「ロックス海賊団」を打ち破った事件」とされています(
957話)。
これを聞くと、まず、
どうしてロジャーがそこに居合わせたのかが謎であり、この事件はゴッドバレーでロックス海賊団が天竜人を襲撃したことをきっかけに起きた事件だと受け取れるわけですが、本話の回想からは、
ロックス海賊団は何か大きな事件が起きたことを受けてゴッドバレーに向かったことが分かります。
ロックスの野望は「
世界の王」だったとされており(
957話)、ロックスにとって天竜人および世界政府は倒すべき相手だったと考えられます。また、本話では、カイドウが天竜人に対して反感を持っている様子が描かれています。
それを踏まえると、ロックス海賊団は天竜人の一団がゴッドバレーを訪問するという情報を得て、ゴッドバレーに向かったのかもしれません。しかし、それだとロジャーがゴッドバレーにいた理由が不明のままです。
一方、
ウオウオの実の幻獣種は、ゴッドバレー事件の際に、ビッグ・マムがカイドウに渡したものだとされています(
999話)。本話の回想では事件の後、姿を消したカイドウに対して、ビッグ・マムが怒っている様子が描かれています。これは希少な悪魔の実を譲ったビッグ・マムのカイドウに対する貸し(907話)に対して、何の礼もなかったことへの怒りだと考えられます。
そして、ここでまた疑問なのが、
どうしてゴッドバレー事件に悪魔の実が出てくるのかということです。ゴッドバレーが「
悪魔の実の産地」として発見されたのであれば、売れば金になる悪魔の実ですから、儲け話にロックス海賊団やロジャー海賊団が飛びついたとも考えられます。
しかし、その場合はどうしてゴッドバレーに天竜人とその奴隷達がいたのかが謎になるわけですが、ゴッドバレー(GOD VALLEY)という名前がついていたぐらいですから、元より天竜人が住んでいた特別な島だったのかもしれません。
・終演
ルフィと
カイドウの戦いがついに決着です。
前回、ギア5ルフィが繰り出した〝
猿神銃(バジュラングガン)〟と〝火龍大炬(かえんダイコ)〟状態のカイドウが繰り出した〝
昇龍火焔八卦〟が真っ向から激突。そして、バジュラングガンがカイドウを完全に打ちのめしました。
一方、
モモの助は土壇場で巨大な焔雲を出すことに成功し、鬼ヶ島の自由落下を防いでいます。ただし、鬼ヶ島を空中に保持することはできず、鬼ヶ島はゆっくり落下して、地面にふわっと着地した模様です。ルフィとモモの助もヘトヘトの様子で、地面に落ちています。
本話の回想では、カイドウはヤマトから光月おでんの話を聞いており(それでも航海日誌の存在は知らない模様)、光月おでんがジョイボーイを迎えるためにワノ国開国を目指していたことを知ったようです。この話を受けて、
カイドウはこの先、自身を倒した男がジョイボーイだと、冗談っぽくキングに語っています。
これはカイドウが2度目にルフィを倒した際に呟いた「
お前も〝ジョイボーイ〟には……なれなかったか………!!」(
1014話)や、ギア5を発動して圧倒し始めたルフィに対してカイドウが「
お前は…誰だ」(
1046話)と尋ねたことに繋がる話で、自身を倒した者がジョイボーイだとカイドウが考えているという予想は、私自身は
1043話のコメント返信でようやく至っていました。
半ば冗談のつもりが、カイドウ自身も半信半疑の状態になっていたと見受けられます。
また、本話の回想においてジョイボーイについてキングに話すカイドウは、「
お前の待つ男と同じなら」と切り出しています。これは
1036話回想のキングとカイドウの会話に繋がる話です。
カイドウ:おれが”ジョイボーイ”だと!! おれの作ろうとする世界はお前の願う世界か!? ウォロロロ
キング:伝説は伝説だ…今更 何も求めていない…おれの命はあんたに貰ったもんだ
時系列では1036話回想の方が昔だと思われ、そして、このカイドウの発言はキングがルナーリア族であることを踏まえたものだと見られます。要するに、ルナーリア族はジョイボーイの再来を待ち望んでいる種族だと考えられます(
1036話考察。詳細はやはり不明ですが)。
この話が今後どう関係するのかというと、カイドウはルフィをジョイボーイだと認め、
キングもまたルフィをジョイボーイと認めることになるわけです。今後、ルフィがルナーリア族であるキングの協力を得られる可能性があるのではなかろうかと、予想されます。