8月27日から劇場版『ONE PIECE FILM RED』の入場者特典コミックスのまさかの第2弾「巻4/4」(※4分の4拍子の意)の配布があり、特典コミックス目当てで公開初日(8月6日)以来2度目の鑑賞に行ってきました。私の『FILM RED』評は
完全に否だったので、本来は映画館で2回も観ることはあり得ないのですが、賛否両論な本映画において私みたいな境遇の人はさぞ多いことでしょう。
2回目はどういう感じで観ようかと思ったのですが、映画公開からこれまでに
TVアニメの映画連動エピソードとONE PIECEマガジン掲載のウタの小説があり、
特典コミックス「巻四十億」掲載の設定は把握しているので、その時点で初回とは随分と状況が違うため、その上でそのまま割とフラットに観直しました。ただし、ストーリーは把握しているので、初回で気になったところや思うところがあったところは確認も込みで注力して観た感じです。
あと、劇中歌に関しては映画公開以降に公開になったMV(ウタカタララバイ以降)は観ておらず、アルバムは何度も聴いているという感じです。そんな私の鑑賞2回目の感想です。
今回は映画評じゃないので、断片的な感想(ツッコミ)・考察を箇条書きで。
・フィアーランド家(?)フィガーランド家
まず、一番確認したかったのは五老星がウタについて話していた内容です。「フィアーランド家」の血筋って言ってますかね?
追記)小説版の記載で「フィガーランド」らしい(以下修正)
ウタの出自はもはや誰も分からないはずなので、これはウタがシャンクスの娘である前提(※実際は実の親子ではない)で語られていると思われます。つまり、
シャンクスが五老星に懸念されるフィアーランドフィガーランド家なる家系の人間ということになるでしょうか。
特典コミックス「巻四十億」掲載の設定では、
38年前のゴッドバレーの事件の際、ロジャー海賊団が奪った財宝の中に1歳のシャンクスが紛れ込んでいたという話です。当時、ゴッドバレーで一体何があったのか、どうして赤ん坊が財宝の中に紛れ込んでいたのかはさっぱり分かりませんが、事件の時、ゴッドバレーには天竜人がいて(
957話)、シャンクスは海賊でありながら五老星に謁見できる人間(
907話)であることを考えると、
フィアーランドフィガーランド家は天竜人の家系だと推察するのが妥当です。
ちょっと気がかりなのは、チャルロス聖の登場後に、ウタが起こした事件について五老星が「天竜人が関わっている」と発言していることで、急にシャンクス=天竜人説がミスリードっぽい気もしてきます。と言っても他に思い当たるものがないのですが。
・特別席の麦わらの一味と人魚たち
エレジアのライブ会場は両サイドがスタンドのスタジアム型で、中央は海となっていて、小島がいくつかあり、そこが特別席(特等席)となっています。麦わらの一味はなぜかそこにいます。なんで?w
海にはウタのライブを聴きに来た人魚達もいたようですが、オープニングでジンベエがそれに触れたきり、全然出てきません。どこ行った?w
・あまりにも無能なCP-0とsword
ウタのウタウタの実の能力を把握しており、危険視しているがためにライブ会場に潜入していた海軍本部機密特殊部隊「sword」のコビー(と部下のヘルメッポ)とCP-0のブルーノとカリファ。
ウタワールドに取り込まれた者は、自力で脱出することは不可能であるのに(※トットムジカ降臨の特殊な条件を除いて)、
能力が発動してウタワールドに取り込まれた後も冷静に機会を窺っているのが意味不明です。
CP-0は、ウタがライブ前にネズキノコを食べていること確認しているのにも関わらず、何も対応していないのも理解できません。「ライブ前にネズキノコを食べていることを確認している…」とか言って静観してる場合じゃないんだよ、ブルーノ。
やるべきことはネズキノコを廃棄することですが、ライブが始まった後になっても、現実世界に残っているカリファは全然行動せず、ウタを拘束しようともしません。まぁシナリオ的に、海軍もCP-0も本気で仕事をしてしまったら困るのでしょうけど、ウタが死ぬ必要もなかったでしょうに。
・ウタカタララバイヤバイ
歌は良いと思っている私は賛同しませんが、『FILM RED』の批判評で、MVをずっと見せられているようで退屈というのがあります。劇中歌4曲目の「ウタカタララバイ」のシーンは改めて見ると、半分ぐらい劇中の描写がなくてMVみたいになってました。アレはそう言われても仕方ないですw
・肝心なことを早く言わないゴードン
ウタのライブでおかしなことが起き、会場から脱出したルフィ達は、何やら事情を知っているゴードンと出会います。ウタの計画を止めてくれと願って、ウタについて話し出すゴードン。
ウタがエレジアで育ち、世界で人気の歌手になるまでの経緯を・・・Σそれ、今言う必要ないだろ!w
ルフィは子供の時の経験からウタの能力を実は少し知っていたので、後でバルトロメオに責められていますが、ゴードンが重要なウタの能力と計画についてすぐ話さなかったのが悪いですね。ウタに真実を告白するのも遅かったですし。
・映画の作画でも贔屓されていたゾロ
作画については初見の感想ではFILMシリーズの平均かそれ以下という印象を受けたのですが、歌以外のライブステージ上の作画とか、ルフィのガトリングとか特に酷いですね。
改めて見て、
バトルシーンは技名叫んで、CGエフェクトがバン!というのばかりで、やはり退屈でした。原作に忠実と言えばそうですが、アニメ「ワンピース」が原作に明確に勝てる部分ってバトルシーンの描写なので、そこは妥協するべきじゃないです。
作画に注意して観ていると、
明らかにゾロが出るシーンの作画のクオリティが高く、物凄い偏りを感じますw ゾロと一緒に登場する機会の多いサンジも恩恵を受けてます。
TVシリーズワノ国編の総作画監督の松田翠さんはゾロ好きで、ゾロが出るシーンの作画は特別に力を入れているという話ですが(
インタビュー)、劇場版もそういうことになっているのでしょうか。
あと、鏡に映ったナミのシーンの作画は胸揺れもあって良かったです。
・X-MENのサイクロップスみたいなやつ
海軍がウタの能力対策用に用意していた遮音イヤーマフ。じゃあ目の部分には一体何の意味が?・・・藤虎をサイクロップスみたいなビジュアルにしたかっただけなんじゃ・・・
・生キノコ
ウタ、ネズキノコを生でパクパク食べてますね…
バーベキューの食材に入っていたので、本来焼くものだと思うのですが…
というか普通、キノコは熱を通して食べますが…そうしないと毒だったりするので…
もしかして、ウタの死因は食中毒じゃあるまいな
・謎の機械兵とトットムジカの設定
ウタワールド脱出の手がかりを求めて、エレジアの城の資料室を訪れたロビン達。そこで、謎の巨大な機械兵に襲われますが、あれは結局なんですか?w
デザイン的にはウタの能力ではなくてトットムジカに関連している何かなような気がしますが、2回見ても意味が分からなかったです。音楽の国のエレジアの城の資料室に元々あったものだとすると、物騒すぎますし。
そんな資料室から帰って来たロビンがウタウタの実のウタワールドと現実世界をつなぐトットムジカの設定(同時攻撃やら)を話し出すと、やはり意識が飛びそうになるのですが、結局、トットムジカの存在はウタウタの実の能力ありきということでした。
ウタワールドから自力で脱出する唯一の方法のきっかけが、ウタウタの実の能力者がトットムジカを召喚することなので、
ウタワールドに閉じ込められている者達にとって、ウタが最終手段にしていたトットムジカを召喚した状況は好機となるわけでして、チグハグしています。
それに、ゴードンが二度と事件が繰り返されないようにと、トットムジカの楽譜を燃やしていたら、ウタワールドから自力で脱出することはできず、完全に詰んでいたわけでして…シナリオの穴を塞ぎきれません。能力者が死んだら、ウタワールドが消えないという情報をウタは誰から仕入れたのでしょう?
・シャンクスの罪
ウタは2歳の時(劇中では赤ん坊に見えますが)に赤髪海賊団に拾われて、名前は自分でウタと名乗ったみたいです。ONE PIECEマガジン掲載の小説では、3歳のウタとシャンクスのハートフルなエピソードが書かれており、この時既にウタはシャンクスに物凄い懐いています。TVアニメの連動エピソードでは映画本編以上に、フーシャ村滞在時のウタの様子が描かれていました。
それを経て、エレジアの事件後の赤髪海賊団のウタへの対応は罪深いです。初見の感想でも、赤髪海賊団はウタが何も知らないまま連れ帰っていれば良かったのに思ったわけですが、
TVアニメの連動エピソードにてベン・ベックマンがシャンクスと喧嘩したルフィを気にかけてフォローしていたりして、尚更になんでそうしたのかと思ってしまいます。赤髪海賊団の中で、どういうやり取りがあったのかも不明です。
率直に言うと、子供の置き去りですからね。何もなかったとウタに嘘をつけばいいものの、酷い嘘と仕打ちをウタにして、ルフィにも嘘をつくという。会ったばかりでよく知らないはずのゴードン(見た目は怪しめ)に娘を託すというコンボつきです。そいつ、トットムジカの楽譜(?)を胸に抱えて「誓う」とか言ってるぞ!とw
実の親じゃないので育児放棄とまでは言わないですが、状況的に絶縁だったので、シャンクスが「離れていてもお前はおれの娘だ」と言うのも、今更やって来て「親子喧嘩」と言うのも、軽薄に聞こえてしまいます。
・ビッグ・マム海賊団の情報力
ウタが事を起こしてから、ビッグ・マム海賊団から一人、ライブ会場に駆けつけたカタクリ。エレジアは偉大なる航路の前半か東の海か南の海にあるらしいのですけど、たった数時間(?)でカタクリはどこからやって来たんです?
そしてなぜか、現実世界とウタワールドからトットムジカの同じ場所を同時攻撃するという脱出方法を知っていました。CP-0もswordも知らなかったというのに。恐るべし、ビッグ・マム海賊団の情報力。
・「世界のつづき」の歌唱シーンに伴奏がある不自然さ
トットムジカに取り込まれてしまったというウタワールドの者達を歌で救おうとするウタ(どういう理屈なのか不明)。弱った体で最後の力を振り絞り、「世界のつづき」を歌い始めます。
このシーンは状況的にアカペラになるはずですが、なぜか伴奏が流れ出してウタが歌い始めます。音源やないかーい!w って。笑うようなシーンじゃないのですけど、違和感が凄いです。
その後の「風のゆくえ」はシーンに合わせてウィスパーボイスでアカペラの別バージョンが作られていますが、「世界のつづき」はそのままなんですよね。
初見の感想で、(劇中歌を除く)劇伴はシーンに合ってないと書きましたが、改めて聴くと中盤から終盤シーンにかけて劇伴はクソダサいです(ぁ
・ラストシーン
初見の感想で、エンドロール後のルフィのシーンではルフィが「サニーくん」を思い出していたと記憶していたのですが、どうやら記憶違いだったようで(意識飛んでたのか?)、
麦わら帽子を手に持ったウタが何か喋っている(無声)回想のカットの後、ルフィが「海賊王に おれはなる!」で終了でした。
このウタのカットは、おそらくウタがルフィをウタワールドから戻す際に会話をしたシーンの「立派な海賊になるんだよ」という旨の台詞なんでしょうね。そう言って死に別れたウタに対する答えなら、
「あぁ、そうする…」とか静かに呟いた方が断然カッコよくて締まるのですが、どうにもルフィをキチガイにさせたがるので困りますw
それでも、ウタの回想が無声じゃなかったら、初見の印象は大分マシになっていたことでしょう。
・サニーくん
全く好きになれない。
これは谷口悟朗監督のアイディアらしいのですが(ミニベポも)、だったら、お飾りじゃなくてもっと活躍させんかい!と思います。
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