・ジェルマ66のあゝ無感情海遊記
短期集中表紙連載 第25弾。このシリーズでは、ホールケーキアイランド編の事件以降のジェルマの様子が描かれています。
Vol.19「脱出!! ニジ・ヨンジ救出成功!!」
<これまでのあらすじ>
トットランド脱出の際にビッグ・マムと交戦して敗れ、モンドールのブクブクの実の能力により人間標本にされてしまった
ニジと
ヨンジは、オーブンに担がれてホールケーキアイランドに運ばれ、ブラウニーらに引き渡されています。どうやらジェルマの科学を暴く研究材料として解剖される様子でした。
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一方、ショコラタウンに2名の侵入者が出現。弟達を奪還するため、
レイジュと
イチジが早くもホールケーキアイランドに戻ってきた模様です。ジェルマの侵入を察知したブリュレはクラッカーにその事を伝えています。
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ところが、人間標本のまま解剖されようとしていたニジとヨンジが、人間標本の
謎の発火により、ブクブクの実の能力から解放されています。
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謎の発火後、ショコラタウンに居たはず?のイチジとレイジュが押し入って現場を制圧。ジェルマ4人は現場を立ち去っていく。 その様子を物陰から見る
シーザー(逃げ損ねたらしい)。
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ジェルマ4人の前に
カタクリと
オーブンが現れ、戦闘。シーザーはこの戦闘に割り込んで、毒ガス攻撃を仕掛け、ジェルマに脱出の助力を懇願。さらにシーザーの「幻覚ガス」がカタクリとオーブンに効いて錯乱に成功。
というわけで、無事(?)、レイジュとイチジはビッグ・マム海賊団に捕らえられたニジとヨンジの救出に成功し、ついでにシーザーも一緒に脱出しています。今回が最終回ではないので、次はシーザーが嫌っていたジャッジと会うことになるのでしょうか。
・エッグヘッド
前回、ワノ国を出航した麦わらの一味はログポースの指針を辿り、次の島へ航海中のところ”暖水渦”なる不思議海流に遭遇し、さらに海の中で遭難していた
ジュエリー・ボニーと邂逅しました。
落ち着く間も無く、海面には巨大なメカ(サイボーグ?)のサメ(=
メカシャーク)が出現し、サニー号を襲ってきました。ボニーは単独で航行中、このメカシャークに襲われて、遭難したそうです。結局、一味はバラバラとなり、
ジンベエが海に落ちた
ルフィ、
チョッパー、それと
ボニーを救助して近くの島のエッグヘッドに漂着。ボニーのサービスショットがありますが、彼女の実年齢は・・・・・・(ビブルカードONE PIECE図鑑でも年齢不詳となっており、見た目から推定24歳とされている)
一方、メカシャークに襲われたサニー号は
巨大なロボットに助けられています。
ワーナー・ブラザーズの『アイアン・ジャイアント』(1999年)がモチーフだろうと思われるロボのシルエット。胸には「VEGA FORCE」と書かれています。また、メカシャークの体には「〜UNK」と書かれていました。
話タイトルの「
未来島エッグヘッド」からも既に察しがつくように、エッグヘッドとは
ベガパンクの研究所がある島であり、この島が次の物語の舞台となるようです。島の外観は縦長で森に覆われており、天辺には巨大な卵の殻が口を開けたようなオブジェがあり、さらにその殻の周りには土星の輪のようなものが付いています。
世界会議(レヴェリー)中の藤虎と緑牛の会話(905話)では、ベガパンクのもとへ赴いたという藤虎は「すげェモンが完成してやした」という感想を述べて、王下七武海の撤廃が可能だと確信していました。藤虎が見たもの(※見てはいない)が新型パシフィスタ「セラフィム」(
1059話)であり、藤虎が赴いた場所がエッグヘッドだったわけです。エッグヘッドが
SSG(
957話)の本部だと思っていいかもしれません。
エッグヘッドへ一人で来たという
ボニーは
ベガパンクに用があるのだと言います。
ボニーに関する考察(
908話考察)を振り返ると、908話の描写からボニーの正体(ソルベ王国王太后)とバーソロミュー・くま(元ソルベ王国国王)の関係性(母と息子?)が明らかとなり、くまの悲惨な様子を見て、ボニーは涙し、「許さねェ…!! 絶対に…!!!」と発言。このことからボニーは「チャルロス聖殺人未遂」の犯人だと予想されます(
1054話)。
また、頂上戦争の際に戦況を中継映像で観ていたボニーは泣いており(565話)、そして戦争終了後、「
何もかも あいつのせいだ・・・」「
すぐに探し出してやる!!行くぞ!!新世界へ」と発言していました(581話)。乗り込んだ新世界では黒ひげに敗れて拘束され、赤犬と対面した場面では「
お前達…!!! 絶対に許さねェからな!!!」(595話)と言っており、この時にボニーはくまの件について海軍に怒りを訴えていたと思われます。
したがって、ボニーが言う「
あいつ」とは くま を現在の境遇に追い込んだ者だと考えられ、
くまの改造を行ったベガパンクがその候補と考えられたわけでして(
908話考察)、今回それが確定しました。つまり、ボニーがベガパンクに用があるというのは くま の敵討ちです。あるいは可能であれば、くま を元に戻すことも視野に入れているかもしれません。
ボニーが新世界へ乗り込んだ主な理由は前述のようにベガパンクを探し出すことであり、黒ひげ海賊団に敗れて海軍に捕まり、脱獄(?)した後は新世界編ではボニーは常に単独行動しているように見えます。マリージョアに潜入したのも、エッグヘッドにやって来たのも私情の目的なので、ボニー海賊団は事実上、解散したのかもしれません。そもそも、ボニー以外の船員は皆、牢獄に入っているのかもしれません。
一方、サニー号サイドでは、巨大なロボットのコックピットの中から、ついに
ベガパンクが登場しています。
わしァ政府に雇われたしがない”天才科学者”
Dr. ベガパンクじゃ!!!
と、言われてもなぁ・・・
あまりにも説得力がないキャラクターデザインに拍子抜けしてしまいました。『日常』の「はかせ」かよ、と。私はこのベガパンクは
ベガパンク本人ではないと疑っています。
その根拠としては、以下の6点が挙げられます。
1つは、第一印象としてキャラクターデザインに説得力がないこと
1つは、以前登場したシルエットと整合性がないこと
1つは、以前登場した際の喋り方と口調が異なること
1つは、胸に「PUN(K) 02」と書かれていること
1つは、ベガパンク本人が不用意に一人で海賊の前に姿を現すとは考えにくいこと
1つは、ベガパンクはジャッジらと一緒に研究していたのに見た目が若すぎること
ベガパンクは”4年前”のパンクハザードの回想にて初登場しています(684話)。
684話
他のキャラクターの例で言うとシルエットについては、これまでも整合性がないことはあるので、シルエットのみで決め手とはなりませんが、この時、方言ではなく標準的な言語を喋っているのは見過ごせません。
また、ベガパンクは
20年以上前に兵器研究を行なっていた無法な研究チーム「MADS(マッズ)」に所属しており、
ヴィンスモーク・ジャッジ、
シーザー、
クイーンらと研究をしていました(
1017話)。この時の研究でベガパンクは生物の「血統因子」を発見しています。世界政府はこの研究を危険視して、ベガパンクを逮捕し、研究チームを解散させ、実際は研究チームをまるごと買収しています(
840話)。この経緯から普通に考えるとベガパンクの年齢は30代後半以上だと予想されますが、今回登場したベガパンクの見た目は若すぎます。
そこで、今回現れたベガパンクは
ベガパンク本人ではなくアンドロイドの類であり、ベガパンク本人が遠隔で操作しているのではないかと予想します(ジェルマの技術の様にベガパンク本人のクローン人間の可能性もある)。胸に「PUNK 02」とあるのは
機体番号というわけです。今後ベガパンクが登場する際、胸の番号には注目しておきましょう。殺意を持ったボニーにベガパンクが殺された!?と思ったらアンドロイドでした、みたいな展開があるのかもしれません。
性別についてはアンドロイド説では不詳となりますが、「ベガ」って確かに女性の名前なんですよね。国内だとカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイター」のイメージがあるので、そんな感じはしませんが。
あと、ワノ国編では途中ですっかりその存在を忘れていた
カリブーもサニー号に同行していることは、今回は忘れないようにしておかないといけませんね(笑)。
・海軍本部G-14支部
エッグヘッド付近にある
海軍本部G-14支部にて。ここにはアマゾンリリーの事件後にエッグヘッドに向かった海軍の小隊(
1059話)が駐屯していました。エッグヘッドに向かったのは出動させたセラフィムを帰還させるためだったと思われます。
また、G-14支部にはパンクハザードの子ども達をベガパンクの研究所まで移送していた海軍G-5(793話)の面々も駐屯していました。ここでは、体を巨大化させられたモチャ達を元のサイズに戻すための治療を行なっている様子です。薬はベガパンクが作ってくれたのでしょう。
今回は海軍本部機密特殊部隊「SWORD」のメンバーを中心に海兵の新キャラクターがいくつか登場しています。
海軍本部G-14基地長 ドール中将
海軍本部中佐(SWORD)ひばり
ヘルメッポもSWORD隊員というのは劇場版『ONE PIECE FILM RED』の設定で明らかになっていました。
海軍本部少将(SWORD)プリンス・グルス
プリンスにちなんで部下には「王子」と呼ばれているグルス。お前、百獣海賊団の真打ちにいなかったか?w
SWORD隊長の
ドレークとは音信不通とのことです。ドレークは鬼ヶ島の戦いで負傷しましたが、死ぬほどではなかったように見えます(
1052話)。どうして連絡がつかないのでしょう。というか、海賊に潜入している隊長と連絡がつかないことが本隊に影響するのは指揮系統の欠陥じゃなかろうかと。十分起こり得る事態ですからね。