・ジェルマ66のあゝ無感情海遊記
短期集中表紙連載 第25弾。このシリーズでは、ホールケーキアイランド編の事件以降のジェルマの様子が描かれています。
前回(Vol.20)、所変わってショコラタウンの様子が描かれており、
街中が氷漬けにされた様子から、クザンが侵入し、その目的はプリンではないかと考察しました。その理由は、クザンが黒ひげ海賊団との関連が匂わされていること、三つ目族のプリンは第三の目が真の「開眼」をすると、歴史の本文を読み解くことができること(853話)であり、
黒ひげ海賊団がワンピース争奪戦に参戦する可能性が示唆されていました。
そして、今回(Vol.21)、案の定、プリンが攫われたことが判明しており、本編では
黒ひげ海賊団が登場し、ワンピース争奪戦に参戦していることが明らかになっています。
Vol.21「プリンが攫われた!!」
<これまでのあらすじ>
トットランド脱出の際にビッグ・マムと交戦して敗れ、モンドールのブクブクの実の能力により人間標本にされてしまった
ニジと
ヨンジは、オーブンに担がれてホールケーキアイランドに運ばれ、ブラウニーらに引き渡されています。どうやらジェルマの科学を暴く研究材料として解剖される様子でした。
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一方、ショコラタウンに2名の侵入者が出現。弟達を奪還するため、
レイジュと
イチジが早くもホールケーキアイランドに戻ってきた模様です。
ジェルマの侵入を察知したブリュレはクラッカーにその事を伝えています。
※ここで、ブリュレが察知した侵入者はジェルマではなかったと見られます。
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ところが、人間標本のまま解剖されようとしていたニジとヨンジが、人間標本の
謎の発火により、ブクブクの実の能力から解放されています。
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謎の発火後、
ショコラタウンに居たはず?のイチジとレイジュが押し入って現場を制圧。ジェルマ4人は現場を立ち去っていく。 その様子を物陰から見る
シーザー(逃げ損ねたらしい)。
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ジェルマ4人の前に
カタクリと
オーブンが現れ、戦闘。シーザーはこの戦闘に割り込んで、毒ガス攻撃を仕掛け、ジェルマに脱出の助力を懇願。さらにシーザーの「幻覚ガス」がカタクリとオーブンに効いて錯乱に成功。ジェルマとシーザーが一緒に脱出。
あと一応、クザンが能力者狩りにより既に死亡している可能性もなきにしもあらずです。
・猫の仕事
ベガパンクの研究所がある「未来島エッグヘッド」に辿り着いた麦わらの一味とその他(ジュエリー・ボニー、カリブー)一行。島ではDr.ベガパンクを名乗る「
猫(サテライト)」と呼ばれる者達が登場しています。「猫の手も借りたい」ほど忙しい天才科学者ベガパンクは
自分を猫(サテライト)6人に「分散」しているという話です(
1062話)。
猫(サテライト)はPUNK-01からPUNK-06までの6人がおり、それぞれ型番号の他に、漢字一文字に当て字の名前が付いています。
PUNK-01:Dr.ベガパンク「正(シャカ)」
PUNK-02:Dr.ベガパンク「悪(リリス)」
PUNK-03:Dr.ベガパンク「想(エジソン)」
PUNK-04:Dr.ベガパンク「知(ピタゴラス)」
PUNK-05:Dr.ベガパンク「暴(アトラス)」
PUNK-06:Dr.ベガパンク「欲(ヨーク)」
前回までにPUNK-01「正(シャカ)」、PUNK-02「悪(リリス)」、PUNK-05「暴(アトラス)」が登場しています。
1062話
※服にPUNK-06と書いてあるのはPUNK-05の誤り
猫(サテライト)達には自我があり、それぞれ容姿は異なり、口調や性格も異なっています。猫(サテライト)が一体何なのかは明らかになっていないわけですが、「分散」という言葉を素直に受け止めると、『ドラゴンボール』の魔人ブウを例に、性格も分散されていて、それが、猫(サテライト)のそれぞれの漢字一文字の名前に表されているのかな、という印象を持ちました(
1062話考察)。
研究所内に潜入しているルフィ達の前に登場した「
暴(アトラス)」は暴力的ですが、交戦的ではない様子で、この”性格の分散”という考えに当てはまりそうなものでしたが、本話で「暴(アトラス)」は「
おれァ暴れるのが仕事だから!!」と言って、「光圧グローブ」で研究所内の3Dホログラムに激突しており、これについては全然分かりません。
暴れることが「仕事」なのであれば、猫(サテライト)の漢字一文字の名前は仕事の役割分担を意味しているのかもしれませんし、それぞれの仕事が脳にプログラムされているのかもしれません。暴れることが「仕事」になるのだとすると、耐久テストみたいなものぐらいしか思いつかないわけでして、それってベガパンクがやる必要があるものかという疑問があります。さらに、他の猫(サテライト)にも「仕事」があるのだとすると、どういう仕事なのか全く想像がつきません。
・たった1人の家族
本話では急に研究員らしき人物(アンドロイド?)達が現れ、
旧型パシフィスタも登場しています。このパシフィスタは警察官の姿をしており、研究所内で警察行為を行なっている模様で、早速ルフィ達は「無銭飲食」と「衣類窃盗」により取り締まりを受けています(笑)。
研究所内でも構わずビームを撃ってくるパシフィスタに対して、ルフィは反撃しようとしますが、ボニーがこれを妨害。バーソロミュー・くまが父親であることを告白し、「
お父さんを!!! 傷つけないで!!!」と号泣して感情的になっています。そうは言っても、ルフィにとっては見た目が くま なだけで、中身は別人のパシフィスタですからね。しかし、パシフィスタの素体は全て くま のクローンである可能性が高いので、ボニーが感情的になるのも仕方ないかもしれません。
また、ボニーが くま は「
たった一人の家族」だと言っています。
908話
世界会議(レヴェリー)の際、ボニーは
ソルベ王国王太后コニーとしてマリージョアに潜入しており、バーソロミュー・くまが元ソルベ王国国王ですから(
908話)、コニーはボニーの祖母に当たるはずで、レヴェリーに参加していることになっているわけですから、存命のはずです。しかし、ボニーが父親のくまを「たった一人の家族」と言うのであれば、
ボニーは祖母のコニーとは絶縁していると推察されます。
そうなると、急にコニーが悪い奴に見えてきます。
息子である くま を政府に売ったとか、そういう話なんでしょうか。
ボニーの母親については亡くなっているか、同様に絶縁していると考えられますが、『ONE PIECE』の場合、母親は若くして亡くなっているケースが多いです…。
・ハートの海賊団VS黒ひげ海賊団
ワノ国から出航した
ハートの海賊団は
黒ひげ海賊団の強襲を受けていました。海上戦での”海震”は強力です。ワノ国でカイドウとビッグ・マムが敗れたニュースを知ったティーチは、ワノ国を出航した麦わらの一味、キッド海賊団、ハートの海賊団のいずれかが、「
ここ」へ来ると思って待ち伏せしていたと言います。
ティーチの目的はカイドウが持っていた”
ロード歴史の本文”の奪取です。
ティーチが待ち伏せしていた場所は、単にワノ国からのログが3方向に向かっていて、そのうちの1つの航路を言っているのかもしれませんし、ローはワンピース争奪戦の手がかりである「
火ノ傷の男」(
1056話)の話題が出た際は沈黙しており、何か情報を持っていた可能性があり、ティーチと鉢合わせた場所が「火ノ傷の男」に関係する場所であるのかもしれません。
また、黒ひげ海賊団が行なっていた”能力者狩り”(能力者を殺して、その能力を奪い取る)の成果が3人分明らかになりました。
ドクQ →
シクシクの実(由来は病の英語「sick(シック)」から。病を伝染させる能力?)
ヴァン・オーガー →
ワプワプの実(由来はワープ。瞬間移動能力)
ジーザス・バージェス →
リキリキの実(由来は「力(りき)」。怪力)
幹部の3船長のキャラクターに合った能力となっています。
ヴァン・オーガーは狙撃手なので、敵と距離を保つことができる瞬間移動の能力の相性は抜群です。この能力は能力者自身だけでなく、他の者も一緒に移動させることができるようなので便利です。
脳筋キャラの
バージェスは能力まで脳筋でした(笑)。
こいつが『HUNTER×HUNTER』のキャラだったら間違いなく強化系ですねw
能力によって「
女になる病」を伝染させられたハートの海賊団。女になるとなぜか髪型が変わったり、髭がなくなったりしています(笑)。能力によって伝染させることができる病はワンピース世界に実在する病なのか空想の病なのかは不明です。
今回、ポイントだったのは、
過剰な覇気を放出することによって相手に干渉するような能力は破ることができることが明確になったことです。ローはそれによって女から男に戻り、実証しました。相手に干渉するような超人系能力は、ホビホビの実やモドモドの実、ノロノロの実など強力なものが多いわけですが、覇気の出力が高い者はそれらの能力に対抗できるというわけです。と言っても、相手に干渉する能力は特殊なものが多いので、そうとも限らない気はしますが。