アニメのイベントやテーマパークなどで見かけることがある等身大フィギュア。時折、一般販売されることもあるわけですが、価格は100万円以上と高価なものです。そんな等身大フィギュアを手掛けることもあるフィギュアメーカー「Design COCO(デザインココ)」のインタビュー記事がありました。
デザインココの主力商品は通常サイズの1/7スケールフィギュアですが、等身大フィギュアも15年ほど前から作り始めており、イベントや展示用の1点物を含めるとこれまでに100種類以上を作っているとのことです。
集英社オンライン「等身大フィギュアの奥深い世界」(記者:川原田 剛)
https://shueisha.online/culture/64250
集英社の発注によりデザインココが制作したインペルダウンに投獄されたエースの等身大フィギュア。2012年に開催された「
ONE PIECE展」に展示されたもの。
麦わらの一味像のように栄ちゃんが直接監修したそうですが、修正無しの一発OKだったそうです。
<等身大フィギュア制作の流れ>
1)一枚のイラストをもとにキャラクターの立体造形がスタート
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2)イラストから3DCGでデータを起こす
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3)CNCルーターと呼ばれるコンピュータ制御の工作機械を使い、発砲スチロールを削って、ざっくりとした等身大のモデルを作る
「発泡スチロールでモデルを作ってみてバランス感を確認することが大事なんです」
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4)自社で開発した3Dプリンターでパーツを出力し、実際に組んでみる
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5)それを原型に型取りをして頑丈な素材のFRPにパーツを置き換える
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6)FRPのパーツで再び組んで、塗装して完成
・3Dプリントする場合、1分の1サイズなので、たくさんのパーツに分けて出力しなければならない。デザインココが過去に制作した初音ミクの等身大フィギュアは
150パーツくらいある。
・塗装しやすいように
表面をツルツルに研磨する必要がある。彩色は完全に手作業。
・デザインココでは、ディレクター1人がCG、削り出し、3Dプリント、型取り、磨き、彩色などの各部門のスタッフを統括し、総勢30~40人のチーム態勢でひとつの等身大フィギュアを制作する。原型と彩色の段階でキャラクターを管理する、クライアントである版元にチェックを受ける。
・「
制作工程や手間を考えると、正直かなりお買い得だと思います。私たちが等身大フィギュアを制作するのは、お金儲けよりも自分たちの技術をPRするという意義のほうが大きかったりします。他社のことはわかりませんが、我々は
価格が150万以下の等身大フィギュアを作るのは難しいと思っています」
等身大フィギュアって表面がツルツルのイメージがありますが、塗装しやすくするための加工だったんですね。へ〜。