劇場版『ONE PIECE FILM RED』(8月6日公開)の上映映画館にて、11月12日から配布が始まった入場者特典第8弾のコミックス104巻のアナザーカバーをゲットするついでに、5日から配信が始まった副音声の「
FILM RED出張版SBS」を聴いてきました。公開15週目となると、流石にスクリーン数は少なくなってきました。
「
FILM RED出張版SBS」は、コミックスのおまけコーナーのように、栄ちゃんと谷口悟朗監督がTwitterで募集した映画に関する質問に答えるもので、進行はONE PIECE公式YouTubeチャンネルの動画企画「仲間がいるよTube」の”所長”が務めていました。
ちなみに、この副音声の聴取方法は、専用アプリで事前に音声データをダウンロードしておき、アプリを待機しておくと、
映画の上映開始の音を認識して、音声が再生される仕組みになっています。上映が始まっても、しばらくアプリの音声調整用のガイダンスが流れ続けていて、不安になったところで、唐突に挨拶から副音声の再生が始まりました。たぶん初っ端、栄ちゃんも挨拶していたと思うのですが、上映の音量にかき消されて聞こえませんでした。
この副音声上映はオーディオコメンタリーではなく、
ほぼラジオのようなものなので(一応、質問の内容は上映内容に合わせて進められている)、
映画の音は聞く必要はないのですが、如何せん『FILM RED』のライブシーンは爆音なので、なかなか大変です。密閉性の高いヘッドホンやノイズキャンセルのイヤホンが推奨されているのですが、それでも防げない気がします。
また、谷口悟朗監督の声が大きくてクリアなのに対して、栄ちゃんの声は小さく聞き取りづらい声質なので、音量バランスをもうちょっと調整しておいて欲しかったものです。
・・・というか、
なんで金払って映画館の音響の中で映画観ずにラジオ聴いてるの私?
と思って仕方ないわけですが、どうやら副音声を聞いていたのは上映時、私だけで余計にダメージは大きかったです(副音声は館内が明るくなる上映終了後もしばらく続くので、副音声を聞いているかどうか分かる)。
ともかく、副音声の内容を
うろ覚えで書き留めておきます。
ONE PIECEマガジンなどで聞いた覚えがあるものや、気に留めなかった内容は割愛しています。
再現は無理なので意訳している部分もあります。円盤化された時に収録されていればいいのですけどね。
ーー悪役っぽい見た目のゴードンのデザインについて
O:そもそも制作が2019年のことで結構忘れている
音楽の島だからスティービー・ワンダーっぽい感じ
監督:最初はゴードンが黒幕のプロットもあった
O:依頼されたキャラについて、いつも意外性を出したいと思っている
まず依頼してきた人を楽しませる、次にお客さんを楽しませるスタンス
ーールフィはウタの影響で音楽家を探していたのですね?
O:そうですね(便乗)
そうなりました(後付け)
みんなで作っていきましょうよ(笑)
ーーフィガーランド家について教えてください
O:嫌です
ーー原作1055話「新時代」のウタらしきシルエットはウタですか?
O:ウタです。
僕の中では映画は(ワンピースの世界線に)あったことだと思っている
あのコマはシャンクスの回想なのでウタは不可避
だけど、原作に登場していないキャラが出てくると、原作だけ読んでいる読者が困惑するので、 隅っこでシルエットにしたのは僕なりの配慮
監督:制作チームとしては映画は初めからマルチバース(パラレルワールド)だと思って作っていない。
初めからマルチバースとして作っていれば、物語が初めから嘘になってしまう。
原作でも起こり得た物語として作っている。
正史かどうかは原作者が決めること。
※個人的には結構ショッキングな回答でした。ただし、谷口悟朗監督の『FILM RED』が「正史かどうかは原作者が決めること」という発言については栄ちゃんは言葉を濁しています。かつては原作とアニメは別物と考えていると発言していますからね。
そもそも監督が「初めからパラレルワールドだと思って作っていない」と言う割には『FILM RED』は原作の時間軸に当てまらないキャラクターや設定が使われており、正史には成り得ません。これは間違いないところです。これは過去の劇場版では同じようなことが言えます。初めからパラレルワールドとして作られている『エピソード・オブ・チョッパー』については語るに及ばずです。
ここで言う栄ちゃんの「僕の中では映画はあったことだと思っている」という発言の真意は、『FILM RED』のために作られたウタの人生と、ウタと関わったシャンクスやルフィのエピソードが原作の世界線にあったものだと考えているという意味だと思われます。劇場版『FILM RED』は正史ではありませんが、少なくとも栄ちゃんが考えた”ウタの人生”のプロットに沿う出来事は原作のワンピースの世界線で起こったであろうということです(ウタのライブはいつ開催されたかは定かではありませんが)。
そうなると、シャンクスはウタを置き去りにしたことが原作の世界線でも事実になるので私はショックなのです。
ーーヨルエカとロミィについて
O:頼まれてもいないキャラを勢いで描くことがある
このキャラクターはきっと重要だぞと思って
監督:このキャラクターデザインは新人にチャレンジさせていたけど、何度もリテイクを出していた。そうこうしていると、スタッフが「尾田先生が描いてしまいました」と(笑)。ところがデザインを見ると、これだよ、これ!と。
ーー映画の反応に想定外はあったか?
監督:想定外な反応はなかった
O:初めは意見が分かれていて……
期待させすぎたのと、期待を外しすぎたかなと
最終的にはこの映画を理解して欲しい
※この「初め」というのは、おそらくプレミア試写会後の反応を栄ちゃんがウォッチしていたのだと思われます。そりゃ、観客の反応は気になりますからね。これまでも監督は悪びれる感じは一切ないのでアレなんですが、栄ちゃんが否定側の意見も汲んでくれたのは救いでした。まぁ、私の場合はシャンクスへの期待とかで『FILM RED』を批判していないのですが。
ーーウタはゴードンをどう思っているか?
監督:ウタが9歳から世話をしているので
ゴードンはお父さんには成りえない
親戚の優しいおじさんぐらい
O:僕は
もう一人のお父さんだと思っていましたけど…
監督がこんなに冷たかったとは思いませんでした(笑)
※これ、『FILM RED』を受け入れられない本質がこの会話に完全に出ちゃってます。
なんで9歳から12年間も男一人でウタを育てたゴードンがお父さんに成り得ないんですか。ゴードンがウタのもう一人のお父さんだと思ってないから、あんな酷い脚本になっちゃうわけですね。
ーー魔王の設定について
O:いつもアニメ制作側から「これをやりたい」と言われて「ワンピースっぽくない」と答えることはある。
ただし「魔王」の類は原作で描いていないだけで、いるはいる。
悪魔の実が存在するワンピースの世界で「魔王」はその範疇にある
悪魔の実の隠し設定については、たぶん物語の中で明かさすことはない
※重要そうなことを言っているような感じもするのですが、「たぶん物語の中で明かさないと思う」と言っているので、裏設定の類で、悪魔の実の真相に関わるような内容ではないと思われます。まぁ、”悪魔”って言ってますからね。
ーーCP-0とSWORDについて
O:これにはちょっと文句がある
元々、ヘルメッポはSWORDじゃなかったし、カリファとブルーノはCP-0じゃなかった
本来の設定ではCP-0はルッチとカクだけだった
原作をアニメの設定に合わせた
CP-0に新しいキャラを色々登場させるとごちゃつくので結果的にはこれで良かったのかなとも思う
監督:劇中では言ってはいないけどね
O:え?そうだった?
※明言はされてないけど、ヘルメッポがいる前でSWORDの会話をしているし、ブルーノとカリファの立ち回りはCP-0でした。ヘルメッポがSWORDなのは変だと思ってたんですよね。確かにカリファとブルーノについては戦闘力の点でCP-0というのは違和感があります。
ーールフィは「夢の果て」をウタに言ったのか?
O:言ってない
幼少期のルフィの時代は、(1)ガープ、(2)シャンクス&ウタ、(3)シャンクス、(4)エース&サボに区分される。
ルフィはガープに海兵になれと言われたけど、しっくりこない
シャンクスと出会って海賊になりたいと思うように
ウタとのやり取り(
TVアニメ映画連動エピソードは栄ちゃんがセリフをばっちり監修)から、さらにその先を考える
シャンクス、エース、サボに夢の果てを伝える
「四十億巻」の年表(ウタとルフィが新時代を誓い合ったところに「夢の果て」と書いてある)はなかったことにしてください
ーーシャンクスの生い立ちについて
O:シャンクスはいつ何をやっていたか、最初から結構決まっているキャラクター
でも僕が知らないこともある。それはルフィも同じ。余白というか。
そこの捉え方は原作者と読者が違うところだと思う。
ウタを育てるとなったのはシャンクスが二十歳の時で、いきなり子供を育てるとなると、 きっかけとして、シャンクスの生い立ちは触れざるを得ないうことで、こういう設定がありますとアニメ制作サイドに渡してはいた。
映画でウタが生まれたことでシャンクスの知らないことがたくさん知れた
ーーウタを愛していますか?
O:依頼されるキャラは既に名前がついている場合が多いけど、名付けたキャラクターは名付け親になるので愛着が出る
ウタの当初の名前案はそれじゃ主役を張れないぞと思った
ウタの名前は早い段階で頭の中にあったけど、なかなか制作サイドから出てこない
2文字がいいんじゃないかとか、誘導したりして(笑)
監督:ウタはシンプルすぎて・・・
追記)映画の初期構想の設定画からウタの当初の名前は
デボラと判明
(追記終)
ーーウタの生死について
O:僕は年表に「死にゆくウタ」と書いただけで「死んだ」とは書いていない(ゴニョゴニョ)
(エンディングに映る新聞の見出しにPrincess survivedと書かれている件)
監督:あれはスタッフが書いちゃった
本当に生きているかもしれないし、みんなの心の中に生きているかもしれない
ーーエンディングの風のゆくえについて
O:僕はウタの歌が歌い継がれていくという考えが始めの頃からあって、ウタじゃなくて世界中の人が歌っているのがいいなぁと。だけど、Adoさんの歌が良すぎて、全部聞かせたいと思っちゃった。
※「歌い継ぐ」ということは元の歌い手がいなくなっているということなんですが…。ウタに生きていて欲しいと願う『FILM RED』ファンへの配慮でもあり、ウタが生きていることを匂わせた方がウタに商業的価値もあり…。
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