・ジェルマ66のあゝ無感情海遊記
短期集中表紙連載 第25弾。このシリーズでは、ホールケーキアイランド編の事件以降のジェルマの様子が描かれています。
vol.25「かつて2人が所属したMADSという組織」
<これまでのあらすじ>
トットランド脱出の際にビッグ・マムと交戦して敗れ、捕らえられていた
ニジと
ヨンジを奪還するためにトットランドに舞い戻った
レイジュと
イチジは直ちに2人を救出し、逃げそびれていた
シーザーの協力も得て、脱出に成功します。
そして、ジェルマにやって来たシーザーは、かつて存在した研究チーム「MADS」の同僚だったジャッジと面と向かって再会することになります。いがみ合う両者。そして、殴り合いの喧嘩に・・・。基本的に、2人ともクズなので(笑)。
MADSには
ベガパンクも所属しており、今回、
2人のMADS時代の回想と思われる描写で、ベガパンクとシルエットの人物2人が描かれています。文脈的には、天才ベガパンクを妬ましく思っている様子のシーザー(?)とジャッジ(?)なのでしょうか。左の人物がシーザーだとすると、ツノが無いわけですが。
・ベガパンクの夢
前回、
ベガパンクは
ノミノミの実の「脳ミソ人間」であることが明らかになりました。能力は
知識を際限なく記憶できる代わりに、データ容量に比例して脳が肥大化するという…カナヅチになる悪魔の実の呪いを軽々と超える呪いを持った能力ですが、世紀の天才の頭脳にこの能力が合わさり、究極の頭脳が誕生したわけです。
ベガパンクの脳は大きくなりすぎたため切り取られ、
エッグヘッドのラボフェーズ上部の巨大な卵に格納されており、今もなお成長し続けているという話でした。
1067話
今回、ベガパンクは「
いつか”科学”でこんな世界を作りたい」と自身の夢を
ルフィに語っています。
それは「
世界中に無償で”エネルギー”が行き渡る世界」です。
エネルギーを生み出す資源は戦争の火種の1つであることから、エネルギーが世界中に満たされていれば戦争の火種を1つ、世界から消すことができるとベガパンクは夢想するのでした。それがベガパンクの”新時代”ということになるでしょうか。
ルフィの”夢の果て”と最終的につながることになるかもしれませんが、とりあえずルフィはベガパンクの夢には一切興味はない様子です(笑)。
ベガパンクは至る所にエネルギーはあるのだと言います。
エネルギーは「
世界中にこんなにも満ちているのに」と。
しかし、これはベガパンクの仮説です。
現実世界の中世の科学では仮想物質の「
エーテル」(有機溶媒のエーテルとは違う)というものが信じられていました。現代科学に「エーテル」の居場所はないわけですが、ベガパンクが周囲に漂う目には見えない”エネルギー”を空想する今回のシーンからは、なんとなく「エーテル」が連想されます。
ベガパンクはこの夢のエネルギーを追い求めて研究すると、どうしても「聖地マリージョアを襲ったという伝説の鉄の巨人」(
1067話)の謎の”動力”、すなわち900年前の”
古代のエネルギー”に近づいてしまうのだと言います。鉄の巨人の動力はベガパンクの科学力をもっても再現できないものであり、「今の世界の常識を変える程の力が…過去にはあった」という話でした(
1067話)。
つまり、天才ベガパンクの頭脳でも夢のエネルギーは長年解明することはできず、ベガパンクはそのヒントを”古代のエネルギー”に求めたわけです。この時点で、
前回も言及しましたが、”古代のエネルギー”とは科学の範疇ではないものなのかもしれません。例えば、エーテルや魔力などの空想のエネルギーです。
1067話
ともかく、このベガパンクの夢と仮説は、友人だったクローバーの意志を継ぐという形で(
1066話)、ベガパンクを禁じられた”空白の100年”の解明へと突き動かしたようです。しかし、深入りしすぎたことで、命の危険を感じているのでした。
実際、CP0に暗殺の勅令が下っているので、この予感は的中しているわけですが、ベガパンクは歴史の研究を内密に行なっていたはずなので、どうしてバレたのかは謎です。
また、ベガパンクは話を終えると、ラボフェーズで待っていると言って、ルフィ達の目の前で薄くなって消えたのですが、これは
クイーンや
ジャッジらMADSの同僚も開発している透明化の技術でしょうか。でも、それだと見聞色の覇気でバレるので、いつからか、ホログラムに切り替わっていたのでしょうか……謎です。
・CP0強襲
カク、
ルッチ、
ステューシーらCP0が乗る政府の船がエッグヘッドの港に接近してきました。表向きは、くま型のセラフィム(
S−ベア)を帰還させるという任務ですが、
ベガパンク暗殺の勅令を受けています。そのことを察しているベガパンクは、セラフィムはそのまま自力で帰還できるので、任務完了としてCP0の入港を拒否します。
ルッチはここ2ヶ月のうちにエッグヘッドを訪れた政府の船が1隻も帰還していないという「エッグヘッド失踪事件」(2ヶ月前に「CP No.5」、1ヶ月前に「CP No.7」、2週間前に「CP No.8」の船が失踪)を切り出して、嫌疑をかけますが、ベガパンクはそれでも開港しようとはしません。
ベガパンク「悪(リリス)」の反応を見るに、
「エッグヘッド失踪事件」はルッチのでっち上げのようです。また、ここ2ヶ月のちにエッグヘッドを訪れたCPの裏の任務はベガパンクの身辺調査だったのかもしれません。それにベガパンクが気づいて自身が暗殺対象になっていることを察したのかもしれません。
頑なに開港しようとしないベガパンクの様子から、ベガパンクが暗殺に気づいていると確信したルッチは、船を捨てて、
S−ベアの
ニキュニキュの実の能力によりエッグヘッドに上陸します。
仮面のカク
王下七武海をコピー元にしているセラフィムは、コピー元が能力者であれば、その悪魔の実の能力を再現しているようです。コピー元が非能力者の場合は、
S−シャーク(ジンベエ型セラフィム)のように適正の高い能力が与えられている模様です(
1065話)。
S−ホーク(ミホーク型セラフィム)には間を一気に詰められるワプワプの実の能力が強そうですけども、能力再現の前提としては、世界政府が近頃サンプルを入手可能な能力となります。
ベガパンクは侵入したCP0を迎撃するため、
S−スネーク(ハンコック型セラフィム)、S−シャーク、S−ホークを出撃させるようです。S−シャークの型番は04で(
1065話)、今回、1番と2番の格納庫が開く描写があるため、S−スネークとS−シャークの型番はそれぞれ01か02で、S−ベアの型番がおそらく03だと思われます。型番が若い方が戦闘訓練が進んでいるので、より強いと考えて良いかもしれません。
また、セラフィムの指揮は
戦桃丸が行うとのことです。戦桃丸はSSG(海軍特殊科学班)隊長であり、ベガパンクのボディーガードですから、この状況だと、そりゃエッグヘッドにいるわけですね。
ベガパンク「暴(アトラス)」は侵入者のCP0を発見して独断で交戦しますが、ルッチに敢えなく敗れています。ルッチがアトラスにトドメを刺そうしているところ、ベガパンクを追ってラボフェーズに向かう
ルフィ達に遭遇するのでした。
次回、ニカ VS レオパルド!?
一方その頃、カマバッカ王国にいた
くまは革命軍の制止を振り切って走り出し、能力で自身を弾き飛ばしてどこかに消えました。動き出したくまの目的は不明ですが、状況的に、目的地はエッグヘッドでしょうね。