・ジェルマ66のあゝ無感情海遊記
短期集中表紙連載 第25弾。このシリーズでは、ホールケーキアイランド編の事件以降のジェルマの様子が描かれています。
vol.26「闇金王ル・フェルドの慈善事業・平和研究所MADS」
<これまでのあらすじ>
トットランド脱出の際にビッグ・マムと交戦して敗れ、捕らえられていた
ニジと
ヨンジを奪還するためにトットランドに舞い戻った
レイジュと
イチジは直ちに2人を救出し、逃げそびれていた
シーザーの協力も得て、脱出に成功します。
そして、ジェルマにやって来たシーザーは、かつて存在した研究チーム「MADS」の同僚だった
ジャッジと面と向かって再会することになります。いがみ合う両者。時はMADS時代に遡り・・・
MADSを設立したのは闇金王
ル・フェルド(860話登場)であったことが明らかになっています。MADSの表向きは「平和研究所」というものだったようですが(それもまた何を研究しているのか怪しいのですがw)、実際は違法な研究を行なっていたわけです。
・ルフィVSルッチ
前回、
ベガパンク暗殺の勅令を受けているCP-0の
カク、
ルッチ、
ステューシーらは、暗殺を察知している
ベガパンクにエッグヘッドへの入港を拒否されるも、島へ強行的に突入。状況を知らない
ベガパンク「暴(アトラス)」は侵入者のCP0を発見して独断で交戦しますが、ルッチに敢えなく敗れています。ルッチがアトラスにトドメを刺そうしているところ、ベガパンク本体を追ってラボフェーズに向かう
ルフィ達に遭遇するのでした。
しかし、今や四皇となったルフィと交戦するにはCP-0でも上の許可が必要とのこと。四皇との交戦は戦争を招くため、安易に手出しできないわけです。
ところが、ルッチはカクの制止を無視してルフィと交戦しちゃっています。
今や能力が覚醒しているルフィに対してルッチに相手にならないかと思いきや、ルッチもまた
ネコネコの実モデル レオパルドを覚醒させていたのでした。
ベガパンクが言うには「
ゾオン系の覚醒は人格を取り込まれてしまう事が多い」ため、正気を保っているルッチの覚醒は珍しい事例だそうです。これは「
動物系の実には意思が宿る」(
1044話)という話に関連しています。
ルッチの覚醒はルフィのニカのように天衣(羽衣)を纏っており、ゾオン系の真の覚醒はビジュアルによりインペルダウン獄卒獣のそれとは区別できそうです。だとすると、チョッパーの怪物強化(モンスターポイント)はまだ覚醒には至っていないと言えそうです。
一方、海軍本部はエッグヘッドに麦わらの一味が現れたことをCPからの報告で把握しています。CP-0とは別の任務で、既に
ボルサリーノ(黄猿)がエッグヘッドに向かっていたようです。
・威権チップ
ベガパンクは侵入したCP0を迎撃するため、
S−スネーク(ハンコック型セラフィム)、
S−シャーク(ジンベエ型セラフィム)、
S−ホーク(ミホーク型セラフィム)を出撃させ、セラフィムの指揮をSSG隊長の
戦桃丸に命令しています。CP-0と交戦すれば謀反人となってしまうため戦桃丸は戸惑いますが、戦桃丸はベガパンクには拾ってもらった大恩があるらしく、ベガパンクの側に加勢するのでした。
CP-0側には
S−ベア(くま型セラフィム)が付いていましたが、戦桃丸の命令で上書きされて、S−ベアはCP-0と敵対しています。
通常、パシフィスタおよびセラフィムに命令を出す者は「
威権チップ」というアクセスキーのようなものを所持しているようですが、セラフィムおよびパシフィスタには命令に従う順位があり、戦桃丸の威権は「威権チップ」所有者よりも上位であるため、CP-0の命令を上書きできたわけです。
パシフィスタの威権順位は次のようになっているそうです。
1. 五老星
2. Dr.ベガパンク(ステラおよびサテライト)
3. 戦桃丸
4. 威権チップ所有者
なお、電伝虫の通信を介した命令では無効となるため、現場にいないベガパンクや五老星が命令を上書きすることは出来ません。
麦わらの一味に加えてセラフィム4体を相手にするのは非常に厳しく、またセラフィムを破壊すれば世界政府の損失になるため、交戦を始めたCP-0は非常に不利な状況となりますが、ルッチはセラフィムの司令塔である戦桃丸を手早く始末するのでした。
ルッチ:司令塔は消すだけだ…「セラフィム」!! 我々の指示に従え!!!
戦桃丸を倒したところで命令を上書き出来なかったら、どうするつもりだったんや・・・汗
・悪魔の実とは
コミックス48巻のSBSにはこう書かれています。
「いずれ登場する、ある博士が、”悪魔の実”という存在がどういうものなのか、説明してくれるハズです。いずれね。」
ゴムゴムの実ことヒトヒトの実 幻獣種モデル・ニカが覚醒したルフィを見た
ベガパンクは、その姿が古い文献に記されている”太陽の神ニカ”にそっくりだと興奮します。続けて、ベガパンクは
悪魔の実の存在についての仮説を語り出します。
万物は望まれてこの世に生まれる!!
例えば……!! ”悪魔の実”もそうじゃ………!!!
”悪魔の実”とは……!!
誰かが望んだ「人の進化」の”可能性”である!!!
ああなれたらいいな……!!
こうなれたらいいな……!!
多岐に渡る人類の未来が”能力”である!!!
従ってその”不自然”は自然の母”海”に嫌われるという罰を背負って存在する!!!
”能力者”とは…!! 誰かが思い描いたいくつもの異次元を生きる者達…!!!
これが私の「仮説」だ………!!
神がいるかいないかなど考えるまでもない…!!
面白かろう!!? この世界!!!
・・・ちょっと何言っているか分からない。
『FILM RED』出張版SBS(副音声)では、『ONE PIECE』において”悪魔の実”だけは特別という旨の発言をしています。そのように明言しているわけではないのですが、文脈的には
”悪魔の実”だけ理屈がないものだと私は解釈しています。”悪魔の実”に隠し設定もあるそうですが、物語の明かすことはないだろうと言っているので、
”悪魔の実”はファンタジー中のファンタジーであり、深く考える必要はなさそうです。
そして、にわかに浮上した”悪魔の実”人工物説はこれで棄却されそうです。
面白いのは「
神がいるかいないかなど考えるまでもない」という点です。
これはベガパンクの仮説では、人が空想したものが悪魔の実の能力として実体化することになるので、
人が空想した神や幻獣ですら”能力者”として実在するためです。つまり、神はいます。
1044話考察にて、実はこの可能性については別の角度で言及しているのですが、面白いことになりました。
ルフィは”太陽の神ニカ”そのものなのですから。