・ボニーの能力
CP0が「研究層(ラボフェーズ)」へ侵入して戦闘になっている状況を知らない
ボニーは、父(くま)の仇である
ベガパンク本体を追いかけて暴走しており(
1071話)、年寄り相手に容赦なく能力を使っています。
”
歪んだ未来(ディストーション フューチャー)”は
年齢を操る能力により、自身の肉体年齢を上げるものですが、
本来の成長とは異なる成長を遂げることができるようです。この技の片鱗は、年齢を操る能力によりルフィが「
ある方向の未来」と但し書きされた70歳に変装した姿(
1064話)に現れていました。
”
跡死突き(トシつき)”は突き技により、相手の
”年齢”を具現化して体から弾き出すことができるようで、技を喰らったベガパンクは子供の姿に変わってしまいました。
通常の年齢操作と何が異なるのかは不明ですが、おそらく通常の年齢操作よりも
能力の効果が長期間持続するものだと予想されます。また、
ボニーの能力は生物に対して永遠の効力はないそうです。それが可能であれば、不老不死が簡単にできてしまうわけですからね。
とうとうベガパンクを追い詰めたボニーは、父(くま)が完全に人格を失った”改造人間(サイボーグ)”にされたことについて問い詰めています。
自我を失うという決断はくま自身が決めた事であること、
その理由をボニーには決して話さないと くま と約束したこと、
それを話せばボニーを傷つけることになるから
だとベガパンクから告げられますが、それでは真相は何も分からずボニーは納得できません。
すると、その時、
とある部屋から「
ピピピピピ…!!」と音がなり、ボニーはその部屋の存在に気付きます。
サビサビの実(ぇ…
”
老化衝撃(オイルショック)”は物体を
経年劣化させて破壊する技のようです。技名は言うまでもなく、近代史でも習う石油危機(オイルショック)に掛けたダジャレですね。
・くまの記憶
ベガパンクは否定するものの、どう考えても父(くま)と関係がありそうな部屋の存在に気づいた
ボニーは導かれるように厳重にロックされたその部屋に侵入します。部屋の中には、
くまの能力の痕跡が保管されていました。
(『ONE PIECE』でも屈指の印象的なシーンかもしれません)
スリラーバーク編で くま がルフィから弾き出した”痛み”と”疲労”(485話)に似ていますが、これはどうやら、
くまの記憶みたいです。
ベガパンクは、ニキュニキュの実の能力が
人に内在する見えないものを具現化し、それを他人に伝達することに科学者として非常に興味を持っており、回想では「記憶」を具現化できるか、くまにリクエストしている様子が描かれています。
海軍に捕まり終身刑となっていた
くまは、彼の「筋力」と「潜在能力」に惚れ込んだベガパンクにより、”身体改造”と”クローン開発”への参加を条件に釈放されたそうですが(
1064話)、ここで言う「潜在能力」とは上記のような
ニキュニキュの実の真価だったと考えられます。
父(くま)の能力をよく知るボニーも、”それ”が「くまの記憶」だと察知したようで、”それ”に手を伸ばすのでした。
スリラーバーク編でゾロがルフィの”痛み”と”疲労”を受け負ったように(485話)、”それ”が「くまの記憶」だとすれば、ボニーは「くまの記憶」を受け継ぎ、くまが遺した記憶を見ることができるはずです。自我を失う前に記憶を全て取り出していたとすれば、ベガパンクが語ってくれない、
くま自ら自我を失う決断をした理由についても明らかになるはずです。
その理由は今のところ不明で、ボニーを傷つけることになるという話ですが、ベガパンクはその決断は自身も思い出したくないくらい辛いと言うものの、「くまは立派な男」「友人として誇らしい」とも言っており、
丸っきしネガティブな決断でもない様子です。
また、本話の回想シーンではベガパンクが
魂の存在について言及しており、自我を失うという手段について希望が出てきました。
”西の海”のある学者が「人は死後21gの質量を失う」ことから魂の存在を証明したとされていますが、これは約100年前にとあるアメリカの医師が魂の存在を証明するために、人の死亡前後の重量を計測した研究が元ネタになっています。確かに、”西の海”の学者です。
当時も、この研究成果は怪しいものなのですが、ワンピース世界ではその研究成果により魂の存在が確たるものとなっているようです。
そこで、
自ら自我を失う手段として、ニキュニキュの実の能力により自身の魂を弾き飛ばすことは可能なのではないでしょうか。
ベガパンクが厳重に保管していたことを考えると、”それ”は単に「くまの記憶」ではなく、「
くまの魂」も含まれているのかもしれません。つまり、「
くまの人格」そのものです。
「
ピピピピピ…!!」と部屋から異音が鳴ったのは、部屋の外のベガパンクとボニーのやり取りに、くまの魂が反応して、それを何らかのモニターが検知したのかもしれません。
ニキュニキュの実の能力により魂を具現化できるのであれば、魂の伝達もできるので、人格の移植が可能なはずです。
時期を見計らって、くま自身に魂を戻す予定だったのか、あるいは移植先として想定されるのはやはり、くま型セラフィム(S−ベア)が期待されます。くまが自我を失った頃(2年前)にはセラフィム完成の見通しがあったはずですからね。
また、ベガパンクの猫(サテライト)も、そのようにして人格が移植されたのかもしれません。
一方、カマバッカ王国から飛び出し、”赤い土の大陸(レッドライン)”に激突して、そのまま直下の「
赤い港(レッドポート)」に落下した
くまは(
1071話)、レッドラインをフリークライミングし始めています。…どこ行くねん…
また、「
ピピピピピ…!!」と部屋から異音が鳴ったのは、レッドラインを登る くま が海軍に狙撃されたタイミングとも重なっています。もしかすると、くま本体と「くまの魂」が未だに繋がっていたりするのかもしれません。
・もう一人の味方
前回、ベガパンク同士の会話と、”その当人”との通信から、エッグヘッド島内には戦桃丸の他に、
ベガパンクの味方がもう一人いる様子でした。
通信相手の
味方とされる人物は戦桃丸と同じく
政府側の人間であり、さらに
CP0を抑えるほどの戦闘力もしくは権力がある模様です。また、戦桃丸のようにベガパンクに恩義がありそうな人物です。
本話では、その人物が明らかになっています。
情報量多いな!w
ステューシーの線は、ルッチの傍でする通信の会話としては怪しすぎるので消していたのですが、エッグヘッド編当初からどうにもベガパンクと関係性がありそうだったステューシーが、結局、もう一人の味方だったようです。
もう一人の味方はステューシーでした、ということ以外にやたら情報量の多いシーンでして、まず、ルッチ同様に悪魔の実を覚醒させていたキリン人間の
カクの首筋をステューシーが噛むと、カクはすぐに意識を失い倒れています。
ステューシー曰く、眠らせたとのこと(どうやって?)。
しかし、カクを噛んだステューシーの
口からは血が垂れており、コウモリのような翼を生やした姿からはヴァンパイア(吸血鬼)が連想されます。
幻獣種モデル・ヴァンパイア(?)の能力者なのでしょうか。
追記)ゲームオリジナルキャラ「パトリック・レッドフィールド」がバットバットの実 幻獣種モデル・バンパイアで既出でした(追記終)
さらに肩書きは、
「ロックス海賊団 ミス・バッキンガム・ステューシーの”複製人間(クローン)”」
「MADS クローン実験成功体第1号」
と、あります。
本話冒頭には唐突にMADS所長時代のベガパンクの手記が書かれており、これがクローン人間「ステューシー」が誕生した時のものだと分かります。
例え世界が認めなくとも彼女はこの世に生を受けた
紛れもない「人間である」!!
成功したのだ
私は確信してる
これは世界にとって平和への大きな一歩である!!
クローン技術は、世界政府においては、その後「パシフィスタ」(名前の意味は平和主義者)と「セラフィム」に応用されることになりました。
「ステューシー」にとっては、
ベガパンクが生みの親になるわけでして、そこに恩義があるということでしょうかね。CPの諜報員になったのは結局、居場所がなかったからと推察されますが…。
そして、もう一点。
「ステューシー」のオリジナルであるロックス海賊団
ミス・バッキンガム・ステューシーについては、名前から”あの人物”が連想されます。エドワード・ウィーブルの母親で、「白ひげの愛人」を自称する
ミス・バッキン(802話)です。
802話
当人は結構なお婆ちゃんでサイズが随分縮んでいますが、クローン人間として「ステューシー」が誕生したのが仮に30年ほど前だとすると不自然ではないです。ミス・バッキンがロックス海賊団に所属していたとすれば、白ひげと関係性は本当にあったのかもしれません。
そして、ステューシーかも?と見られていたMADSに集まった科学者の一人(
1070話扉絵)はステューシーのオリジナルである
ミス・バッキンガム・ステューシーだった可能性が高くなりました。
1070話扉絵
ミス・バッキンが元MADSの科学者だとすれば、
ウィーブルはバッキンが作った白ひげのクローン人間の出来損ないという可能性があったり?なかったり?…