・黒ひげの夢
王下七武海制度が撤廃された際、黒ひげ海賊団の
ティーチは
ハンコックのメロメロの実の能力を狩るためにアマゾン・リリーに侵入して、ハンコックを討伐しに来た海軍と混戦に。最終的にハンコックがティーチに殺されかけたところを、
レイリーの介入により黒ひげ海賊団は撤退。しかし、この時、黒ひげ海賊団は現場に居合わせた
コビーを拉致していました(
1059話)。
アマゾン・リリーの事件の前にも「
ロッキーポート事件」でティーチとコビーはなんらかの形で関わっており、ティーチはコビーのおかげで「
”王直”を倒し!! 海賊島のボスになれた」と発言しています(
1059話)。「ロッキーポート事件」は
ローが事件の「首謀者」とされ(700話)、コビーは事件で「市民を守った英雄」(903話)とされていますが、事件の詳細は未だ不明です。
本話の黒ひげ海賊団の
アバロ・ピサロの発言から
ロッキーポートは、海賊島「ハチノス」の中の地名と推測され、名前からしておそらく海賊島の港のことではないかと思われます。
現在、黒ひげ海賊団がアジトとしている海賊島「ハチノス」では奴隷の売買が行われており、本話で脱走を試みたコビーは奴隷として攫われた人々も一緒に連れ出しています。王直が海賊島のボスだったころも同じく奴隷の売買が行われていたとすれば、
ロッキーポート事件の際もコビーは奴隷として捕らえられていた人々を救出したことで、「市民を守った英雄」になったのかもしれません。
本話回想では
コビーを攫った目的をティーチがコビー本人に語っています。
ティーチの夢は
海賊島を世界政府に所属する国家「黒ひげ王国」として認めさせ、自身が国王になることだそうで、その交渉材料としてコビーを利用する算段でした。
コビーは犯罪者達の建国が認められるはずはないと断言しますが、悪徳そうな「悪ブラックドラム王国」や傭兵集団の「ジェルマ」が国として認められているぐらいですから(笑)、天竜人への天上金さえしっかり払っていれば割といけるかもしれません。
しかし、コビーは自身が「SWORD」なので、そもそも交渉材料にもならないと言っています。
ドレークを隊長とする海軍本部機密特殊部隊「SWORD」の隊員は、
「マリンコード」を返上しており、海兵であって海兵でないという特殊な隊員だそうです。つまり、
辞表は提出済みだけど、まだ受諾されていない状態で、いつでも受諾される状態ということみたいです。
「SWORD」隊員はこれにより、
海軍のあらゆる命令を無視して自由に動くことができ、その代わり、海軍は「SWORD」隊員の行動に一切の責任を持たず、いつでも首を切れるとのことです。
「SWORD」の仕組みを聞くと海軍を辞めて海賊になったと知られている「SWORD」隊長のドレークの立場がよく分からなくなってくるわけですが、ティーチは四皇である自分たちと戦うのに許可を待っている海兵と、構わず突っ込んでくる海兵がいることに納得している様子です。
しかし、コビーが「SWORD」隊員といえど、世間的には「英雄」と呼ばれる海兵ですから、海軍が人質にされたコビーを簡単に見捨てることもできないでしょう。ティーチはその弱みにつけ込んで世論に問いかけるとして、その時が来るまで事件以来コビーを牢屋に監禁していたのでした。
ところが、監禁されたコビーの前に
ペローナが牢屋の鍵を持って現れます。
ゲッコー・モリアの軍団復活を知ってミホークのもとを離れ(925話)、モリアを追っていたペローナは、その後ハチノスでの事件(925話)を聞きつけてモリアを救出するためハチノスに潜入していたようです。実際、黒ひげ海賊団と敵対したモリアは殺害されてはおらず、コビーが監禁されていた牢屋のさらに奥の牢屋(どういう構造?)に監禁されていたみたいです。
本話より
黒ひげ海賊団の船長達は全員、能力者だと見られるため、能力狩りによって能力を奪うことができる船長はもういません。したがって、監禁しているモリアの利用価値は
カゲカゲの実の能力を売ることだと思われます。能力者狩りが可能なので、悪魔の実であっても能力者であっても実質変わらないわけです。
黒ひげ海賊団がハンコックの能力を狙ってアマゾン・リリーを襲撃した際(
1059話)も同様のことが言え、黒ひげ海賊団の船長の誰かがメロメロの実の能力者になる予定だったわけではなく、ハンコックを連れ去って能力を売るつもりだったのだと考えられます。
ペローナはホロホロの実の能力で牢屋番から鍵を奪い、コビーの協力を得てモリアの救出に成功したようです。結果的にコビーは牢屋から出ることができ、
コビーは捕らえられていた市民も引き連れて脱走するのでした。
・黒ひげ海賊団船長たちの能力
本話ではハチノスに居残っていた黒ひげ海賊団船長達の能力が一挙に明らかになり、黒ひげ海賊団の巨漢10船長が全員能力者になっていると見られます。
クザン →
ヒエヒエの実
シリュウ →
スケスケの実
カタリーナ・デボン →
イヌイヌの実 幻獣種 モデル九尾の狐
ドクQ →
シクシクの実(由来は病の英語「sick(シック)」から。病を伝染させる能力?)
ヴァン・オーガー →
ワプワプの実(由来はワープ。瞬間移動能力)
ジーザス・バージェス →
リキリキの実(由来は「力(りき)」。怪力)
<今回判明>
アバロ・ピサロ →
シマシマの実(島人間)
バスコ・ショット →
ガブガブの実(酒人間)
サンファン・ウルフ →
デカデカの実(巨大化人間)
<未だ不明>
ラフィット → 動物系飛行能力
2年前の時点で能力者と見られる描写があったサンファン・ウルフと、異名が元より「大酒」のバスコ・ショットは元から能力者だっと思われます。巨人族のサンファン・ウルフは巨大化する能力持ちのため、あれほど巨大になれるわけですね。
ガブガブの実の能力は描写がないため、どのような能力か詳細不明ですが、コビーが脱走した件について「街燃やしたら逃げられへんのやろ〜」と言って何かをする様子でしたので、おそらく
体から酒を放出することができる能力だと推測されます。
石造りの建造物と同化して自在に操っている様子の
シマシマの実の能力は一見、ピーカのイシイシの実の能力と類似していますが、おそらくシマシマの実は
イシイシの実の上位互換であり、
能力者は対象を問わず島全体の無機物と同化することができるのだと推察されます。
そして、この能力により奴隷達の脱走にいち早くピサロが気づいています。「悪政王」という異名があるピサロは、実際に元国王で、シマシマの実の能力で国を支配していたのかもしれません。
また、今回、ハチノスには
シリュウ、
ピサロ、
バスコ・ショット、
サンファン・ウルフが確認され、ウィナー島に向かった船では
ティーチ、
クザン、
ヴァン・オーガー、
ドクQ、
バージェスが確認できるので(この船にはプリンが乗船しているため、オーガーと一緒にプリンを拉致したクザンも同乗していると思われる)、
前回、エッグヘッド近海に姿を現した黒ひげ海賊団の船には残りの
ラフィットと
デボンが乗っていたのかもしれません。
・コビー奪還作戦
コビーが脱走したと知ると、ハチノスにいた黒ひげ海賊団船員たちは、脱走したのであればコビーはティーチ(提督)のものではないというロジックで、コビーの命を狙います。というのも、クロコダイルらが設立した「
クロス・ギルド」が海兵に懸賞金をかけているからです(
1058話)。
コビーは大佐では破格の懸賞金5星(ファイブスター)がかけられており(通常、大佐は1星)、これは宝箱5つ分、約5億ベリーに相当するのだとか。この海兵狩りによって
クロス・ギルドはどのようにマネタイズしているのかというと、狩られる海兵が誰か賭博をやっているみたいです。なので、コビーの懸賞金狙いの者もいますし、さらに配当金狙いの者もいるようです。
早速、大勢の黒ひげ海賊団に追われるコビーでしたが、コビー奪還に向かった
ガープと
SWORD(
1071話)がタイミングよくハチノスに到着していました。海軍本部G-14支部にて登場していたSWORD隊員(1061話)の面々が登場しています。
海軍本部少将
プリンス・グルス
グニョグニョの実(粘土人間、「泥人形(ゴーレム)」を操る)
グルスと並んでいた3人の大柄な海兵達はグルスが操る
泥人形(ゴーレム)だったようです。一人一人がロギア系能力者のように振る舞っています。
海軍本部少将
孔雀(くじゃく) 大参謀おつるの孫
ムチムチの実(調教人間)
海兵のサディちゃんですね(笑)。鞭を使って無機物も調教できるみたいです。これにより、ハチノスの建物を動かし、海賊達を一箇所にまとめました。
これで作戦の準備が整い、ガープの軍艦が近海よりサニー号のように飛び立ち(ガープが海面を殴ったのでしょうか?)、海賊達が集められた広場上空に軍艦が到達すると、ガープの大技”
拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)”が炸裂します。グルス達も巻き込まれたんじゃなかろうかという、とんでもなく大きな技でした(笑)。
ガープの軍艦には
たしぎと
ヘルメッポらも乗っており、SWORDで海軍本部中佐の
ひばりはグルスらと同じく先に上陸してベガパンクが開発した「GPフラワー」で、コビーへの一斉射撃を防いでいました。ハチノスに上陸したガープは、このまま黒ひげ海賊団の船長達と一戦交えることになるのでしょうか。
ところで、SWORDの仕組みを聞くと、
ガープもSWORDなのでは?と思うわけですが、ガープはSWORDではなくて素で自由奔放の方が面白いなぁ、と。