・ガープVSクザン
前回、海賊島「ハチノス」にて黒ひげ海賊団に政府の人質として捕らえられていた
コビー(
1059話)が、別の目的(おそらくカゲカゲの実の能力を売るため)で同じく捕らえられていた
モリア救出のためにやって来た
ペローナの助力を受けて脱出しています。
しかし、ハチノスは黒ひげ海賊団のアジトですから、早速、大勢の黒ひげ海賊団船員に追われるコビーでしたが、コビー奪還に向かった
ガープと
SWORD(
1071話)がタイミングよくハチノスに到着しており、空飛ぶ軍艦に乗って上空から舞い降りたガープの大技”
拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)”がコビーを追いかけていた大勢の海賊達に炸裂しました。本人曰く、威力は全盛期より衰えている模様です。
落下するガープの軍艦は先に潜入していた海軍本部少将
プリンス・グルスが
グニョグニョの実(粘土人間)の能力”
入道粘土(にゅうどうグニョ)”でキャッチしています。グニュグニュの方が粘土っぽいと思ってましたが、グニョの方がダジャレ向きだったんですかねw
コビー救出には
SWORD以外の海兵もやって来ており、コビーは
たしぎが自身の救出に来たことに驚いている様子です。したがって、
たしぎはSWORDではないと類推される一方、コビーの口ぶりからはガープが自身の救出に来ることについては驚いた様子はありません。ガープがSWORDだからなのか、ガープなら勝手に四皇に殴り込んで来るぐらい当然という認識なのか。
あるいは、例えば
ガープがSWORDを立ち上げた張本人であればガープ本人は元からSWORDのような立ち振る舞いを行なっているので、自身はSWORDのオブザーバーのような立場でSWORD隊員ではないのかもしれません。ちょっと理由は違いますが、調理師の教育を行なって来た服部先生が調理師免許を持っていないみたいな感じで。ガープがSWORDであれば、隊長はドレークではなくガープだとも思います。
コビーの無事に安堵する救出隊でしたが、コビー奪還を阻止するべく黒ひげ海賊団10番船船長となった元海軍大将
クザンが立ちはだかります。プリンを拉致したクザンはてっきりオーガーと共にティーチの船に乗っていると思っていましたが、一人、自転車でハチノスに帰還していたのでしょうか。
クザンは「愛弟子を救う為にかつての一番弟子を殺せんのか!?」とガープに問いかけますが、ガープは「
縛られるなバカめ!!「今を生きろ」と教えた筈じゃ!!!」「
迷う奴ァ!!!弱い!!!」と返答し、六式”剃(ソル)”で近づいてクザンを捕まえると、地面に叩きつける”
海底落下(ブルーホール)”を食らわせるのでした。ブルーホールは中米の国ベリーズにある海底の大きな不思議穴ですね。
迷う奴は弱いという言葉は頂上戦争の際のガープ自身に突き刺さる言葉です。一番弟子である自身を殺せるのか?とガープに問いかけたクザン本人は、大恩人であるガープに対して迷いがあったわけです。クザンの攻撃(アイスBALL)を受けたガープはそれを悟り、先の返答につながるわけです。
迷いがあるクザンには勝ち目がなさそうですが、ハチノスにいる他の黒ひげ海賊団船長たちはまだ様子を見ている状況なので、ガープが不意打ちを喰らわないか不安ではあります。特に
シリュウが危険です。
・ヒノキズの男の噂
本話では
クザンが黒ひげ海賊団に加入するきっかけのエピソードが描かれています。
その中で「
ヒノキズの男」の噂も出ています。
クザンは次期元帥の座をめぐり起きたサカズキとの大喧嘩に敗れ、海軍を去って1年後、新世界のとある島で黒ひげ海賊団と衝突しています。が、その場はティーチが詫びを入れて和解したようで、飲みの席でクザンは黒ひげ海賊団と打ち解けています。
成り行きでクザンを黒ひげ海賊団に勧誘したティーチは、海賊とは
利害が一致していればいいと断り、海軍を去って自由になったクザンに「
何をしたい!?」と問いかけるのでした。結局、クザンの目的は不明ですが、クザンは利害の一致により黒ひげ海賊団に身を置いている様子です。
この回想の文脈的には、クザンの目的は
因縁のある”歴史の本文”の真相と政府の闇を暴くことではないかと類推されます。であれば、ワンピース争奪戦においてクザンは勝ち船に乗ればいいだけですので、今後、黒ひげ海賊団にこだわる理由はなく、黒ひげ海賊団を裏切る可能性は十分ありそうです。
ロードポーネグリフの在処のヒントらしい「
火ノ傷(ヒノキズ)の男」(
1056話)については、サウロ説が浮上していたところですが(
1071話考察)、本話では「ヒノキズの男」はカイドウとビッグ・マムが持っているのとは別の残りの2つ
ロードポーネグリフのうちの1つを所持していると噂されています。残り2つのうち1つはゾウにありますから、ルフィ達の目線から見ると、所在不明の最後のロードポーネグリフになります。
また、嘘か本当か「ヒノキズの男」は
真っ黒い船に乗っており、敵船が近づくと巨大な渦で敵船を飲み込むのだとか。つまり、ロードポーネグリフを船に乗せて、常に航海しているということでしょうか。だとすれば、「ヒノキズの男」を捜すのは至難の業です。
シリュウは「ヒノキズの男」が政府の人間だと予想しているみたいです。ロードポーネグリフを1つ所持しておけば、海賊がワンピースに辿り着くことができないという理由なのですが、であれば、政府の中枢に保管している方が確実ではないかとも思います。
「ヒノキズの男」の噂が本当であれば、ヒノキズの男=サウロ説は否定され、ヒノキズの男は新キャラである可能性が高くなります。そうなると、ヒノキズの男が「
眼帯の海賊」(
1056話考察)である可能性は残るんですよね。
・ウィナー島の勝者
勝者(ウィナー)島での
黒ひげ海賊団と
ハートの海賊団の戦い(
1064話)はティーチ率いる黒ひげ海賊団(参戦した船長はバージェス、ドクQ、オーガー)に軍配が上がったようです。ハートの海賊団のポーラータング号は全壊して沈没しています。
戦いに敗れたローのオペオペの実の能力について、ティーチは「売る」か「使う」か悩ましいとしつつ、オペオペの実の能力による「不老不死」手術にも興味を持っている様子です。しかし、ティーチが身動きが取れないローに近づいたところ、
ベポが”月の獅子(スーロン)”化して、この窮地を打開し、ローを連れて島から泳いで脱出することに成功しています。
ミンク族のベポが月も出ていない昼間にスーロン化できたのは、
チョッパーが作った薬のおかげみたいです。ベポはいつでもスーロンになれる薬の調合をチョッパーに依頼していたようで、おそらくワノ国出航前に試作品を受け取っていた模様です。
おそらく動物系能力者に対する
ランブルボールと同じような原理なのでしょう。使用後に副作用があるかもしれませんが、いつでもスーロンになれるというのは、ミンク族が味方であることを考えると今後の戦いで非常に心強いです。
また、本話でも「
ロッキーポート事件」について少し情報が出ています。
「ロッキーポート事件」は
ローが事件の「首謀者」とされ(700話)、
コビーは事件で「市民を守った英雄」(903話)とされており、
ティーチはコビーのおかげで当時の海賊島のボスだった王直を倒し、海賊島のボスになったようですが(
1059話)、事件の詳細は未だ不明です。
そして、
前回のアバロ・ピサロの発言からロッキーポートは、海賊島「
ハチノス」の中の地名と推測されます。
一方、ローは七武海に自薦するため、
海賊の心臓を100個を海軍本部に届けたという逸話があります(659話)。ローはオペオペの能力”メス”で相手の心臓を抜き取ることができ、心臓を取られた者は心臓が無事である限り不自由なく動くことができますから(662話)、心臓を取られた100人の海賊達は今どうなっているのかというのは気になるところでした。
今回のティーチの発言によると、
ローはロッキーポートで100人の海賊達から心臓を奪ったということですので、ロッキーポート事件というのはローが七武海になるために計画した事件だと考えられます。しかし、これにコビーとティーチがどう関わっているのかは謎です。
そして、ローに心臓を奪われた100人の海賊達は今も海賊島で怯えて暮らしているのだとか。結局、海賊達の心臓はどうなったのでしょうか。海軍がローから心臓を受け取ったのであれば、心臓を脅迫材料にして100人の海賊達に自首を呼びかけることもできたでしょうに。
ともかく、ワンピース争奪戦はハートの海賊団の敗北により早くも、赤髪海賊団、黒ひげ海賊団、麦わらの一味の3つに絞られたのでした。