・クロスギルド参戦
本話冒頭、海軍本部の
Tボーンが殉職したことが報じられています。”2年前”から職位は「大佐」から「中将」に変わっており、殉職により2階級昇進したのかと思いきや、元より中将に昇進していたようです。
海軍はTボーンの死因を世間に明らかにしていませんが、真相は
クロスギルドが海兵にかけた懸賞金(
1058話)を目当てにした市民によりTボーンは背中を刺されたそうです。事件が起きたのは年間千人以上の餓死者が出ている「
ペペ王国」という貧困国でした。
一家を餓死から救うためにTボーンを殺害した犯人はクロスギルドに匿われており、懸賞金はしっかり家族のもとへ送金されたそうです。海兵の懸賞金を狙うのは海賊だけではないことが明るみになり、海兵の士気を下げ軍を弱体化しかねないクロスギルドの存在は今や海軍にとって大変な脅威となっています。
そんなクロスギルドのアジト「カライバリ」では待望の船が完成。
バギーを尊敬する船大工達の余計な手心が加えられ、船首はバギーをモチーフにしたド派手な船となってしまい、バギーは
クロコダイルと
ミホークにシメられるのでしたw
クロスギルドを設立したクロコダイルと、その計画に加担するミホークの最終目標は、いかなる勢力にも脅かされない「
軍事国家」を建国することだと言います。その為には
圧倒的な軍事力が必要であり、それを買うために莫大な資金が必要というわけです。
この話を聞いたバギーは、
近頃、蘇っていた自身の野望も相まって、クロコダイルとミホークにいつ殺されてもおかしくない状況でヤケクソになり、感情を爆発させます。
「お前らそれでも海賊か!?半端なモン求めやがって………!!」
「回りくでェ事してんじゃねェよ!!」
「「海賊王」になり"てェ!!!」
「「力」!?「富」!? 全部手に入る!!!」
「取りに行こうぜ!! この世の宝の頂点!!!」
クロコダイルとミホークはロジャーの処刑を現場で見た海賊であり(0話)、ミス・ゴールデンウィークのカラーズ・トラップ”夢の虹色”により
クロコダイルの夢は「海賊王」であることが判明しています(408話:ミスG・Wの作戦名”ミーツバロック”vol.38)。しかし、
ワンピースを取りに行くというバギーの言葉に現実を見る二人は唆られることはなく、クロコダイルは「何の計画も準備もねェ」、ミホークは「”赤髪””黒ひげ””麦わら”全員と戦えとでもいうのか」と冷ややかな反応を示します。
しかし、突っ走るバギーは「出し抜きゃいいんだよ お宝は”争奪戦”だ!!」と言い、クロコダイルの制止を振り切って拡張マイクでクロスギルドの海賊達に高らかに宣言します。
『一番欲しい物に手を伸ばせ!!! お前らにはおれがついてる!!』
『取りにいくぞォ!!! ワンピース!!!!』
海賊達:ウォオオオオオオオオ〜〜!!!
この熱量はクロコダイルとミホークではもはや抑え切ることはできないかもしれません。
思えば、海賊達はみんなワンピースを求めて海に出たのでした。
それが大海賊時代です。
海賊王になりたいという野心がバギーに蘇ったのは、
シャンクスが今になって動き出したことが原因でした。24年前のロジャーの処刑の日の回想では、
シャンクスがロジャーの跡を継いで次世代の海賊王になることを密かに期待していたバギーが、シャンクスに失望した様子が描かれています。
ラフテルを「今の所目指す気はねェかな」と言うシャンクスに、バギーは「腰抜けがァ」と言い、シャンクスは困惑しています。二人の間に温度差が生じてしまった原因は、
ラフテルに行くべき時が約20年後であることをシャンクスは察しているのに対して、バギーはそれについて全く知らないことにあると思われます。
「シャンクスがあまりにも有望すぎて夢なんて捨てちまってた」と言うバギーですが、今や肩書きでは四皇としてシャンクスに肩を並べているバギーは、自分にも「海賊王」になるチャンスはあるはずだと思い直すのでした。
バギーが海賊王になるという未来は、「
海賊王におれはなるTV」でマヂカルラブリーの
野田クリスタルさんが言及していたのですが、これは結構あり得るのではないかと思っています。バギー本人も今回「運でも事故でも」と言っているのですが、運や事故でバギーが今までのように最終的に海賊王に成り上がる展開はありそうな気がします。
・サボ帰還
革命軍本部がある「
カマバッカ王国」に接近する
不明の船あり。
そして、その船の様子を窺う革命軍副軍隊たち。
北軍 副軍隊長 ジロン
南軍 副軍隊長 ギャンボ
東軍 副軍隊長 あひる
西軍 副軍隊長 ウシアーノ
望遠鏡をバリバリ食べているジロンは少なくとも能力者なのでしょうか。
どん!と一挙に明らかになった革命軍副軍隊長のことはさて置いて、ジロンの言う通り、不明の船には
サボが乗っており、サボが革命軍本部に帰還しました。
不明の船は
ルルシア王国の船であり、サボと一緒に
革命軍に入隊を希望するルルシアの民が乗っていました(904話のルルシア王国で再登場していた
モーダが今回も登場しています)。
謎の兵器によってルルシア王国が滅亡した際、サボは革命軍に通信している最中で、その通信は海軍通信部に傍受され、発信元はルルシア王国と判明し、サボはルルシア王国に偶然居合わせていたように見えましたが(
1060話)、
サボはルルシア王国にはいなかったと言います。
サボは自身の通信が完全にマークされているため、連絡を行うには妨害電伝虫が必要でしたが手に入らなかったため、あの時、”
間接通信”という手段で通信を行なっていたと言います。その詳細は分かりませんが、通信ハブを経由することで発信元を匿名にする手段のようです。そして、ハブとして使われたのがルルシア王国だったわけです。
「物音3回」が間接通信の合図らしく、確かにサボがドラゴンに話す前に「
ガッ ガッ…ガン!!」と音が鳴っていました(1060話)。しかし、間接通信であることを連絡相手に伝えることに何の意味があるのかと思って仕方ないわけですが、ルルシア王国滅亡にサボが居合わせたとミスリードさせる描写があまりにも強いので、後付けではない証拠としての役割が強い気がします。
ともかく、マリージョアの事件後に身を隠したサボは「8か国革命」(
1054話)の一国であるルルシア王国に立ち寄り、船を入手して革命軍入隊希望者を募り、その後、出航。ルルシア王国に残しておいた電伝虫(?)を介して間接通信を行い革命軍に連絡していた途中で、ルルシア王国が滅亡し、通信が途絶えたと見られます。
サボがマリージョアから向かったのが、レヴェリー後に革命が起きた8ヶ国のうち、どうしてルルシア王国だったのかと考えると、おそらくサボは
マリージョアにて、ルルシア王国が標的になっていることを知ったのではないでしょうか。
サボはどうやらイムを目撃した様子でしたので(
1060話)、イムと五老星の会話を盗み聞きしたと考えられます。しかし、サボは一瞬でルルシア王国が滅亡するような事態は想定していなかったと思われます。そのような兵器の存在は信じ難いですから。サボ一人の力でルルシア王国の国民全員を避難させることは不可能ですので、サボは革命軍入隊希望者を募りできる限りのことをしたという感じでしょうか。
そして、サボはマリージョアで見た事を
ドラゴンと
イワンコフにだけ伝えるようです。現状、サボがそうであるように、聞く事で命の危険に晒される内容であるため、軍隊長達には伝えないつもりのようです。が、そんなこと政府にとっては知る由もないので、革命軍もろとも消し去られそうなものですが。。
話は変わりますが、救出後に突如、動き出してカマバッカ王国を去った
くまについて(1067話)、ドラゴンは「いかなる時もマリージョアへ戻るプログラムが施されていたのかも」と考察しているようです。確かに、くまはレッドポートに着陸し、頂上にマリージョアがあるレッドラインの壁を登ろうとしていました(
1071話)。
しかし、プログラムによってただマリージョアに戻っているだけとは思いたくないところですよね。