勝平:一番最初にキャラの擦り合わせみたいの、尾田先生が立ち会った中でやらせてもらって、「アニメよりも落ち着いた感じでやってください」というオーダーがあったんで、人間味を出す…人間味を出すっていうのも変だけど、向こうの役者さんに呼吸を合わせるっていう作業だったんで、やっぱりアニメとはちょっと違う吹き替えにはなりましたね。
そういう意味ではやっぱり緊張しました。アニメでは大丈夫だけど、この実写のウソップに果たして合うのか?俺、みたいな(笑)
平田:そりゃ、皆んな思ってただろうよ
真弓:思った、思った、うん。難しいと思った
岡村:難しいですよね
中井:ここは皆さん、こういう結末になるってご存知だと思うんですけど、「文句あるか海賊王」っていうのをここでは言わないんですよね。このシーンではこのセリフはここまで、ってなってて、後にオリジナルのシーンがあってそこで言うんですよ。それが僕はすごく意味がある!って。ゾロが仲間になっていく上で、闘いがあって負けちゃってジタバタしてる中で言うんじゃなしに、ワンクッションあってこのセリフを言うんだって、僕はすごく沁みて。これは上手いアレンジがしてるなって思ったんで。
真弓:漫画だとさ、凄く傷ついててもさ、あっさり治って次行っちゃうじゃない?でも(実写版には)ゾロの傷ついたシーンがきちんとあって、こんだけ死の淵を彷徨ったんだなぁって分かったのが良かったなぁって。
勝平:「クソお世話になりました」の時に土下座しないのは世界的にそういう文化がないから?
平田:なのかな。サンジの唯一の名シーンってあそこだからさ
中井:唯一って自分で言っちゃダメw
平田:これは言っていいことか悪いことか考えずに言うけど、台本もらった時にここのセリフ、2パターンぐらいあって、翻訳家の方もディレクターも悩んでんのかな〜って感じで。外画は口パクに合わせんのが基本じゃない?土下座はないけど「クソお世話になりました」は言っとかないと、唯一のシーンがなくなってしまうかなと思ってw
ここの尺だったら入れられるかななんてね、一緒にディレクターと相談しながらやってね。でも、(土下座しないで)上から目線で「クソお世話になりました」ってどう成立するかなって思ったけど、タズさん(サンジ役のタズ・スカイラー)がとっても良い芝居してるから。
勝平:そしてね、ちゃんとサンジが見えるように、その前にガープがあそこ壊してくれてるっていう、砲撃で。
一同:あ!
岡村:そのために!
勝平:そのためにじゃないけどねw
平田:ガープのおかげなんだ
勝平:アレなかったら顔に(柵が)かかる、みたいなね
勝平:ルフィが「当たり前だー」を3回言うのは大事なことだからかなーと思ってw
真弓:その通り。大事なことは1回じゃダメ
岡村:そういうことでしたか。伝わりましたw
平田:2回目は語尾上げて欲しかった
真弓:「当たり前だ?」
平田:「当たり前だ?」「当たり前だ!」
真弓:自問自答
岡村:台無しだから(笑)