・サターン聖の能力
前回から引き続き、エッグヘッド立てこもり事件の模様です。
パシフィスタの命令権の奪い合いが始まり、パシフィスタの威権順位最上位の五老星である
サターン聖がついにエッグヘッドに上陸しています。
1094話
前回の描写から、サターン聖は
覚醒したゾオン系能力者であり、その能力は”
クモクモの実”の
幻獣種と見られます。モデルはおそらく
悪魔の類です(悪魔バエルが有力)。
幻獣種ゆえに特殊な能力をいくつか持っているようで、
ワープ(魔法陣から出現)と念力が既に確認されていましたが、
治癒力も非常に高いようです。
前回、
ボニーに刺されたことに関してサターン聖は「
刺されたくなければ避けておるわ」と発言しており、
刺された傷口からは一瞬で血が消え、傷口も消えてしまった様子です。
先のサターン聖の発言からは治癒力が高いというよりは
ダメージに耐性があるという表現の方が的確かもしれません。ボスキャラ適性がありますね。
・バッカニア族
バーソロミュー・くまは娘の
ボニーに自分が「
特殊な種族」であると伝えており(
1064話)、その詳細は不明でしたが、本話では、くまが絶滅種”
バッカニア族”の生き残りだったことが判明しています。
バッカニア族は「
かつて世界に対して大罪を犯した一族」であり、その末裔はワンピース世界では「
生まれながらにして奴隷階級」として虐げられている種族のようです。「巨人族の血を引いている」という情報も出ていますが、確かな情報かは分かりません。
「絶滅種」とされているので、万国(トットランド)に存在しない3種族(ルナーリア族と巨人族ともう1種族)のうち、ビッグ・マムがもう滅んでしまったかもしれないと言及していた種族(
952話)がバッカニア族のことだったと考えられます。
「かつて世界に対して大罪を犯した」という点については、「800年前 罪を犯した」という象主(ズニーシャ)(
1040話)が連想されますが、バッカニア族が「大罪を犯した」というのは
”空白の100年”よりもずっと前のことだと考えられます。
というのも、バッカニア族が解放の戦士(太陽の神)ニカを信仰していたことが、本話のボニーの記憶とくまの記憶から明らかになっているからです。「太陽の神ニカ」は太古の奴隷たちがいつか自分達を救ってくれると信じていた伝説の戦士であり、ニカ信仰は太古から奴隷の身分だったと見られる魚人族に伝えられています(
1018話)。したがって、
バッカニア族も魚人族同様に太古から奴隷の身分だったと考えられます。
そして本話の回想では、くまが幼少期から
天竜人の奴隷(
1074話)となった経緯が明かされています。
くま は”南の海”「
ソルベ王国」にて、バッカニア族の父(名はクラップ)と人間族の母の間に生まれたバッカニア族のハーフでした。バッカニア族は迫害されているため、くまの父は素性を隠して暮らしていた模様です。
しかし、ある時、バッカニア族の血筋であることを示す資料が病院から政府に漏れたらしく、くまの一家は政府に捕らえられ、3人とも天竜人の奴隷になってしまいます。過酷な奴隷生活に耐えられず母が真っ先に死に、父は些細なことで天竜人に処刑されてしまい、早々に くま は独り身になってしまいます。
この状況から世界政府加盟国である「ソルベ王国」の国王(
908話)になることは不可能ですので、ハンコックと同じように、
くまは奴隷の境遇から一旦脱出し、身分を隠してソルベ王国の国王にまで出世し、その後、天竜人の奴隷であることがバレて国を追われることになったのだと考えられます。
そして、奴隷からの脱出のきっかけとなったのが、38年前に起きた
ゴッドバレー事件だったようです。
・ゴッドバレー
38年前に起きたゴッドバレー事件は「
”天竜人”とその奴隷達を守るため、そこに居合わせたガープとロジャーが手を組み「ロックス海賊団」を打ち破った事件」(
957話)とされていますが、非常に謎の多い事件です。
1049話
そもそも、
ロックス海賊団はゴッドバレーで何かが起きたことを嗅ぎつけてゴッドバレーに向かったわけですが(
1049話)、本話では、事件発生前にゴッドバレーで何が行われていたかが明かされています。
ゴッドバレーは”西の海”にあった世界政府非加盟国の土地であり、「神の谷」という意味ですが、天竜人とは全く関係ありません。
天竜人達は当時3年に1度、「先住民一掃大会」という”人間狩り”の余興を非加盟国で開催していたらしく、38年前、資源が豊富というゴッドバレーが開催地に選ばれたのでした。非加盟国の国民を「先住民」と称して”人間狩り”を行い、その土地を世界政府が所有するそうなので、要するに侵略です。
さらに”人間狩り”の標的となる”脱兎(ラビット)”には「先住民」に加えて、「罪人」や「問題ある奴隷」が投入されるのも恒例となっており、ここに
くまがいたのでした。
”狩り”の”脱兎”ということですから、当然、錠は外されており、脱出のチャンスができたわけです。
そして驚くことに、この時ゴッドバレーにいた奴隷には くま の他に
イワンコフもいたのでした。
イワンコフも元奴隷だったとは知りませんでした。
イワンコフは奴隷でも元気で(笑)、脱出する気満々の様子でして、くまはイワンコフの計画に乗って脱出することができたのだと予想されます。くまは国王になった後、ソルベ王国を追われて海賊になり、革命軍に入ったという話ですが(
1064話)、それよりも前にイワンコフと接点があったわけです。
イワンコフと一緒に奴隷の
ジニーも登場しています。イワンコフの妹分のようです。
ここに来て新キャラの登場で、名前は「ボニー」に似ているため、
ボニーの母親になる人物なのかもしれません。
1086話
また、”神の騎士団”の最高司令官
フィガーランド・ガーリング聖は「
かつてゴッド・バレーという土地で活躍した”王者”」(
1086話)と称されていたわけですが、この”王者”という称号は「先住民一掃大会」の優勝者のことを指している考えられます。
38年前、ガーリング聖は大会に参加しており、大会開始前にゴッドバレーの国王を討ち取り、お手つきで減点を受けていました。当時も、神の騎士団に所属しており、下馬評で優勝候補と目されるほどの実力者だったようです。
この現場にロジャー海賊団が来ることや、
この現場でシャンクスがロジャー海賊団に拾われること(
『FILM RED』)、
この現場でビッグ・マムがウオウオの実の幻獣種を拾ったこと(
999話)
など、
ゴッドバレー事件に関する断片的な情報はまだ謎だらけなのですが、ウオウオの実の幻獣種は大会の賞品として用意されていたものだったりするのかもしれません。
ゴッドバレーには
サターン聖もいたようですが、
38年前でも容姿は変わっていないですね・・・