・くま&ジニー
前回、38年前に起きた
ゴッドバレー事件(
957話)の最中にいた天竜人の奴隷の
くまは、奴隷の
イワンコフと
ジニーに出会い、彼らの脱出作戦に協力して、
ニキュニキュの実の能力を手に入れ、能力により脱出することに成功しました。また、仲間の奴隷の他に事件に巻き込まれた500人以上の人々を救ったようです。
ニキュニキュの実の能力で飛んだ先は くま の故郷である
ソルベ王国であり、おそらく、くまによって救われた者たちもソルベ王国に着地したと思われます。これは文脈的にそのように推定されるわけですが、ニキュニキュの実の能力の制限なのかもしれません。例えば、能力者自身が行った事がある場所にしか飛べないとか。
本話ではイワンコフが海に出た後、くまとジニーがくまの生家(教会)で二人暮らしを始めた以降の様子が描かれています。
30年前(くま17歳、ジニー21歳)
くまは父親と同じく牧師として生活。ニキュニキュの実の能力により痛みを弾き飛ばし、老人達に”奇跡の手”と崇められる。ただし、能力で飛ばした「苦痛」は誰かが引き受けないと当人に戻るため、くまが密かに「苦痛」を引き受けていた。
ソルベ王国は新国王
ベコリ王に交代。悪政で評判は悪い。
25年前(くま22歳、ジニー26歳)
ジニーがくまに求婚するも、くまはバッカニア族の血筋であることがジニーを不幸にすると恐れてこれを拒否。ただし、結婚しなくとも同棲生活は幸せな模様。
22年前(くま25歳、ジニー29歳)
ベコリ王がソルベ王国の領土(島)の北部のみをソルベ王国(城と城下町を含む)と定め、南部(くまの教会と老人達の村がある)は無法地帯となる。世界政府に納める天上金は国民の数で決まるため、この政策(通称:奴隷政策)により年寄りが多い南部が切り捨てられた。
北部の人間により南部の人達が攫われるようになったため、くまは猛反発。攫われた人達を救出しようと孤軍奮闘するも、投獄される。くまを助けようと暴れたジニー達も投獄される。
その折、くまを勧誘するためにソルベ王国にやって来た
ドラゴン(33歳)率いる
自勇軍が国王の城を攻撃(自勇軍はデモ活動を行う反政府組織だったが海賊時代の到来とオハラの事件を契機に武装化。
ドラゴンは元海兵で武器の扱いを知っていた)。
ベコリ王は降伏して奴隷政策を破棄。
くまをドラゴンに推薦したのは、先に自勇軍に加入していたイワンコフだった。
くまとジニーを加えた自勇軍は「
革命軍」に名を改める。
くまは時々、ソルベ王国に帰郷。
14年前(くま33歳、ジニー37歳)
くまとジニーは革命軍軍隊長になっている(おそらくイワンコフも軍隊長)。
ジニーが遠征先で「
思わぬ敵」に攫われる。
本話の回想はジニーが攫われたところで終わっています。
革命軍の陣営に踏み込んでいるジニーを攫った「思わぬ敵」らしき影は描かれていますが、正体不明です。革命軍の敵は世界政府ですから、「思わぬ敵」とは海軍でもなければ政府の役人でもなく、また、遠征先の国王軍でもないはずです。
そこで「思わぬ敵」として一つ考えられるのは、
ジニーの親です。
まず、
ベガパンクがボニーのことを「
あんな幼い子」(
1093話)と言っていることから、14年前の時点ではおそらく、まだボニーは生まれていません。ベガパンクの言動は14歳に対して子供扱い過ぎるからです。つまり、この件でジニーの命に危険はなく、ジニーが孤立するような出来事でもないと推定されます。
例えば海軍大将がひょっこり現れてジニーを攫っていったら「思わぬ敵」と言わなくもないですが、そうだとすると目的はドラゴンを出頭させるための人質だと考えられ、その後の革命軍とドラゴンの無事を考えると、そこまで致命的な出来事ではないとも推定されるわけです(最終的にイワンコフはインペルダウンに幽閉されていましたが)。
また、本話の回想では、
くまがソルベ王国の国王になった様子はまだ見られません。自勇軍がソルベ王国を攻撃した後もベコリ王は失脚しなかった模様です。
ポイントなのは、くまを救出するためにマリージョアに来たボニーがソルベ王国の
王太后コニーに変身(908話)していたことです。
908話
ボニーの変身は
トシトシの実の能力により年齢を操作するだけですから、ボニーがコニーに変身できたのはボニーとコニーが似ているためであり、おそらく
ボニーの祖母だと考えられます。ボニーの母と考えられるジニーにとって、コニーは母と考えられます。
くまがソルベ王国の国王になり、コニーが王太后ならば、ジニーは王妃であり、くまとジニーは最終的には結婚したと見られます。くまの両親は亡くなっているため、ジニーの母コニーが王太后になったわけです。しかし、ジニーは4歳から奴隷となっており(
1096話)、これまで親は登場していません。
したがって、
ジニーが生き別れた親と再会することが必然となるわけでして、軍隊長として名が知れたことで、ジニーの親がジニーを捜索していたのかもしれません。つまり、攫われたというのは大袈裟な表現でミスリードを誘うフェイクなのではないかと思うわけです。