・くまの契約とボニーの出航
前回から引き続き、くまの過去編です。
4年前、
くまは
ドラゴンの手引きで
ベガパンクと会い、
ボニーの病気(青玉鱗)を治してもらう契約を結びます。莫大な手術費の代わりにベガパンクが条件としたのは、
くまの血液の提供と くま のクローン兵を作る許可でした。
しかし、海軍科学班第8研究所(後のエッグヘッド)には盗聴器が仕掛けられており(ベガパンクは引っ越したばかりで熟知していなかった)、ベガパンクとくまの密会を盗聴していた
サターン聖は以下の条件を追加します。
1)王下七武海に加盟すること
2)くま自身が海軍の「人間兵器」になること
3)最終的に一才の思考と自我を失うこと
王下七武海はルーキーの
エースがその一角を落としたために空席ができていたようです。ジンベエ(552話)の他にもエースは王下七武海を倒していたみたいです。世界政府はエースには王下七武海への加盟を蹴られていますからね。
「青玉鱗」の手術には半年、その後1年経てば完治する見込みで、くまの改造には最低2年かかる見込みです。
ボニーは世界政府にとっては くま の人質となるため、ボニーは術後より世界政府の監視下に置かれ、くまはボニーとの接触を禁じられます。ボニーに関する伏線(595話)はおそらくこれで全て回収されました。
ベガパンクの研究所で くま と共に半年過ごした後、ボニーは、くまの要望でソルベ王国の実家で1年間の療養期間に入ります。くまはこれ以降、ボニーとの接触が禁じられているため、この時がくまにとってボニーと会う最後の機会でした。
ボニーの監視にはCP8諜報部員の
アルファが看護士として付いています。容姿と名前がCP9のカリファに似ていますが、関係性は不明です。彼女は非常に性格が悪く、くまが頻繁に送っていたボニーへの手紙をボニーに一切渡さず処分していました。
しかし、このアルファの嫌がらせがボニーを海へ駆り立てます。
1年間の療養が過ぎ(3年前)、ベガパンクの見込み通りボニーの病気が完治してもなお、ボニーを部屋に閉じ込めておこうとするアルファ達にソルベ王国の者達は不信感を抱きます。しかも、アルファ達は町で飲んだくれて、自分達が政府の諜報部員であること、ボニーの病気が完治していると話していたのだとか。手紙をたくさん書くと言っていた くま が手紙をよこさないのもおかしい、ということで、
コニー王太后の手助けで
ボニーは海に出て くま を探す旅に出るのでした。
脱出は簡単で、トシトシの実の能力でコニー王太后に変装したボニーが顔パスでアルファの前を通過しています。港では
ギョギョ、
トッツ、
ポテトらが待っており、漁師である彼らの漁船で出航しています。このボニーの父を探す漁船はその後、海賊船に変貌し、
ボニー海賊団を名乗ることになるわけです。
つまり、ボニー海賊団の船員達はソルベ王国の漁師であり、特にギョギョ達はボニーが赤ん坊の頃から世話をしていた人物ということになります。確かに、こいつらボニー海賊団にいますね(498話)。
・自我を失う
ベガパンクは「この研究での”自我の喪失”とは人として生きた記憶 人間の感情を失う事を指す」と説明しています。
1072話
くまの記憶はニキュニキュの実の能力により弾き出された形で保管されていました(
1072話)。これには くまの「感情」も含まれているのかもしれません。
能力により体から弾き出されたものの特性が「苦痛」と同じならば、持ち主の体へ帰っていくので(
1097話)、これはくまの肉体に戻らないように繋ぎ止めていると考えられます。
そして、この事実はベガパンクの良心だと思われます。不要であれば、消去はできたかもしれないからです。くまの過去編で明らかなように、ベガパンクはくまの味方であり続けました。
くまの記憶がくまの体に戻れば、くまの自我が回復すると期待されるわけでして、ボニーとくまの再会をもって鬱すぎる くま の過去編を清算したいところです。