・隠しプログラム
世界政府の邪魔となる一切の可能性を排除するため、バスターコールが発動され、エッグヘッドへの砲撃が開始されています。
前回、研究層(ラボフェーズ)行きの「真空ロケット」から宙に放り出された
ボニーと
くまに、
サターン聖の命令を受けた
パシフィスタ達による集中砲火が行われようとしていました…。
ボニーが海賊になったと知った時、
ベガパンクの頭には最悪のシナリオがよぎりました。それは、くまのクローンであるパシフィスタがボニーを撃ち抜くことでした。
ベガパンクはその最悪のシナリオだけは回避するべく、ボニーの命令を最優先に聞く隠しプログラムをくま型の全てのパシフィスタに仕込んでいたのでした。つまり、くま型のパシフィスタにおいては威権順位の最上位は五老星ではなく、実はボニーだったのです。
ベガパンクはボニー達と一緒に宙に放り出されている
アトラスを介して、パシフィスタに命令するようにボニーに伝えます。
ボニー:撃たないで!! お父さん!! あたし達をこの島から逃して〜!!!
ボニーの命令によりサターン聖の命令は上書きされ、パシフィスタ達はエッグヘッドを包囲している海軍の軍艦に一斉攻撃を開始します。
ベガパンクの背信行為を察した怒れるサターン聖はベガパンクの体を爪で貫き、パシフィスタに代わって
黄猿にボニーとくまの抹殺命令を出します。
黄猿:重ねて四つだ…痛みはねェからよ ボニー
黄猿は天叢雲剣(あまのむらくも)でボニーとくまに斬りかかります。
「重ねて四つ」って何だ?って思うわけですが、ここでの意味は、男女(くまとボニー)を重ねて両断すると4つになるということです。本来は夫婦以外の男女が性交渉した際の江戸時代の刑罰(実際は当事者で示談にして、刑が執行された例は稀らしい)のことを意味しています。
黄猿がボニーとくまに斬りかかったタイミングで、完全復活した
ルフィが介入(※ルフィに食糧を与えた人物は不明のまま)。黄猿は弾き飛ばされ、一方、悪魔の実の影響で島中はゴム状に変化しているため、ボニー達は無事に地上に落下しています。
そして、ボニーは覚醒状態のルフィを目の当たりにして、ようやくルフィが太陽の神「ニカ」だと認識するに至ります。ニカの存在を認識したことにより、トシトシの実の能力である”歪んだ未来(ディストーションフューチャー)”による”ニカみたいな未来”は従来の力を取り戻した、はたまたそれ以上の力を発揮すると予想されます。
気になるのは、ボニーを威権順位の最上位とする隠しプログラムがくま型のセラフィム(S-ベア)にも仕込まれているのかという点です。
現状、セラフィム達に対してはヨークの命令を威権順位の同列のベガパンク達は上書きできない状態ですが、隠しプログラムが仕込まれていれば、S-ベアには命令が通じます。セラフィムは人格を有しており、S-スネークの例ではクローン元の人格(特に強い想い?)が遺伝している様子が見られるため(
1090話)、S-ベアがボニーに同行する展開は期待したいです。
・お迎え
立てこもり事件前日にエッグヘッドから脱出した研究員・従業員達が乗る船の位置を海軍は把握済みで、
サターン聖は撃沈命令を出していました(
1089話)。しかし、海軍による脱出船の撃破作戦はエッグヘッドに向かう何者かの妨害によって失敗し、逆に海軍の軍艦が撃沈されていました(
1105話)。
本話最終ページでは、その者達がエッグヘッド北東の海岸に到着しています。
ブロギー:ガバババ 迎えに来たぞ ”麦わら”ァ!!!
ドリー:ゲギャギャギャギャ!!! ”太陽の神”よォ〜〜〜!!!
ルフィ達がエッグヘッドから脱出して向かう予定のエルバフから、
ドリーと
ブロギーが率いる巨兵海賊団が迎えにやって来ました。エルバフにて、赤髪海賊団とともにキッド海賊団を壊滅させる様子が既に描かれていましたが(
1079話)、彼らは立てこもり事件のニュースを知って、エッグヘッドに駆けつけたようです。パシフィスタを掌握し、北東の海岸を包囲する軍艦はドリーとブロギーが薙ぎ払ったため、脱出する準備が整いました。
注目なのは、ドリーがルフィのことを”太陽の神”と呼んでいることです。
エルバフの戦士たちは「エルバフの神」を信仰している様子が窺えますが、「太陽の神」については不明です。「太陽の神」は太古の奴隷たちが信じた神であり(
1018話)、現在、人種差別を受けている様子はない巨人族が同じ理由で「太陽の神」を信仰しているとは考えにくいです。
しかし、「太陽の神」は「解放の戦士」とも呼ばれているので(
1044話)、エルバフでは伝説の戦士として信仰されており、エルバフの神=太陽の神という可能性は否定できません。
追記)コメントから。ビッグマムの回想にて、エルバフでは厳しい冬を乗り越えて、太陽に感謝するという「冬至祭」が描かれていました(866話・867話)。リンリンの食いわずらいによる被害を治めたカルメルが「太陽の神が全てを治めたのよ」と言って、事件を丸く治めようとしている様子からエルバフの民が太陽を神として信仰していそうです。ただし、カルメル自身は太陽の神に見立てた炎のホーミーズには「パンドラ」という名前をつけており、太陽の神=ニカという認識は無かった模様です。(追記終)
さらに、本話では
ベガパンクが太陽の神ニカについて「
何百年も彼を待ち望んだ者達が世界中におる」ため、バスターコールなど無意味だと言っており、そこにドリーとブロギーが救世主として駆けつけたわけですから、エルバフの戦士たちもニカを待ち望んでいた者達だと捉えることができ、エルバフの神=太陽の神説が真実味を帯びてきます。
一方、ルフィが復活してギア5を発動したタイミングで、再び「
鉄の巨人」の目に光が灯っており(
1092話)、「鉄の巨人」が”
解放のドラム”に呼応していることが明確になりました。前回はルフィがラボフェーズにいたのに対して、今回はルフィが「鉄の巨人」と同じファビリオフェーズにいて距離が近いため、前回よりも強い呼応が見られるかもしれません。具体的には、動き出すことが期待されます。
いや〜、面白い。
エッグヘッド編、盛り上がってまいりました!!!