熊本県警と新潟県警は4日、週刊少年ジャンプで連載されている『ONE PIECE』や『呪術廻戦』などの作品の最新話を、
雑誌発売前に海賊版サイトに違法アップロードする、いわゆる「早バレ」行為を行なっていたとして、著作権法違反容疑で都内在住の外国籍の男2人を逮捕しました。
被疑者は漫画や関連グッズを海外に販売する会社(ジャパンディールワールド合同会社)を経営しており、この会社を通じて、発売前の週刊少年ジャンプを入手していたと見られています。県警はこの会社に対しても法人として同容疑で書類送検する方針だそうです。
被疑者による早バレ行為は昨年の3月頃から逮捕直前の今年1月31日まで確認されているようです。県警はその他、複数のサイトに『ONE PIECE』や『呪術廻戦』などの最新話が発売前に掲載されていることを確認しており、2人の関与を調べているそうです。
この報道を受けて集英社がコメントを表明しています。
漫画雑誌の内容が正式な発売日の前に違法アップロードされる「早バレ」は、SNS等を通じた拡散を伴い、発売日を心待ちにされている読者の皆様の楽しみを奪うものです。著者も大変心を痛めており、弊社として極めて問題視しています。そのため、今回の容疑者逮捕は問題解決に向けた大きな前進と考えており、「早バレ」ルートの解明が今後の被害抑止につながることを期待するものです。
弊社はこれからも著者が心血を注いで作り上げた作品とその権利を守り、読者の皆さまに漫画を適正な形で楽しんでいただくことができるよう、あらゆる対策を積極的に講じてまいります。
違法アップロードによる海賊版の問題は10年以上前から続いており、出版社はデジタル版配信の普及等により対策を進めてきたわけですが、昨今はSNSによる拡散、主にX(旧Twitter)を通じて真っ当な読者が早バレを喰らってしまうことを集英社は特に問題視しているようです。
最近の話題では、ゴムゴムの実の正体が明らかになる第1044話に関わる内容やイラストがSNSを通じて拡散され、コミックス派やアニメ派がネタバレを喰らってしまったことが問題になりました。衝撃的な内容でしたので、話題になるのは当然のことで、SNSで拡散されることを防ぐのは不可能です。
この事態を受けて、最終章へ向かう『ONE PIECE』の重大なネタバレ被害を回避するべく、編集部はコミックス派とアニメ派をジャンプ派へ移行させるキャンペーンをしばしば展開し、多少の成果はあったかもしれません。
しかし、今度は早バレとジャンプ派の構図ですので、ネタバレを回避するには、SNSを見ないか、セキュリティーがガバガバな紙版を廃止するしかありません。書店や印刷業、運送業との兼ね合いがあるため、紙版を簡単に廃止することはできないでしょうから、結局はSNSを見ないようにして自己防衛するしかありません。
ONE PIECE専用にしている私のXアカウントでは、タイムラインで早バレを喰らうことがしばしばあって、もうほとんど開かなくなってしまったのですけど、先日、出張で都内の電車を利用していた際、目の前に立っていた30代の会社員男性が『ONE PIECE』の早バレをスマホで閲覧していて目を瞑りました…。
恥ずかしいから、やめなー?
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