2010年から始まった原型師の造形技術とバンプレスト（現バンダイスピリッツのブランド名）の製品化力を広くアピールするイベント「バンプレストフィギュアコロシアム（BFC）」。

そのワンピースフィギュア部門の大会「造形王頂上決戦」は2011年に第1回大会が開催され（※造形王頂上決戦特設サイトの「2010年から始まった」はBFCと造形王が混同されている誤り）、その後、レギュレーションの変遷を経て2019年に10周年記念大会が開催されたのを最後にしばらく開催されていませんでしたが、この度、プライズフィギュアの枠組みが取り払われバンダイの通販サイト・プレミアムバンダイの商品企画として「造形王頂上決戦」が開幕しました。


特設サイト：https://p-bandai.jp/zoukeio-onepiece/2024


今回のレギュレーションはこれまでの大会とは全く異なっており、まず、商品化するフィギュアブランドが一律ではありません。バンダイの各フィギュアブランド開発担当者が原型師とタッグを組むチーム戦となっており（※ただし、開発担当者はチーム兼任あり）、さらに特徴的なのはフィギュア規格の規定が一切なく、サイズと価格を自由に設定することができます。

バンダイのフィギュアブランド対決という様相になっているわけですが、流石にリアルフィギュアとデフォルメフィギュアは部門が分けられています。

投票は6月3日からプレミアムバンダイの特設サイトとバンダイナムコCross Store店舗で開始され、優勝発表は8月10日開催のONE PIECE DAY'24で行われる予定とのことです。

投票は「クオリティ、価格、サイズ、全てを考慮し、一番心に残る造形に投票をお願いします」とのことですが、これはなかなか難しい話です。価格も考慮するなら、実際に販売して売り上げで競えば良いじゃないかと思ってしまいます・。・

現在のところ、未彩色原型と各チームのインタビューが公開されています。



● リアルフィギュア部門

■ 一番くじ ワンピース 造形王 シャンドラの戦士～カルガラ～
フィギュアブランド：魂豪示像
企画開発：橋本 佳那
原型師：岩倉 圭二
サイズ：22 cm
価格：未定

造形王頂上決戦古豪の岩倉さんの作品。こーれ、優勝です！？
まず、カルガラのリアルフィギュアが非常に希少な上に決定版的なクオリティなのが嬉しいことに加えて、さらにウワバミとシャンドラのジオラマが付いて存在感のあるフィギュアになっています。

ちなみに、一番くじの魂豪示像シリーズは岩倉さんが全て担当しているそうで、魂豪示像ブランドの原型師は選ぶまでもなく岩倉さんに決定したみたいです。

■ ワンピース DXF～THE GRANDLINE SERIES～GAIMON＆SARFUNKEL
フィギュアブランド：THE GRANDLINE SERIES
企画開発：三好 章弘
原型師：福家 悠太
サイズ：ガイモン：約10cm、サーファンクル：約7cm
価格：未定

バンプレストのTHE GRANDLINEシリーズより、前回大会の造形王の福家さんの作品。
ガイモンとサーファンクルのリアルフィギュア化は初でしょう。

人気キャラクターが有利な造形王頂上決戦のルールにおいて、マイナーキャラを選びたがる福家さんですが(笑)、今回のガイモン＆サーファンクルのキャラ選考は開発担当によるものです。

■ KING OF ARTIST THE MARSHALL.D.TEACH
フィギュアブランド：KING OF ARTIST
企画開発：三好 章弘
原型師：山下 マナブ
サイズ：約20cm
価格：未定

バンプレストの「KING OF ARTIST」ONE PIECEシリーズを担当している造形王古豪の山下マナブさんの作品。従来シリーズ通りの安定感のあるクオリティですが、悪く言えば、面白味はないかもしれません。

■ Revible Moment-ルフィ＆エース＆マキノ-
フィギュアブランド：Revible Moment
企画開発：森山 禎紀、太刀川 俊介（前任）
原型師：古市 竜也
サイズ：約12cm
価格：未定

一番くじのフィギュアブランド「Revible Moment」より、造形王頂上決戦初参加となる古市さんの作品。開発担当が原型制作会社のプラスアルファに相談したところ、推薦されたのが古市さんだったとのことです。最近では、一番くじ新四皇のシャンクスを手がけたそうです。

あと、リアルフィギュアではマキノは地味に初立体化となります。

■ フィギュアーツZERO［超激戦］エネル-6000万V “雷龍”-
フィギュアブランド：フィギュアーツZERO
企画開発：山地 正希子（前任） & 相澤 歩
原型師：江頭 慎太郎
サイズ：約31cm
価格：未定

コレクターズ事業部のフィギュアブランド「フィギュアーツZERO」シリーズより、造形王頂上決戦初参加となる江頭さんの作品。原型師になる前からユーザーとして造形王頂上決戦の投票にも参加していたことがあるみたいです。

今大会でサイズが最も大きいフィギュアです。

■ S.H.Figuarts ポートガス・D・エース -火拳-
フィギュアブランド：S.H.Figuarts
企画開発：相澤 歩
原型師：長汐 響
サイズ：約15.5cm
価格：未定

可動フィギュアもエントリーしているのが今回の造形王頂上決戦です。
コレクターズ事業部の可動フィギュアブランド「S.H.Figuarts」の新ONE PIECEシリーズの多くを手掛けているという可動原型師の長汐さんが初参戦となっています。


布製の衣装も付いているようです。
一つのポーズを切り取った通常フィギュアに対して、可動フィギュアは様々なポージングが可能な上に、差し替えパーツで多彩な表現が可能です。投票が難しすぎます(笑)。




● デフォルメフィギュア部門

■ From TV animation ONE PIECE ワンピの実 anniversary ver.
フィギュアブランド：ワンピの実
企画開発：野添 よう子
原型師：株式会社one（エムアイシー）
サイズ：約20cm
価格：未定

カプセルトイの「ワンピの実」は株式会社エムアイシーが製作しているそうで、今回はエムアイシーの中でも最も「ワンピの実」の製作経験がある原型師の株式会社one（の原型師）さんがフィギュア原型を担当されています（ややこしい）。

通常シリーズと異なり、カプセルの中にフィギュア2体が収められ、ジオラマでシーンが再現されている特別仕様となっています。これに至るまでに20案ほどがボツになっており、監修の集英社と東映アニメーションから「ワンピの実らしさとはなんなのかを突き詰めてほしい」という要望を受けたとのこと。多分、大きいサイズのワンピの実とかもあったのでしょうね。

■ ワールドコレクタブルフィギュア -エッグヘッドver.-
フィギュアブランド：ワールドコレクタブルフィギュア
企画開発：三好 章弘
原型師：STUDIO-蓮 加藤 蓮
サイズ：約17cm
価格：未定

デフォルメフィギュアの定番シリーズ「WCF」でコミックス106巻の表紙絵を再現。パース表現のために、フィギュアそれぞれのスケールが大きく異なるというWCFでは珍しい仕様となっています。

原型師の蓮さんは、BFCのドラゴンボールフィギュア部門の造形天下一武道会に参戦したことがありますが、造形王頂上決戦は初参戦です。

デフォルメフィギュア部門はフィギュア造形の前にデフォルメデザインの良し悪しがあるため、順当に行けば最も人気の高いWCFが優勝することになりそうです。

■ ワンピース　にふぉるめーしょん　ふぃぎゅあ
フィギュアブランド：にふぉるめーしょん　ふぃぎゅあ
企画開発：片平 郁也
原型師：ミスターX
サイズ：約10cm
価格：未定

■ ワンピース　にふぉるめーしょん　ふぃぎゅあ
フィギュアブランド：にふぉるめーしょん　ふぃぎゅあ
企画開発：片平 郁也
原型師：SEiiCHi
サイズ：約10cm
価格：未定

キャンディ事業部から新フィギュアブランドが参戦。「にふぉるめーしょん」はウエハースシールとして発売されているデフォルメデザインで、今回、シールからキャラが飛び出してきたというコンセプトで立体化されています。

キャンディ事業部の食玩ワンピースシリーズはこれまでいくつかありましたが、いずれも現在までに継続されていないため、新ブランドの立ち上げが行われたのでしょうか。同ブランドから2つエントリーしているため、デフォルメデザインが受け入れられても票が割れてしまいますね。まぁ、ブランドの宣伝になれば御の字なのでしょう。

■ るかっぷ　ONE PIECE　ポートガス・D・エース
フィギュアブランド：るかっぷ
企画開発：すがっちP
原型師：枕 慈童（エムアイシー）
サイズ：約11cm
価格：未定

■ るかっぷ　ONE PIECE　ペローナ
フィギュアブランド：るかっぷ
企画開発：すがっちP
原型師：具志 ともえ（エムアイシー）
サイズ：約11cm
価格：未定

バンダイナムコグループの株式会社メガハウスよりデフォルメフィギュアブランド「るかっぷ」シリーズが参戦。メガハウスが参戦しているなら、P.O.Pが参戦していないことに違和感がありますが、おそらくデフォルメフィギュア部門の頭数が足りないのでしょうね。こちらも同ブランドから2つエントリーされています。


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