・世界の真実
前回、ベガパンクの発表1分前にパンクレコーズの中で「配信電伝虫」を発見した
マーズでしたが、それは「配信電伝虫」に偽装したただの「電伝虫」でした。映像では呑気にしているベガパンク達ですが、この映像配信が止められることがないように厳重な警戒をしていたようです。
結局、エッグヘッドに集結した五老星たちはベガパンクの配信を止めることができず、予定時刻となり、
ベガパンクは世界の「真実」を語り始めます。
ベガパンク:私は2つの罪を犯した
したがって捕まるか打ち首か……!!
この映像は私の「心肺停止」と共に発信されるようプログラムするつもりじゃ
ベガパンクが犯した2つの罪とは、空白の100年の研究とボニーにくま型パシフィスタの最高威権を与えた事でしょう。
ベガパンク:ただしーー!! これをしっかり理解して聞いて欲しい
私を裁く者達が誰であれ それが”悪”と説きたいわけではない
私は善悪を論じない
そうできる程…”彼”について…わかっていないのだ
ベガパンクを裁く者達とは世界政府ですが、ここでベガパンクが言う「彼」とは
イムのことだと推察されます。ベガパンクは研究により、イムの存在に辿り着いたものの、人物像までは分かり得ないわけです。
そして、世界の「真実」を隠そうとする行為自体を悪とは言わないものの、知る権利はあると続けます。
これより話す事はあまりに信じ難く失笑を買うかも知れない
じゃが……皆には知っておく権利がある
結論から話そうか……!!!
この世界は……海に沈む!!!
これが世界政府が隠そうとしている真実ならば、アラバスタ王家に代々受け継がれている
ネフェルタリ・D・リリィの手紙の文章「”歴史の本文(ポーネグリフ)”を守りなさい
××××ゆく世界に夜明けの旗をかかげ」について本編(
1085話)で隠されていた部分は、「
海に沈みゆく世界」となるのかもしれません。
ベガパンクが語る世界の「真実」の全容はまだ分かりませんが、注目なのは、この”世界が海に沈む”という衝撃の発表の前にエッグヘッドにいる五老星のやり取りがカットインされていることです。
マーズ:おい 融合炉(パワープラント)を壊すとどうなる
サターン:やめておけ この島を包囲する軍艦と海兵共が全て消し飛ぶ事はいいとして…
ウォーキュリー:もう誰にも”マザーフレイム”を作れなくなるぞ!!
「マザーフレイム」に関する海面上昇については、
1089話の考察が詳しいので、ここでは割愛しますが、よく分からないのは”世界が海に沈む”真実を隠している世界政府側のイムが
海面上昇を起こすとみられる「マザーフレイム」を所望していることです(
1086話)。
また、気になるのは、
海面上昇により世界が沈むという事象は”空白の100年”を研究しなくとも、自然科学の分野としてベガパンクの科学の力で予測できそうなものです。だからこそ、エッグヘッドのような高度な文明を持っていたとされる「
王国」(
1065話)は900年前にその事実に気づいたはずです。
オハラの考古学者達の推論では、「王国」が滅んだのは、
この王国の思想が、世界政府側に危険視されたということでした(395話)。
将来、世界が海に沈むのならば、人類が生き残る未来を考えなければなりません。
この対応策について、
「王国」と後に世界政府を創る”20人の王”の考えが敵対したのではないでしょうか。800年前、”最初の20人”の王達(ネフェルタリ・リリを除く)は一族を連れて、水没とは無縁の地であるマリージョアに移り住んでいることから(
1084話)、彼らは”世界が海に沈む”という予測は起こりうる未来だと信じた可能性は高いです。
そして、「王国」を滅ぼした”最初の20人”の王達は、”世界が海に沈む”という予測は無かったことにして、それが現実になっとしても、自分たちの子孫だけは助かる未来を選択したのではないでしょうか。
それでは、
「王国」が提案した対応策とはどのようなものだったのでしょう。例えば、子孫が天竜人となる”最初の20人”の王達が嫌うであろう対応策を考えると分かりやすいかもしれません。
海に沈んだワンピース世界で最も繁栄する種族は
魚人族で間違いないでしょう。人間族をはじめとした他の種族がその海の世界で生きていくには、おそらく魚人族の協力なしには困難でしょう。すなわち「王国」の提案とは、
魚人族との共生や融和だったのではないでしょうか。
もし「王国」の提案が受け入れられれば、「
タイヨウの下に王国を移す」という魚人島の先祖たちの夢(621話)が実現していたはずです。
しかし、魚人族を”魚”だと差別して嫌う”最初の20人”の王達はこの「王国」の提案を受け入れる事はできなかったと考えられます。そして、
ジョイボーイが「王国」の人間であれば、伝説の人魚宛てに歴史の本文(ポーネグリフ)に記した謝罪の内容(628話、649話)は、この提案を通すことができなかった事に関するものだと考えられます。
リリィの手紙の内容に戻ると、「
海に沈みゆく世界」(仮)に夜明けの旗を掲げるためには、ポーネグリフが重要だと解することができます。ジョイボーイの謝罪文は置いといて、ポーネグリフに記されているのは
古代兵器の在処と
”最後の島”(ラフテル)の所在地です。
これらは、かつて魚人族との共生を計画した「王国」の遺産なのかもしれません。
海に沈んだワンピース世界に残された陸は、
空島と
赤い土の大陸(レッドライン)ぐらいでしょう。ただし、これらは海抜が高すぎて、海と断絶されており、魚人族との共生は難しそうです。そもそも、マリージョア以外のレッドラインの土地は人が住むのに適しているかどうかも定かではありません。
そこで、
レッドラインを崩して埋め立て地を作るために古代兵器が必要になるのかもしれません。
レッドラインを崩す行為は、「
”麦わらのルフィ”によって魚人島は滅ぼされる」というシャーリーの占い(610話、645話)にも通じそうなものです(レッドラインを崩せば、レッドライン直下にある魚人島は土砂に埋まる)。しかし、800年の月日の経過で海面上昇が確実に進んでいたとして、物語の中で急激に海面上昇が進むようには思えません。
そこに出てきたのが「
マザーフレイム」です。
イムの目的は不明ですが、イムが「マザーフレイム」を連発すれば、一気に海面上昇が進み、世界が海に沈む未来が近づくことになるでしょう。作ったのはベガパンクなのですけども。