・クローバー博士
本話冒頭では、26年前のパンクハザードにて、
ベガパンクに会いに来た
クローバーの様子が描かれています。クローバーは「空白の100年」研究の協力をベガパンクに求めますが、ベガパンクは世界政府に雇われている立場のため、その依頼を断り、クローバーが政府に目をつけられて危険な状況にあることを警告します。
また、「この世界には放置するには深すぎる闇がある」と言うクローバーに対して、ベガパンクは「過去の善悪など測れやしない」と、配信で語ったように中立的な返答をしています。
この反論として、クローバーは本名が「
クラウ・D・クローバー」であること、
兄が”D”を名乗っただけで目の前で殺されたことを告白します。
クローバーの兄を殺したのは、おそらく政府の人間と考えられ、この経験を糧にクローバーは世界政府の闇を暴くという強い志で危ない橋を渡ってきたと考えられます。
しかし、”D”の名を持つ人間は海軍にもいるため、”D”を名乗っただけで殺されたというのは特殊なケースです。クローバーの兄もまた考古学者だったのでしょうか。政府からすれば、”D”と考古学者は混ぜたら危険ですからね。
クローバーの訪問から4年後(22年前)、ベガパンクはオハラの事件を知ります。クローバーに花を手向けるため、事件から数ヶ月後、焼け野原になったオハラを訪れ、湖に沈んでいた大量の文献を目の当たりにして涙するのでした(
1066話)。
ベガパンクは「一体どこの物好きが死を覚悟してまであんた達の研究を受け継ぐというのだ」と思いながらも、クローバーの想いを知っていたために、オハラの”空白の100年”研究を受け継いだわけです。
・ベガパンクが予言する未来
ベガパンクの配信は
前回で終わったものと思いきや、まだ続いていました。
ベガパンク:900年も昔の争いの話を一方向から聞くのも愚かである
歴史はより多角的にとらえる必要がある
もっと時間が欲しかった……!!
しかし!! もう!止める事のできない者達がいる
25年前ーー
海賊ゴール・D・ロジャーはついに前人未到の世界一周を達成した
そして彼らは聞いた筈
最も純粋な過去の声を
ーーつまりだ
ーー皆もう気づいているとは思うが…
私は未来をーーこう結論づける!!!
「これ以上話せば”憶測”になってしまう」(
1117話)のではなかったんかい!Σ
ベガパンクが配信で世界に伝えた話はオハラの文献とポーネグリフの一部を解読した歴史であり、それは900年前の敗者側から見た歴史です。
ラフテルに遺されている歴史もまた敗者側のものでしょう。勝者側の世界政府は歴史を抹消しているため、そもそも研究が困難なわけですが、ベガパンクは「歴史はより多角的にとらえる必要がある」と言います。
したがって、ベガパンクが言う「もう!止める事のできない者達」というのは、前後の文脈から
”ワンピース”を探し求める者達だと考えられます。
つまり、
海賊達が”ワンピース”を求めれば、900年前の敗者側が語る歴史の真実が明らかになるわけです。
そして、ベガパンクが語ろうとしている予言は、頂上戦争の際に
白ひげが予言した内容に近しいものだと考えられます。白ひげは
”ワンピース”が見つかれば、世界がひっくり返り、世界中を巻き込むような大きな戦いが起きることを予言していました(576話)。
その結果、古代兵器が使われ「
この世界は海に沈む」(
1113話)という先に述べていた結論に着地するはずです。
・アトラス
前回、エルバフの船に乗船していた
アトラスは、まだラボフェーズから降りてこないサニー号組の様子を見に行くと言い出します。
ラボフェーズのサニー号では、
リリスが計算上、”クー・ド・バースト”ではサニー号は海に届かず大破すると力説し、船の出発を止めていました。
そこにアトラスが現れ、リリスに殴りかかり、リリスを気絶させます。
アトラス:「リリス」を頼む!!! 飛べ!!! 障害はおれが排除する!!
アトラスの行動に一瞬困惑する麦わらの一味でしたが、何やら考えがあるアトラスの言葉を信じて船を出発させます。
この時、
ヨークは「リリスのアクセスが途切れた」ことを感知しており、アトラスがリリスを気絶させた後、リリスの頭に触れて「カチッ」とやっているのは、どうやら
リリスのパンクレコーズへのアクセスを切ったみたいです。これにより、ヨークはリリスが死亡したと勘違いしています。
アトラスはサニー号を襲撃する
ナス寿郎(馬骨)を身を挺して食い止め、その隙にサニー号は”クー・ド・バースト”で飛びます。しかし、リリスの計算通り、やはり海に届かない様子でしたが、そこでアトラスが自爆し、爆風による追い風でサニー号は無事に海に届く飛距離を得たのでした…。これは確かにサテライトの中でパワー系のアトラスにしか出来ない役割でした。
アトラスの自爆後、アトラスのアクセスが消えたことを感知したヨークは「これで世界にDr.ベガパンクはあたい一人だ」と発言しています。
エジソンの死亡描写はないので、ファビリオフェーズに落下したダメージで力尽きたのか、あるいはリリス同様にパンクレコーズへのアクセスを遮断しているだけなのかもしれません。
・エメト
サニー号を待つ
ルフィ達は海岸で五老星の襲撃を受けています。
前回、
マーズ(以津真天)は彼方へと突き飛ばすことに成功し、続いて、
ピーター(サンドワーム)と
ウォーキュリー(封豨)を迎え撃ちますが、ルフィがピーターを食い止めたものの、ウォーキュリーの進撃を許してしまい、あわやエルバフの船が破壊されてしまうというところで、海中から姿を現した鉄の巨人
エメトがウォーキュリーを殴り飛ばすのでした。
かつての
ジョイボーイの仲間と考えられるエメトは、ルフィが再びニカに変身したことで、ジョイボーイの気配を再び感じ取っており、ついにジョイボーイもといルフィのもとにやって来たわけです。
エメト(鉄の巨人):ジョイボーイ ウレシイナ…マタ会エテ…!!
ルフィ:………?……?
エメト(鉄の巨人):オマエダヨウ!!(※ツッコミ)
エメト(鉄の巨人):先ニ行ッテ オマエノ敵ハオレノ敵
ウレシイナァ……
マタオマエノ為ニ戦エル…!! ジョイボーイ
ルフィ:スゲーな!! 喋れるんだなー!! お前!!
エメト(鉄の巨人):ジョイボーイガ危険 俺ガ守ル…!!!
興味深いのはルフィを目の当たりにしてなお、エメトはルフィをジョイボーイだと認識していることです。つまり、
エメトのプログラム(?)としてはジョイボーイの認識がニカであることみたいです。
また、
エメトの声はルフィにしか聞こえていない様子で、この点はジョイボーイの仲間であった象主(ズニーシャ)と似ています。ロボットでそんな芸当が出来るのでしょうか。
襲い来るピーター(サンドワーム)に対して、エメトは左腕を構えて何やらロケットパンチ的な攻撃が出るのかと思いきや、これは不発で、ピーターに左腕を食いちぎられています。何故、メンテナンスも受けていない900年前の武器ですので。。
エメト(鉄の巨人):アリャリャリャ…オレ錆レテタ…
コレ「イザッテトキ」ダヨネ…ジョイボーイ……
使ウヨ?
えーーと、、、あなたも自爆ですか?
「イザッテトキ」というのは、かつてのジョイボーイの言葉「いいかエメト…いざって時だ…」(
1119話)です。仮にエメトが自爆すると、配信電伝虫も消し飛ぶため、ベガパンクが核心を語るところで配信が止まるのでしょうか。
しかし、前述の通り、ベガパンクは配信で概ね語り尽くしているため、もう今更止まったところでという感じではあります。とは言え、この状況で自爆以外に何が考えられるでしょう。
エメトはジョイボーイ(ニカ)を守るために作られたロボットなのであれば、いざって時にエネルギーを全部消費して、ニカをパワーアップさせるとか?