・堀越耕平少年に贈る扉絵
扉絵リクエストは「
22年前に愛知県の少年が描いてくれたスモーカーの絵をマネしてみて」という珍しいリクエストとなっていますが、リクエストした人の名前は記載されていないため、これは単なる”キャプション”と見られます。
そして”22年前に愛知県の少年が描いてくれたスモーカーの絵”とは何なのかというと、それは
コミックス23巻のウソップギャラリー海賊団に掲載されている絵で、投稿者は漫画家デビュー前の学生時代の堀越耕平先生です。このエピソードは
コミックス77巻のおまけページで語られています。
本話が掲載された週刊少年ジャンプ2024年36・37合併号は、実に10年と1週に渡り連載された
『僕のヒーローアカデミア』の最終話(430話)が掲載された号でしたので、このイラストは堀越先生への餞別となっています。
連載完結の際に『ONE PIECE』の扉絵でトリビュートがあったのは、『
NARUTO』と『
こち亀』(※『こち亀』連載40周年企画の一環)に続いて3作品目となります。堀越先生は尾田チルドレンですので。
『ヒロアカ』堀越耕平先生が描くゾロ
『ヒロアカ』堀越耕平先生にとってのヒーローは「尾田栄一郎」先生
尾田先生、ヒロアカ人気で娘に「パパの漫画大丈夫?」と心配される 【堀越耕平対談】
劇場版『ヒロアカ』入場者特典コミックス0巻、堀越耕平&尾田栄一郎 対談収録
尾田流 【ジャンプ流】(Vol.7 堀越耕平)
そして、巻末の目次コメントは「
もう「ポケモンGO」やり放題ってわけですか。堀越君連載10年お疲れ様でした!!〈栄一郎〉」となっています。あと1週早く完結していれば、10周年記念号でもっと華々しくラストを迎えることができたんですけどね。
正直、『ヒロアカ』は完結まで読み続けましたけど、オーバーホール戦が面白さのピークで、それを超えることは最後までなく、ずっと苦しかった印象があります。物語の重さ的にも。久しぶりに、おっ!て感じたスターアンドストライプもすぐ退場したからなぁ・・・。
・配信ベガパンクの本当に最後の言葉
前回、
ベガパンクは配信で未来の結論として”ワンピース”を手に入れた者に世界の運命は委ねられると宣言したことで、世界が響めいています。
本話では、配信電伝虫が体内にある
エメトが
ウォーキュリーの攻撃を受け、今度こそ配信が止まった様子ですが、最後の最後にベガパンクはまだ何か語っていた様子です。
ベガパンク:ーそれが真実
ジョイボーイは彼のーー
”ワンピース”について「ジョイボーイが望む者が手にするとは限らない」などという
前回の文脈から推察すると、この最後の文章は「ジョイボーイは彼の
意志を継ぐ者達を待っているのだ」というようなものになると考えられます。
…が、展開上、伏せる程の内容かというと微妙です。
そう考えると、別の内容、例えば「ジョイボーイは彼の
異名であり、本当の名前は◯◯・D・◯◯!」というようなものが相応しい気はします。
この後、ニカルフィにジョイボーイを重ねていた
エメトが
ルフィに名前を尋ねて(ルフィがジョイボーイではないことは認知していた模様)、
”D”だと知って嬉しそうにしている様子が見られ、
ジョイボーイにも”D”が付いている可能性が高くなりました。
・ジョイボーイ登場
前話を挟んで、
ピーターと
ウォーキュリーを食い止めていた
エメト(
1120話)の時間が止まっていたような時間軸(※1120話からベガパンクの配信は続いている)の歪みが生じているのは置いといて、エメトはこの時こそ
ジョイボーイに言われていた「
いざって時」(
1119話)だと判断して、秘密兵器を発動します。
胸のボタン(?)を引っ張ると、縄の”
結び目”が解けて発動した それは
特大の覇王色の覇気でした。
これを間近で浴びた
五老星たちは変身が解除されて人型に戻り、元よりエッグヘッドにいたサターンを除いてマリージョアに強制送還されています。不死身で太刀打ちできなかった五老星でしたが、やはり能力に優る覇気が最強ということでしょうか。
彼方へと飛ばされていた
マーズ(以津真天)(
1119話)は、一足先にマリージョアに戻っており、109巻SBSで弄られていたこともあってか(マリージョアの五老星の描写ではマーズだけ常に立っている)、ここぞとばかりに座っていましたw
エメトの回想で、この覇気の由来はかつて
ジョイボーイが自身の最大級の覇気をエメトの体内に
結んだものだと判明しています。
覇気を縄に結んで保存するという技術はこれまでに出てきていないので何かの能力の可能性もありますが、ジョイボーイはルフィと同じニカであること、ジョイボーイの死後にも効果が残っていることから能力は否定され、覇気の応用技術だと考えるのが今のところ妥当かもしれません。
何か実体のないものを色々と結びつけることができる特異体質という可能性も一応あり、エメトとズニーシャの魂をロボットと象に結びつけたというなら、それはそれで面白いですけども。
追記)ウェザリアの天候の科学に、風を縄に結んで保管する「風の結び目」という技術はあるので、そういう技術だと解釈して良さそうです。(追記終)
また、この回想では
ジョイボーイがシルエットで登場しています。
これを見るとは、
ジョイボーイは人間族で、おそらく麦わら帽子を被っていると見られます。
マリージョアに保管されている麦わら帽子(
906話)がジョイボーイのものであれば、体格はかなり大きいと考えられます。エメトとの対比では身長はよく分かりません。
また、エメトがジョイボーイに「スマナイ」(
1111話)と謝っていた理由も本話で明らかになっています。
それは
ジョイボーイを「王」にできなかったこと。
これが何の王なのかは明らかになっていません。
ジョイボーイは初めての海賊ですから、「王」になれば海賊王ですけど、だから何だって話です。ジョイボーイ側が敗れて世界政府が出来ていることを考えれば、
世界の王と見るのが妥当でしょうか。
仮にジョイボーイが世界の王となっていれば、今とは全く異なる世界となっていたはずです。端的に言えば人種差別がない世界。
ジョイボーイの仲間で大昔に罪を犯したという
ズニーシャの罪(821話)というのは、もしかするとエメトと同じで、ジョイボーイを「王」してやれなかったという自責なのかもしれません。
そして、いざって時の手段を発動したエメトは再び機能を停止しました。