・エルバフへ出航
前回、
エメトが「イザッテトキ」のジョイボーイが結んだ最大級の覇王色の覇気を解き放ち、エッグヘッド脱出の障害であった五老星と海軍を一掃。
ルフィたちは
ドリー&ブロギーらとともにエルバフへ出航しました。
ジョイボーイの覇気に対して
ドール中将と
ポンスキー中将は前回までは意識を保っていましたが、その後も継続した覇気には耐えきれなかったようで、本話では気を失っています。
それほど出力の高い覇王色の覇気だったわけですが、ルフィ側の者たちには一切ダメージを与えておらず、これについて
ドリーは「赤髪以上か」と言っており、覇王色の覇気の指向性は上級技術だと見られます。一方、
S-スネークは正気を保っていますが、ジョイボーイの覇気を素で耐えたのか、ルフィに味方するS-スネークに敵意が向けられなかったのかは定かではありません。
ジョイボーイはニカの覚醒能力者で覇王色の覇気も超一流というわけで、そんなチートありー?って感じですが、現状、主人公のルフィがジョイボーイに一番近しいわけですね。
また、本話では
1116話で
ヨークが感じた違和感の真相が回想で明かされています。
この違和感とは、ヨークが裏切り者だと判明した際、演技ができない
ステラの反応は本物だったのに、ステラはまるでエッグヘッド事件を予期していたかのような周到な準備をしていたという矛盾のことです。
このトリックとしては予想通り(
1116話考察)、
エッグヘッド事件2日前に直近の記憶を自身で消去していました。
事の発端はエッグヘッド事件2週間前、「融合炉(パワープラント)」の数値の異変から「マザーフレイム」が何者かに盗まれた痕跡が発見されます。犯人はベガパンクの誰かで、アリバイが成立するのは
ステラと
シャカ、
ピタゴラスの3人でした。
以後、秘密裏に犯人探しが始まり(ステラは終始、悪(リリス)を疑っているw)、様々な証拠から事件1週間前に
ヨークの裏切り行為が判明します。
”空白の100年”を研究していることが世界政府にバレていることを知った
ステラは覚悟を決め、逃げることはせず、研究成果を世界に発信することを決めるのでした。こうして事件2日前に例のビデオが撮影され、その後、この情報(ステラの死でビデオが配信される)が万が一にも悟られないためにステラとシャカ、ピタゴラスの3人は記憶を消去します。その代償として、マザーフレイムをヨークが盗んだことや、世界政府に命を狙われていることなど直近2週間の記憶も消えることになったわけです。
記憶消去から目覚めたステラには、記憶消去前のステラからの置き手紙があり、次のように書かれていました。
「世界政府に”空白の100年”の研究がバレたが考え得る最善の対策を打ってある」
「己を信じて死んでくれ」
「
それともう一つ……」
もう一つの忠告(?)については本話では明かされていません。
自らの字で書かれた手紙を見てステラは自身が死ぬことで何かが起こると予感したようで、ボニーを救出するためにファビリオフェーズに降下している際(
1093話から
1094話に相当)に、
サンジに「私が死ねば何か起きる気がするんじゃ!!」と伝え、「見殺しになんかできるか!!」と言うサンジに、「
”ワンピース”じゃが お前達が…手に入れて欲しい!!!」と付け加えています。
くまの想いもある上にオハラの生き残りであるロビンもいるため、ベガパンクが麦わらの一味にワンピースを手に入れて欲しいと思うのは理解できるところです。
ところで、回想では死を覚悟したステラにシャカは「
何をもって「死」とするか」問いています。
ステラの死後もサテライトはそれぞれに行動しており、パンクレコーズにはベガパンクの巨大な脳が保管されたままですから、能力は失われておらず、能力者が死亡した扱いにはなっていません。ステラの死は心停止であり、脳死ではないわけです。
リリスは麦わらの一味と一緒にエッグヘッドを脱出していますから、既に意義は生まれています。
また、エッグヘッドが危険な状況に置かれると予期される中で、
ビデオメッセージを世界に配信する設備に並んで、「失ってはいかんもの」としてステラは「パンクレコーズ」や「融合炉」ではなく島雲製造装置「
雲フト」を挙げています。
ベガパンクの仮説では、巨大な戦争が再び勃発すると世界に海に沈むため、
島雲は将来、人類を救うことになるかもしれないと考えているわけです。大陸が沈んだ海には魚人族が住み、海で生活できない種族は空島もしくはレッドラインの頂上で生活する。物語のラストの景色は、本当にそういう感じになるかもしれませんね。