・復活のベガパンク
エルバフにて、
サウロと面識がある
ベガパンクは、
リリスの姿でサウロと20年ぶりに再会します。
ベガパンクは22年前、オハラの事件後にオハラを尋ねた際、オハラの文献を回収していたサウロ達と遭遇しています。そして、ベガパンクはエルバフに行き、オハラの文献を全て読み、脳にインプットしたという話でした(
1066話)。
しかし、ベガパンクには速読のスキルはないようで、文献を全て読み込むには何ヶ月も要したようです。何ヶ月も研究所を留守にしていれば、政府に怪しまれるため、実際にエルバフを訪れたのは”
複製人間(クローン)”の
ベガパンクだったそうです。
当時、”猫(サテライト)”はまだ生まれていません。クローン技術はベガパンクが政府に雇われる前のMADS時代に完成しており、ベガパンクは自身のクローンも作製していたわけです。
自身のクローンについてベガパンクは、”サテライト”とは仕様が違う「
完全再現型」だと説明しています。これはクローンゆえに姿形がステラと同一であることはもちろん、
おそらく人格もステラを完全再現していると思われます。
このクローンのベガパンクはエッグヘッド事件に備えて(?)、培養液に入れて保管されており、脱出する際にサニー号に荷積みされていたようです。おそらく、SFのコールドスリープのような状態で、活動休止状態となっていると見られます。
22年前の段階でベガパンクの頭は悪魔の実の能力により自身の身長の何倍にも肥大化していましたが、クローンのベガパンクが保管されている装置のサイズを見る限り、脳の肥大化までは再現されていない模様です。
培養液に保管されているクローンのベガパンクを安全に取り出すための装置はエルバフにないため、ベガパンクはエルバフに新しい研究所を作るつもりだと言います。
ベガパンクは倫理観がぶっ飛んでいる程度が突き抜けていて逆に面白いです。
なお、新しい研究所ができた暁には
バーソロミュー・くまの修理も行われるそうです。
・新時代のエルバフ
前回、
サウロと22年ぶりの再会を果たした
ロビンと、それを見守った
ルフィ達。
本話ではサウロが主宰する「
フクロウの図書館」と「
セイウチの学校」が案内されており、図書館の司書でサウロの助手
アンジュと、学校の生物の教師
リプリーが登場しています。
アンジュ(左)とリプリー(右)
「フクロウの図書館」はオハラで回収された文献が全て保管されており、中に入ると”不思議”と本だけ巨人族サイズに巨大化するという『ドラえもん』の秘密道具の「ガリバートンネル」のような不思議な図書館です。不思議です(ぇ
「セイウチの学校」はウォーランドの国王
ハラルドの依頼でサウロが20年前に開校した学校だそうです。
アンジュとリプリーの話では、名君ハラルド王は「
戦いより他国との交易を」重んじ、国を改革しようとして、エルバフの伝統を重んじる村々の長老達と衝突したそうです。しかし、夢半ばで実の息子
ロキに殺害され(
1130話)、国はロキの即位を許さなかったため、今、エルバフに王は不在となっているそうです。
言わば「セイウチの学校」の生徒たちはハラルドが蒔いた改革の種でありますが、エルバフの戦士に憧れてエルバフにやって来たルフィとウソップにとって、彼らは軟弱に見えて衝撃を受けています。
リプリーは自分たちが「
最後の戦士世代」だと言っており、幼少教育によりエルバフの子供達の価値観はがらりと変わってしまったようです。
エルバフが弱体化したとも言えます。
このハラルドの思想はロキの思想(
1130話)とは正反対であり、ロキがハラルドを殺害する動機にもなり得るわけですが、元々、村々の長老達と衝突したわけですから、生前、ハラルドの敵は多かったと考えられます。
つまり、
ハラルドの改革に反対する保守派にはハラルドを殺害する動機があったわけです。
しかし、ハラルドの改革を担う主要人物のサウロは暗殺されていないため、捕えられているロキ以外に、この動機によるハラルド暗殺の真犯人がいるとは考えにくいです。
とは言え、登場時から言及していますが(
1130話考察、
1131話考察)、
ロキが純粋悪だとは思えない観点は拭いきれません。本話でもその点がロキとの通話相手(謎の人物)から指摘されており、なんだったら仲間になる可能性も高いと思っています。
この観点に立って、
ロキがハラルド殺害の真犯人だとすれば、逆説的にハラルドは悪となり、エルバフの戦士達から「名君」や「偉大な国王」と呼ばれていることは尚更に臭いです。
エルバフの武力を脅威と感じている国や組織にとって、エルバフの武力が低下することは都合の良いことです。相手国に武力を下げてくださいと言われて、自国の武力を下げる愚かな国はないわけでして、
誰かがハラルドに改革を誘導して結果的にエルバフの武力を低下させたのであれば、これは非常に高度な戦略と言えます。
ここで詳しく言及しませんが、これは現実の世界でも行われているような戦略であり、その通りであれば、非常に深い裏テーマがエルバフ編に隠されていることになります。
ただし、ハラルドがサウロを匿っていたという状況証拠はある一方、ハラルド腹黒説を裏付ける証拠は乏しいです。メタ考察ですからね。
・モサ公
エルバフの「冥界」にいる
ロキは誰かと通話しています。
ロキは
見た事も会った事もないという通話相手のことを「
モサ公」と呼んでいます(『モジャ公』みたいな)。
電伝虫は通話相手の姿に多少変身するため、毛だらけの電伝虫を見てロキは通話相手に「モサ公」とあだ名をつけたと考えられます。しかし、使用している電伝虫は「
雪電伝虫」という防寒音声認識型というタイプで、防寒というぐらいですから、寒冷地に生息する電伝虫なのか、元々毛だらけでもおかしくないです。その場合、なんで「モサ公」と呼んでいるのか分からなくなります。
「モサ公」はロキに間違い電話でもしたのか、ともかく以降、頻繁にロキに通話して身の上話などを話す間柄になったようです。非常に怪しい人物ですが、
口調は丁寧で、
性格は温厚に見受けられます。
ロキは捕えられていて暇なため、「モサ公」との通話を良い暇つぶしとして受け入れており、「モサ公」のことを友達とまで認識しているようです。
「モサ公」は過去に略奪やら何かしらの「
恐怖体験」を経験しており、ロキは「おれがその現場にいたら お前に代わってそこら一帯を廃墟にし!! 皆殺しにしてた!!!」と言って、「モサ公」に共感を示しています。
これに対して「モサ公」は「
そういう乱暴な言葉の裏にあなたの優しさがあると最近気づきました」と言うと、ロキをそれを嫌って「虫唾が走るぜ 極めて心外だ!!!」と「モサ公」に怒りを示すのでした。
ロキのこの言動は、「悪口」「暴力」「略奪」「戦争」をエルバフから無くそうとしたハラルドの改革に反発するもので、自身が「悪口」「暴力」「略奪」「戦争」の権化でありたいという願望があるのだと推察されます。
「モサ公」がここで登場する意義を考えると、「モサ公」が経験した
「恐怖体験」の主犯は誰なのかというのが重要な点です。主犯が明らかになることによって、ロキの行動が左右されるのではないかと思うわけです。
・襲来
エルバフの「西の村」の城(砦?)に黒い稲妻が落ちました。
稲妻が落ちたところには
五老星がエッグヘッドにワープした時のような魔法陣が出現し、その中に
黒装束の2人の人物が現れています。
一人はシャンクスと同じ
赤髪を持つ
シャンクスと酷似した人物で、もう一人は女のようです。
赤髪の人物は
1121話にシルエットで登場していた人物だと考えられ、
神の騎士団の襲来と見てよさそうです。
1121話
1121話の考察では、この人物を
神の騎士団のエースで、シャンクスと生き別れたガーリングの双子の息子の片割れだと予想しています。
黒装束の衣装は、
五老星に謁見した時と同一なので(
907話)、あれはシャンクスではなく、このもう一人の
赤髪だったと考えて間違いなさそうです。もう一人の
赤髪が持ちかける「
ある海賊」(
907話)の話なんて、
シャンクス以外にないやないかいって、なりますね。
シャンクスの顔に傷がある左側ではなく、今回も右側の顔が描かれているのは注目すべき点で、もう一人の
赤髪の顔には当然、ティーチにつけられた傷はないのでしょうね。
ともかく、エルバフで落ち着く間もなく再び強敵と接触することになりそうです。
両腕があるという点では、今のシャンクスより剣技は強いかもしれません。