・シャムロックの剣
神の騎士団団長
フィガーランド・シャムロックは、
シャンクスの双子の兄であることが判明しています。
シャムロックの話では、
シャンクスはマリージョアに一度戻ったことがあるそうです。
その時期は不明ですが、おそらくシャンクスが海賊として名を上げた以降だと考えられます。物心がつく前にロジャー海賊団に拾われ、海賊として育ったシャンクスに、今更、天竜人として暮らす選択肢はないでしょう。
また、本話では
シャムロックの剣が能力者であることが判明しています。
つまり、悪魔の実を食べた剣であり、”
ケルベロス”に変身しています。
イヌイヌの実・幻獣種モデル「ケルベロス」といったところでしょうか。
魔犬であり魔剣ということですね。
・神典
本話ではエルバフに伝わる「
神典(ハーレイ)」が公開されています。
「第一世界」
地に炎あり
人は欲望に負け
禁断の太陽に触れた
隷人は願い
”太陽の神”は現れた
地の神は怒り
業炎の蛇と共に
世界を死と闇で包んだ
彼らはもう会えないのだ
「第二世界」
虚無に息吹あり
森の神は魔を遣わせた
太陽は戦火を
広げるばかりだ
半月の人は夢を見た
月の人は夢を見た
人は太陽を殺し神となり
海の神は荒ぶった
彼らはもう会えないのだ
「第三世界」
混沌に空白あり
不都合な残影は
約束の日を思い出し
片われ月の声を聞く
”太陽の神”は踊り、笑い
世界を終末へと導く
太陽は回帰し
新しい朝が来る
彼らはきっと会えるだろう
この原文からははっきりしたことは分からず、「ハーレイ」の解釈は多岐にわたることが納得できます。
3章からなる「ハーレイ」の物語は、
「第三世界」が現在の世界であり、
世界はすでに2度壊れており、その都度”太陽の神ニカ”の登場している(
1136話)というのが共通解釈となっているようです。「第二世界」の原文には「太陽の神」は登場していませんが。
「ハーレイ」の構成は、「第一世界」と「第二世界」の最後は「
彼らはもう会えないのだ」と断定で終わっているところを、「第三世界」の最後は「
彼らはきっと会えるだろう」と推量で終わっており、
「第三世界」の物語は未来を含んでいることが窺えます。
「
太陽は回帰し新しい朝が来る」というのも、かねてより本編(ゾウ編、ワノ国編、エッグヘッド編)に出てきている言葉「
夜明け」に相当するもので、これも未来の話です。
「
”太陽の神”は踊り、笑い 世界を終末へと導く」の「太陽の神」がジョイボーイなのかルフィなのか解釈が分かれそうなところですが、「
混沌に空白あり」と「
不都合な残影」からは「
空白の100年」と「
Dの一族の末裔」が連想され、「空白の100年」以後の現在が舞台だとすれば、
「第三世界」の「太陽の神」はルフィに当たると予想されます。
ルフィが「第三世界」を終わらせて、新しい「第四世界」を迎えるわけですね。
「
約束の日」という言葉は、魚人島編(636話)に出てきており、
方舟ノアに関して魚人島民とジョイボーイの間で約束がされています(649話)。魚人島民は「いずれ必ずジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者が現れる」(649話)と信じており、それがルフィであると以前から予想されていました。
そして「
片われ月」については、空島編292話の話タイトルに「あふことは片われ月の雲隠れ」という柿本人麿の和歌が引用されています。この話タイトルが意味する「片われ月」とは、おそらく、
地上と空に半分に分かれてしまったジャヤのことを指しています。
また、
「ハーレイ」の主旨は「彼ら」が「会えるのか」「会えないのか」というもので、ここで言う
「片われ月」は、分かれてしまった「彼ら」の一方だと考えられます。
「
声を聞く」という表現も本編で何度か出ており、これは単純な聴力ではなく、
通常聞こえない海王類や万物の”声”を聞く力を指していると思われます。つまり「
片われ月の声を聞く」とは、片われ月の声を直接聞くわけではなく、
片われ月の痕跡から声を聞くことだと考えられます。
この痕跡こそがラフテルにある”
ワンピース”なのかもしれません。
「第三世界」の物語に以上の解釈を補足すると、次のようになります。
混沌に空白あり
(失われた記憶がある)
不都合な残影は約束の日を思い出し
(Dの一族の末裔は約束の日を思い出し)
片われ月の声を聞く
(分かれてしまった彼らの声を聞く)
”太陽の神”は踊り、笑い 世界を終末へと導く
太陽は回帰し新しい朝が来る
(世界の夜明け)
彼らはきっと会えるだろう
(分かれたものが1つになってONE PIECE)
「ハーレイ」の原文から「第一世界」と「第二世界」の解釈は困難です。
ポイントなのは「
太陽の神」とは別に「
太陽」が登場していることです。
「第一世界」では人が「
禁断の太陽」に触れたことがきっかけとなって、世界が滅んでおり(「
世界を死と闇で包んだ」)、「第二世界」では「
太陽は戦火を広げるばかりだ」と続いています。
したがって、「第一世界」は「太陽」によって大きな戦争が起きて滅んだと考えられ、「第二世界」は「
虚無に息吹あり」とあるように「第一世界」が滅んだ後のデストピアから始まっていると考えられます。
そして「第二世界」で「
太陽」は人に殺されています。
「第三世界」では、その「
太陽」が回帰するわけでして、何だかよく分かりません。
「
禁断の太陽」から「
マザーフレイム」が連想されますが、「ハーレイ」に登場する「太陽」の一貫性がないように思えます。
また、「第二世界」に登場する「
半月の人」が謎です。「
月の人」でも「
人」でもない。
言葉の意味としては「片われ月」は「半月」を意味するので、この「半月の人」が「片われ月」と同一なのかもしれません。
「
人は太陽を殺し神となり 海の神は荒ぶった」を世界政府の設立と海面上昇と解釈すると、「第二世界」の後半は”空白の100年”に相当すると考えることもできます。そうすると「第二世界」に”太陽の神”としてジョイボーイが登場していることになり辻褄は合います。
一方、本話では
フランキーが
リプリーの案内で宝樹アダムを探索しており、
”空白の100年”に描かれたと推定される壁画が登場しています。
この壁画はおそらく「ハーレイ」の物語を絵にしたものと考えられ、中央の宝樹アダム(世界樹)で分けられた右側が「第一世界」と「第二世界」、左側が「第三世界」を表している模様です。
右側の絵には工場で働かされている「
隷人」らしき姿や「
業炎の蛇」、「
月の人」が描かれています。さらに、
月の人の乗り物らしき船や、
魚人島のノアも描かれています。
ノアは数百年前の魚人島の先祖たちの
夢を実現するために魚人島民総出で建造されたものですが(621話、632話)、ノアの横に「
月の人」が描かれているのは気になるところです。
「第二世界」では「
半月の人は夢を見た 月の人は夢を見た」と並列されており、もしかすると「
半月の人」とは魚人族のことを指しているのかもしれません。「第三世界」の記述にノアと関連する「約束の日」が出てきているので、ノアが描かれていること自体はおかしくないわけですが。
左側の絵は白ひげが予言した「
大きな戦い」(576話)を表しているようです。もしくは、”空白の100年”に描かれた絵ですので、”空白の100年”の大きな戦いそのものを表していると考えられます。
右側の勢力には、人間族と
ニカ、
ワノ国の侍、
ミンク族、
巨人族、
古代巨人族、
トンタッタ族、
ルナーリア族、
人魚族、
エメト、
アイランドクジラらしき姿があります。やはり、ラブーンと同種のアイランドクジラ達は最終章に関連してくるようです(
【原作ネタ】 アイランドクジラ(ラブーン)の頭部が丈夫で硬い理由は?)。
左側の勢力には、いかにも”魔”という感じの
翼と角を持った怪物が描かれており、人間族を従えています。これが
イムに当たるのでしょうか。
注目するのは、この怪物が手に持っている「
太陽」のような物体です。
これが「ハーレイ」に記されている「太陽」なのであれば、この戦いの勝利により「太陽」が回帰することになり、現時点では、この怪物が「太陽」を牛耳っていると見られます。
一方、「第二世界」では「太陽」は殺されたとあり、これは言葉の綾で、実際の意味は異なるのかもしれません。イムが太陽をどうこうして、神になった、と?
・・・太陽って何だ?
まだ、気づきはありそうですが、纏まりそうにないので一旦これで提出します・。・