・ゲーム
エルバフを世界政府の指揮下に入れることを目的とする
神の騎士団は、
エルバフの戦士の子供達を誘拐してマリージョアに連れ帰り、これを人質にエルバフを制圧しようとしています(
1138話)。
しかし、
子供達をマリージョアに連れ帰るには船で運び出すしかなく、しかも、エルバフの子供は巨大なので連れ出すのは大変です。そこで、
シャムロックは団員達に「
お前達の能力なら……「ゲーム」にしろ…!!」と指示していました(
1140話)。
前回、彼らの作戦が実行されており、子供達がいるセイウチの学校周辺に異変が起きています。
本話では
キリンガムと
ソマーズの能力が判明し、”ゲーム”の全容が明らかになっています。
能力と”ゲーム”の関連性については概ね予想通りでした(
1142話考察)。
まず、
キリンガムの能力は、見た目通り
”リュウリュウの実”の幻獣種モデル・麒麟(きりん)で、幻獣種特有の特殊能力が、
相手を眠らさせて”夢”の中にあるものを実体化するというものでした。
「夢具現人間」と表現されていますが、実用的には、
眠らせる前に対象者が頭の中に思い浮かんだものを実体化することができるようです。これによって”夢”のダンラム性に左右されず、能動的に実体化することができるようです。
ただし、実体化したものは
”夢”として実体化しているので、例えば、
食べ物を実体化すると美味しい感覚や満腹感は得られるものの、それは幻であり、食べてもエネルギーは”0”のようです。
当日、国語教師の
アンジュが「わたしのこわいもの」を発表する授業を行なっていたため、眠らさせたエルバフの子供達の頭の中には「怖い生物」がおり(
1142話)、キリンガムはこれらを実体化させたようです。
”夢”から実体化させた生物は「
MMA(ムーマ)」と呼ぶようです。
Unidentified Mysterious Animal(未確認動物)を「UMA(ウーマ)」と呼ぶように、おそらく「MMA(ムーマ)」は
Materialized Mysterious Animalの略だと思われます。意味は”具現化された不思議な動物”です。
”夢”を実体化した食べ物と違い、「MMA(ムーマ)」による攻撃は実害を及ぼすので厄介です。
ソマーズの能力は
”イバイバの実”の荊(いばら)人間で、荊を自在に出現させる能力のようです。
眠って歩く子供達には、ソマーズにより見えない荊が付与されており、子供達を止めようとすると見えない棘で怪我を負うことになります。体育教師の
ウォルフはこれによって大怪我を負ったようです(
1142話)。
応用性は低くそうで、かなり地味な能力ですが、ソマーズはこの荊が破られない自信があるようです。自衛・護衛には打って付けの能力で、イムや五老星に荊を付与されると厄介でしょうね。
前回、セイウチの学校周辺に起きた異変について整理すると、
1)まず、キリンガムがイルヴァ達を眠らせて「MMA(ムーマ)」を出現させる
2)ソマーズが眠らせた子供達に”荊”を付与させる
3)続いて軍子が”矢印”で子供達を西の村にある港に誘導
4)キリンガムが残っている子供達も眠らせて「MMA(ムーマ)」をさらに出現させる
という具合です。
「
ゲーム」性は子供達が港にある船に辿り着くまでに、エルバフ側が子供達を救出できるかどうかという点にあります。子供達が船に辿り着けば神の騎士団の勝ち、子供達が船に辿り着くことができない場合は、人質を手に入れることに失敗したことになり、神の騎士団の負けとなるわけです。
子供達が船に辿り着けないのは、救出された場合も道中で子供達が死んだ場合も同じです。
港へ向かう道中(樹道8号線)は
前回、
ロキが落とした雷により火事になっており、このままだと子供達は焼け死んでしまいます。
この場合、次の子供達をまた船に向かわせるつもりのようです。なんて外道!
ちなみに本話では、エルバフ内でのみ使用可能な電伝虫の亜種「
電語虫(でんごむし)」が登場しています。巨人族向けにサイズが大きく、映像電伝虫ぐらいの大きさです。
・ハラルド殺害の真相
前回、片足以外の錠を解錠された
ロキは”
鉄雷(ラグニル)”を振りかざし、最後の錠を解錠するようにルフィ達に迫ります。
しかし、これは虚勢で神の騎士団に酷くやられたロキは本当に死にかけで、
ルフィが軽く小突いただけで倒れてしまいました。
ルフィはロキを見殺しにはしたくないので一旦助けてやりたいと
ハイルディンに懇願し、船医の
ゲルズがしぶしぶ応急処置を行なったようです。
このまま冥界で簡易的な治療を続けても完治には数ヶ月かかるとのことです。
本気で治療するならば村に連れ帰る必要がありますが、エルバフから恨まれているロキは殺されるだろうとハイルディンは言います。
それはロキと腹違いの兄弟であるハイルディンも同じ気持ちで、
母を侮辱し、父ハラルドを殺したロキに対して、並々ならぬ思いがあるようです。
このハイルディンに対してロキは次のように言っています。
ロキ:身近なドラマに酔ってるヒマがあんならよ
”森”を見ろ……!!
まさか お前までおれが本当に殺意をもって親父を殺したなんて…
思ってねェよな
「”森”を見ろ」と言うのは、冥界の森を見ろというわけではなく、「木を見て森を見ず」という諺から、母を侮辱されたという子供の頃の些細な私怨にとらわれず、”全体”の物事を見てみろという意味だと思われます。
ハイルディンの母親はよそ者の巨人族であるために、エルバフにおいて母子ともにハイルディンは虐げられており(
1137話)、それに便乗して子供のロキがつけ上がるというのはありがちな話です。
ともかくこの発言から、
ロキが国王ハラルドを殺したのは事実であるものの、殺意はなく、何らかの真相があることが窺えます。
つまり、エルバフの王家に伝わる”
伝説の悪魔の実”を食べるため、ロキがハラルドを殺害したというのは(
1130話)、真実とは異なるようです。
14年前に事件が起きたアウルスト城には凄まじい戦闘の形跡があり、
王と100人を超える戦士達がロキに殺されたという話なのですが(
1137話)、100人を超える戦士達を皆殺しにしたというのも事実かどうか定かではありません。
殺意はないので、”正当防衛”なのか、あるいは”仕方なく殺さないといけない状況”になったのか、自分の意思に反して(誰かに操られて)殺すことになったのか。
また、本話で
子供の頃のロキが描かれていますが、興味深いことに、この時点で
眼帯をしています。今も昔も、特に視覚に問題ない様子ですが、何のために眼帯をしているのでしょう?
とりあえず、子供の頃から眼帯を付けているので、”伝説の悪魔の実”の能力に関連するわけではないようです。実は先天的に視力がなく、見聞色で見ているとかだったりします?
