・キリンガム

1150話

1150話
前回、軍子の身体を借りてエルバフに降臨した
イムは、文字通り
”悪魔”的な能力で巨兵海賊団の
ドリーと
ブロギーらを悪魔化して支配下に置いています。
イムは二人にエルバフの長老である
ヤルルを殺害させ、王不在のエルバフにおいて二人を王にして、世界政府の交渉相手に仕立てようとしているようです。エルバフの子供達を完全に人質にした上で、エルバフを世界政府の支配下に置くための交渉ということですね。
一方、イムの降臨により本気を出した
キリンガムは、倒されていた「MMA(ムーマ)」達を再起させており、さらに新たにMMAは生まれ続けておりMMAの行進が強化されています。
また、本話ではキリンガムはリュウリュウの実 モデル麒麟(きりん)の人獣型の姿になっており、元の人間の顔が明らかになっています。
魚人族のようなギザギザの歯を持っているのですが、天竜人のキリンガムがまさかねぇ・・・・。
・エルバフの心
ギャバンが倒れ、イムの加勢によりエルバフはほぼ蹂躙状態となり、ソマーズとキリンガムはイムに尋ねます。
ソマーズ:御大 どこまでやります?
キリンガム:戦場(プレイボード)はもうこっちの色
ソマーズ:てめェらの「悪夢」を「悪意」で放っときゃ自滅しかねません
イム:折れるまでやる…
ソマーズ:折れるってのァ 何が?
イム:エルバフの”心”が…
あの時…ハラルドがしくじらなければ とうに支配できていた国…
「ハラルドがしくじった」という旨の発言はソマーズもしており(
1146話)、ハラルドに世界政府の息がかかっていたのは確定的で、世界政府の意図はエルバフを支配下に置くことであるのは当時から変わっていないようです。
そして文脈からは、
前回は「エルバフの心」が残っていたためにハラルドがしくじったと読み取れます。
「エルバフの心」と言われてすぐに思い浮かぶのは、ウソップが憧れた
戦士としての誇りや精神です。ハラルドの改革は”それ”を改革するものでした。
ソマーズは「
平和ボケもたいがいにしろよ…お前らは戦士だ!!」(
1146話)とも発言しており、ハラルドの改革を批判しているようにも見えましたが、今回、ハラルドがしくじったのは「
あの時」とされており、ハラルドの改革自体が失態だったわけではないようです。
では、「あの時」とはいつか?というと、おそらくハラルドがロキに殺害されたとされる
14年前のアウルスト城の事件に遡ることになるのでしょう。
ロキによるハラルド殺害には何か真相があり、
殺意をもって父であるハラルドを殺したわけではないとロキが発言しています(
1143話)。
本話の
ハイルディンと
ロキの会話からも、ロキがハラルドを父親として尊敬している様子は窺えるため、ハラルドが完全な悪だとは考えにくいです。そうなると、ドリーとブロギーのように、ハラルドがイムによって操られていた可能性はありそうです。
暴走(悪魔化?)したハラルドと衛兵達をロキが止めたということなのでしょうか。
・冥界
「数十分前」に時間は戻って、
前回、
チョッパーは、軍子に倒されてアダムの枝から落ちた
ギャバンを追って飛んでおり、冥界の地面に落下するところで”毛皮強化”を発動してギャバンを助けていました。
チョッパーが冥界に落下したことは、
ルフィがただ一人、察知しています。さらに、一緒に落ちたギャバンについては誰かは分からないものの「弱っている」ことを察知しています。
見聞色の覇気に優れたサンジもその場にいますが、チョッパーだとは感知しておらず、
ルフィ自身も何でチョッパーだと分かったのか困惑しています。
海王類の声を聞くことができたり(647話)、ワノ国編の終盤では、
ルフィが突如としてテレパシーを使っていたわけですが(
1015話)、今回のこれも、ルフィの特異体質の類なのでしょうか。
ルフィ達がチョッパーの捜索に向かった後、”
モサ公”から再び通信が入ります。
ロキにとって、モサ公は見た事も会った事もない冥界での通話相手です(
1134話)。
モサ公は
先の通話で言えなかったとして、立て込んでいて当分、電伝虫をかける事ができなくなりそうだと言います。そして、モサ公は一方的に今までの感謝の気持ちをロキに伝えて、通話を切ってしまいます。
モサ公の前の通話は、神の騎士団がエルバフに来る直前で、その時点でモサ公は立て込んでいたようですから、モサ公が実はエルバフの住人なんてことはなさそうです。
となると、モサ公の伏線が回収されるのはロキがエルバフを出た後ということになるでしょうか。
つまり、ロキが仲間になって?
ルフィ達がチョッパーと負傷したギャバンを連れて帰って来た折、陽界に降臨したイムのただならぬ覇気が冥界にもバリバリに伝わり、エルバフの窮地をようやく察することになります。ルフィ達はリフトに乗って直ちに陽界に向かうようですが、ロキはどうするつもりなのでしょう。
ロキ:誰だ!!? このデタラメな覇気!! ドガハハ 必要だよなァ!!! おれの力!!!