・ロキの呪い
前回から引き続き
ハラルド、そして
ロキの物語です。
ロキが生まれた
63年前は、エルバフの現最長老ヤルルの相棒だったヨルルがリンリンにより殺害された年であり(867話)、稀に見る自然災害続きで飢饉が起きた年でした。
ロキの母親
エストリッダはほら見たことかと、エルバフに降りかかる災いが”
ロキの呪い”のせいだと吹聴し、”ロキの呪い”はまことしやかな噂としてエルバフに広がっていったようです。
結局、この飢饉は遠征中の
ハラルドが交流のある国々に相談して食糧の援助を受けたことで切り抜けることができました。エストリッダは本当に”ロキの呪い”を受けたのか、ハラルド帰還の前日に病で亡くなったようです。
ハラルドはロキがエストリッダにネグレクトされていた事実には気づかず、エストリッダの死後、ロキの世話は最悪な事に
エストリッダの兄(役職は摂政)に任せられていました。彼はロキに嫌がらせや虐待を長年していたようですが、ついには成長したロキにより冥界に落とされ亡くなったようです。
一方、
イーダはエルバフの海岸に酒場(
イーダの酒場)を開きます。
この酒場はシャンクスが少し前に滞在していた酒場と同一の酒場(1132話)だと考えられ、遭難者も海賊も受け入れるという方針はイーダが始めたものだったわけです。イーダは「ハラルドの力になれたらいいな」と言っており、酒場での外海の人との交流がハラルドの外交の手助けになると考えたのかもしれません。
ハラルドはというと、海外遠征とエルバフの再興に尽力し、エルバフの村々の流通と交流を促すために「樹道」の整備に着手します。
56年前には、ハラルドは友人の王に頼み込んで兵士として「
世界会議(レヴェリー)」に潜入し、
世界政府に何か直談判したようですが、願いは聞き入れてもらえなかったようです。
前回の話では、エルバフが他国と正式な
国交を結ぼうとすると「世界政府」に阻まれることがしばしば起きていたようですから、ハラルドの願いはそれに関することだと考えられます。
エルバフが「世界政府」の加盟国ではないことが問題の一つですが、世界政府がエルバフの加盟を認めようとしていないのか、どうかは定かではありませんエルバフとしては「世界政府」に加盟して保護を受けなくとも安全で問題ないわけですから、天上金を払うメリットはないようにも思えます。
いずれにせよ、これ以降、
ハラルドが「世界政府」に願いを聞き入れてもらうために何か条件を突きつけられたという可能性はあるでしょう。
48年前には、8本の「樹道」が整備され、村々の交流は盛んになり、エルバフのまとまりは強くなります。ハラルドへのエルバフの民の支持は厚く、まさしく偉大な王です。
とは言え、海外遠征で国を空けることが多く、ハラルド不在時にはロキが冥界の動物達を連れて村々で暴れたようで、この辺りのロキの評判(
1136話)は概ね合っていると言えます。
誤っているのは、ロキが呪われているということ、ハラルド王は「息子によって殺される」と予言したというのはエストリッダの狂言であることです。そして、ロキが生まれながらにして母親にネグレクトされて、人の愛に心底飢えていたことはエルバフの民は知るよしもないのでした。
・ロックス
48年前、ハラルド不在のエルバフに
ロックス・D・ジーベックが現れています。
ロックスは本話で初めて容姿が明らかになり、
ティーチの父であることも判明しました。
48年前の段階では「後のロックス海賊団船長」となっており、まだロックス海賊団は結成されていないようですが、この時、既に
ニューゲート、
シキ、
ステューシー(オリジナル)の3人を連れています。
ロックス海賊団は元々、海賊島ハチノスにて一つの儲け話の為にかき集められて生まれた海賊団とのことですが(
957話)、核となったのはこの4人ということでしょうか。
ロックスがエルバフに滞在していたことはロキの回想からも示唆されていたわけですが(
1145話)、その
目的はハラルドでした。
ロックスとハラルドの2人は、ハラルドが潜入した56年前のレヴェリーにて出会っており、この時、ロックスは
海軍本部大将を殺害する事件を起こしたようです。
ハラルドがレヴェリーに潜入して直談判しても、お咎めがなかったのは、この殺人事件の騒ぎでそれどころではなくなったみたいです。一方、ロックスはそのまま逃走し、高額賞金首となります。
ロックスはハラルドに何の用があるか不明ですが、ロキがロックスに自身を連れていって欲しいと懇願している様子(
1145話)から察するに、
ハラルドを仲間として誘いに来たのではないかと考えられます。
「
世界の王」(
957話)が野望のロックスにハラルドが付いて行くかというと、あながち否定できないところではあります。と言うのも、「世界政府」はハラルドの野望の弊害になっているからです。
元々、海外遠征が多いので海賊をやっていてもバレなそうでもあります。
そもそも、ロックスがエルバフに滞在している間にハラルドが帰還したかどうかも分かりませんが。
いずれにせよ38年前のゴッドバレー事件でロックス海賊団は壊滅しており(
957話)、「世界政府」打倒の道筋は途絶えています。
56年前のレヴェリーの事件も含めて、ロックスとの繋がりを世界政府に追及されることになれば、ハラルドとしてはとても苦しいところです。もしかすると、
ハラルドが自身のツノをもいだのは、実は「世界政府」に叛逆の意思がないことを示すためだったのかもしれません。
・ガレイラの伝説
56年前の
ハラルドと
ヤルルの会話には、「
大槌戦団(ガレイラ)」の伝説というものが出てきています。
ガレイラは「
屈強な巨人の船大工集団」であり「
古代巨人族を含む100人を超える」「
ハンマーを持った戦士達」だと言います。
ワンピースの世界でガレイラは神話の類として伝わっているようで、ウォーターセブンの
ガレーラカンパニーの名前の由来はおそらく、このガレイラなのでしょう。
ところが、
ガレイラは実在した集団で、遠い出先からエルバフへ書いた手紙が(エルバフに?)残っていたと言います。
ただし、手紙の内容は「
我々は全員捕まった」という旨で、にわかには信じられないものです。
ガレイラの話題に合わせて、ご丁寧に「
”巨人の軍団”がどこかに氷づけにされていた」という噂話も語られており、どうやら
パンクハザードの研究所の巨大な冷凍室に氷漬けされた巨大な囚人達(660話)と関連があるようです。
この氷漬けにされた巨大な囚人達の伏線は未回収のまま一切触れられず、結構な謎だったわけですが、ここに来てようやく回収されるようです。全員、囚人の格好をしているので「全員捕まった」こととも整合性があります。
また、巨人族の船大工集団となると、魚人島の
ノアとの関連も気になるところです。
ルフィによって半壊されてしまったノアを直すには”
あの一族”の力が必要とされているわけですが(648話)、ノアの造船に関わったのがガレイラであれば、”あの一族”とは
エルバフの巨人族を指しているのでしょうか。
また、アニメの設定にはなりますが、2014年放送のTVスペシャル「〝3D2Y〟エースの死を越えて!ルフィ仲間との誓い」に登場した
バーンディ・ワールドは、一時期、
氷漬けの仮眠状態でインペルダウンに幽閉されていたため、実年齢より肉体年齢はずっと若いという設定があります。
つまり、氷漬けでも仮眠状態なら生きている可能性があるということです。
あのパンクハザードの氷漬けの囚人達がガレイラで、実は仮眠状態で生きていて!?、氷が溶けたらノアを直してくれるんですか!?
