・覇王色の覇気使い同士の戦い
38年前のゴッドバレー騒動の最中、
イムと対峙した
ロックスはイムの”
黒転支配(ドミ・リバーシ)”を受けて悪魔化し、デービー一族を根絶せよと命じられてしまいます(1163話)。
ロックスは悪魔化に抗ってしばらく自我を保っていましたが、ついに悪魔化して暴れ、海賊や天竜人、海軍がゴッドバレーから避難する中、これを止めるべく
ロジャーと
ガープが共闘することになります(1164話)。
センゴクは天竜人の奴隷を守るためにガープはロジャーと共闘したと説明していましたが、ガープの行動は部下を守るためのようです。また、ロジャーは仲間を守るためのようです。
悪魔化したロックスはイムの命令に逆らえないものの、自我は残っているらしく、涙を流しながらテレパシー(?)でロジャーとガープに「おれを殺してくれ…!!」と懇願するのでした(1164話)。
とは言え、悪魔化したロックスは手強く、お互いに体力を削り合っていれば体力で勝るロックスにいつか負けてしまうという戦況でした。
この戦いは非能力者かつ覇王色の覇気使い同士によるものです。
覇王色を纏った攻撃は覇王色を纏った防御で相殺されるらしく、覇王色でダメージを通すには、防御に纏った覇王色を上回る覇王色で攻撃する必要があるそうです。
これについて、ロジャーは覇王色を纏う量を「
質量」と表現しています。
ある”質量”で攻撃した場合、相手はその質量に等しい”質量”で防御すれば覇王色のダメージは通らないわけでして、ダメージを通すには、相手の”質量”の最大出力を上回る必要があるわけです。
逆に言えば、”質量”の最大出力が相手よりも低ければ、覇王色のダメージを通すことは一向に出来ないということになります。
ただし、
”質量”の最大出力を発揮すると使い手は戦闘不能になるそうです。
攻撃する側は相手に覇王色を出力せずに回避されるリスクがあり、防御する側は出力する質量が足りないと相殺できずにダメージを受けるリスクがあるため、多少多めに出力する必要があり、これが覇王色の覇気使い同士の戦いの駆け引きだと考えられます。
つまり、覇気の残量の管理が大事なわけですが、勝負を決めるとなると、残っている覇気を全部ぶつけることになり、ダメージが通れば相手を倒すことができるものの自身も戦闘不能になるので、
覇王色の覇気使い同士の戦いの決着は大概、お互いにぶっ倒れているということになりそうです。
ワンピースのバトルの最後は大体そんな感じですから、腑に落ちますね(笑)。
かくして埒が明かない戦いで、ロジャーは”最大質量”の覇王色をブチ込むことを提案し、ガープはこれに同意します。攻撃が外れれば、もしくは最大質量がロックスに劣っていれば負け、勝つにしても戦闘不能になる勝負です。
ロジャー:”火之迦具土慧士(ひのかぐつちのえいす)”
ガープ:”無限拳骨(インフィニトゥムエクスプロージョン)”
攻撃は通り、ロックスは倒れて決着がつきます。
そして、ロックスの
悪魔化(ガープやロックスは”呪い”と表現)は解けており、悪魔化した人間を元に戻す方法はあるようです。結局、覇王色が全てを解決してくれます、と。
しかし、3人が戦闘不能状態の中、神の騎士団が現れ、
ガーリングがロックスに剣を突き刺して殺しています。
ここでロジャーとガープも殺されていた可能性はありますが、ロジャーを心配して島に戻った
レイリーと
ギャバンが駆けつけて2人を救助しています。本編ではカットされていますが、神の騎士団の追手は見えないため、おそらくここでレイリーとギャバンが神の騎士団を撃退したと思われます。ギャバンと
ソマーズが初めて出会ったのもこの時だと思われます。
エルバフの騒動ではギャバンはソマーズに対して「久しぶりだな」と発言しており、ギャバンが現れたことにソマーズはひどく怯えた様子でした(1148話)。
・ロックス海賊団壊滅
ロックス海賊団はゴッドバレー事件により壊滅したという話でしたが、主要な船員達は事件後に名を上げたとされており、実際、事件で死亡した主要キャラはロックスのみでした。
ロックス海賊団はロックスの野望を実現するために、金稼ぎの名目で集めた集団なので、ロックスの死により目的を失ったことで自然壊滅したものとも考えられましたが、実のところはゴッドバレーに賞品として用意された財宝があまりにも巨額だったことから、
キャプテン・ジョンや
ガンズイは財宝を奪い合い(
1163話)、それに巻き込まれた
シキも財宝を手に入れてロックス海賊団は見限った様子です。
凶(後の銀斧)はロックス海賊団で散々な目にあったのか(笑)、愛想が尽きた様子です。
ロックスが悪魔化した現場にいた
ニューゲート、
リンリン、
カイドウは、キャプテン・ジョンらに比べればロックスやロックス海賊団に情があるはずですが、悪魔化したロックスに攻撃を受け(1164話)、あっさりロックスを見限ってしまったようです。
少し傷心な様子のニューゲートの前には、ポーロ海賊団船長の
ポーロ・グラムという男が現れています。この男は
1162話に描かれていたマルコみたいな人物で、ニューゲートに手を組もうと持ちかけています。
名前から探検家の「マルコ・ポーロ」と繋がりがあり、もちろん見た目からも、このポーロ・グラムという男はおそらくマルコの父親なのでしょう。マルコの父親が白ひげ海賊団の立ち上げに関わっていたという話なのでしょうけど、ここでわざわざ本編に出てくる意義は分かりません。小説等のサイドストーリーで展開する予定でもあるのでしょうか。だとしても、本編に出てこなくていいのですけど。
・覚悟のハラルド
ロックスの死は
ハラルドを苦しめました。
ゴッドバレーに向かう前に会ったロックスは、ハラルドに自身の秘密を打ち明け、手を貸してくれと言っていましたが、ハラルドはそのロックスの願いを断っていたからです
(1159話)。
結果的に、親友を見殺しにしてしまったわけですが、ハラルドがロックスの願いを断っていた理由は一貫して、エルバフの世界政府加盟を実現させる大義のためです。
ハラルドは親友を見殺しにしてしまったのだから、もう引き返せない。その大義をなんとしても果たさなくてはならないという想いに駆り立てられてしまうのでした。
一大決心したハラルドはマリンフォード「海軍本部」に乗り込み、海兵達の前で
自身のツノをへし折り、そして宣言します。
ハラルド:1000年分の償いをさせてくれ!!!
”巨人族”がこれまで行ってきた過ちを謝罪したい!!!
これからエルバフの子供達が誰も傷つけず生きていける様に!!
”人間族”と手を取り生きていける様に!!
平和への誓いを証明したい!!!
罪を償うチャンスが欲しい!!!
その為なら私は奴隷にでもなろう!!!
この愚直なハラルドに、
イムは付け込むわけですね。
最終的に、14年前にハラルドが衛兵達に串刺しにされ(
1152話)、ハラルドと
ロキが死闘することになることを考えると、ハラルドは”
黒転支配(ドミ・リバーシ)”を受けて悪魔化し、自身を殺すように衛兵達に命じたものの死ねず、ロキは悪魔化したハラルドをやむ無く殺すことになったということなのでしょうか。
