産経「安倍首相は『ルフィ』を見習え!」 ファン「ちょっと何言ってるか分からない」
「安倍首相は『ルフィ』を見習え!」と題した記事を、
産経新聞社が2013年1月2日、ネット配信した。アニメ・映画でも大ヒットする漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の
主人公ルフィのリーダーシップを、安倍首相も見習うべきだという趣旨だが、ネットでは漫画と現実を一緒にするなというツッコミがあふれている。
記事はワンピースの人気の要因を探るものだ。記事によると要因は2つあり、1つは「友情・努力・勝利」をキーワードにした「王道」の少年漫画であること、もう1つは「日本人の求めるリーダー像をわれわれに明快に提示してくれていること」だという。記事がいう
主人公ルフィのリーダーシップとは、どんなことがあっても仲間を信頼し、見捨てないことがポイントだ。強大な敵を前にしても仲間を守るために全力で立ち向かう。そうした姿に仲間からも信頼を得て、海賊団一丸となって海賊王を目指しているというものだ。そこから「
対する今の日本のリーダーたちはどうでしょう」と現実の日本社会に話題が転じられる。
「さきの衆院選では、民主党の議員の多くは党が劣勢と分かるやいなや、そそくさと逃げ出し、中にはぬけしゃあしゃあと別の党から出馬する恥知らずも」
と仲間意識の低い政治家たちを批判する。さらに
「企業社会も同じです。自分の責任を部下に押し付けてリストラを繰り返したり、自分より優秀な部下は登用どころか『態度がでかい』だのと難癖付けていぢめたり飛ばしたりと、自分の保身しか頭にない声だけデカい女の腐ったようなやつばかり」
と激しく攻撃。若者が3年ほどで早期退職してしまう現状を「自分の保身しか考えていないへっぽこ&臆病者のリーダー(上司)、つまり『ワンピース』でルフィにボコボコにされるようなダメリーダーにどこの誰がついてくのでしょう?」と分析する。
この記事を受けて、ネットでは
「ちょっと何言ってるか分からない」
「あほくさ。マンガをリアルの模範にすんなwww」
と現実的なツッコミが寄せられている。
「俺オタ方面に足突っ込んでるけど、こんな事言い出す奴とは話したくないな」
「ワンピは好きだけど所詮漫画なんだからこういう話で引き合いに出すのはやめて欲しい」
とワンピースファンからも冷めた感想が寄せられた。こうしたツッコミを予想していたのか、記事は「漫画なんか引き合いに出してアホかという方もおられるでしょうが」と断り、
「2年以上在任した首相はたった2人だけで、2006年以降、首相がほぼ毎年変わるという世界からみれば『漫画以下』の国がいまの日本だということをよく理解しておいた方がいいでしょう。安倍晋三首相にはぜひルフィのような侠気(おとこぎ)あるリーダーになっていただきたいものです」
と締めくくっている。
ちなみにj-castが昨年12月に実施した、「首相になってほしい『人』は誰ですか?」というワンクリック投票では、「ルフィ」は9候補中、7.9%の得票で4位だった。
(J-CASTニュース)
取り上げられている産経新聞の記事はもちろん私は読んではいたのですが、
本当に訳が分からなくて、「ちょっと言ってる意味が分からないですw」とコメントをつけてブログ記事でもしようかと考えていたのですが、記事自体が長文で、そして不毛なため、やめていました。そんな折にJ-CASTよりこちらの記事が出たので、載せた次第です。
産経の実際の記事は最後に付けたので、暇であれば読んでもらえばいいのですが(不毛ですが)、この手のよもや話で漫画を例えに使うことは珍しいことではないです。これが
もし社説ならば槍玉に挙がって然るべきですが、紙面の記事でさえない産経の一記者によるネット連載記事に過剰に反応することでもないです。寧ろ、真面目に突っ込むことの方がアホくさいのかもしれません。また、良し悪しは別として漫画に見習った実践本は数多く出版されています。
今回、J-CASTはお得意のどこがソースとも分からない「ネットの声」をあたかも万人の意見のように示して、産経を間接的に批判しているわけですが、最後に「ちなみに」とつけたしたJ-CASTが実施した「
首相になってほしい『人』は誰ですか?」というアンケートの内容が衆院選の時期に合わせて「
こんな「人」が首相になってくれたら、日本はもっと良くなるのではないか――希望を託したいのはどんなタイプですか? 下記のマンガの主人公などから1人1票で投票して下さい」というもので、選択肢が漫画の主人公や人気キャラクターになっており、
批判のために引用した「ネット」の声が全部自身にはね返っているというお粗末な状態です。”Jカス”っぷりを改めて示してくれたといったところでしょうか(※当ブログでJ-CASTを批判するのは2回目→
ワンピ好きから見たワンピ好き芸能人 【J-カスTニュース】)。
※J-CASTが実施した「首相になってほしい『人』は誰ですか?」のワンクリック投票結果・・・2013年1月4日現在