ハイスキー食品工業(香川県三木町)の「マンナンレバー」。こんにゃく独特の臭みを取り、トマトやイカスミの色素で色づけた。カロリーは約半分という。
タレントのたむらけんじさんが経営する「炭火焼肉たむら」蒲生(がもう)本店(大阪市城東区)では昨年末からメニュー入り。「一度どうですか。偽物ですけど」。店員が冗談交じりで客に勧める。名付けて「食べてみレバー」(480円)。
たむらでは2008年に名古屋店で生レバーやユッケを食べた客が食中毒になって以降、生肉は出していない。蒲生本店の松田晋平店長(33)は「生レバーより取り扱いが楽。お客さんも面白がってくれます」。
開発は、ひょうたんから駒だった。昨年6月、すしネタのトロをこんにゃくでつくろうと、試作した製品を見て「生レバーに似ている」とひらめいた。焼き肉店での食中毒が問題となっていたため、8月から業務用として発売。こんにゃく業界でヒット商品の基準と言われる売り上げ5千万円を半年で達成した。
高松市の焼き肉店の常連で、毎回注文するという会社員浜野真作さん(38)は「肉の味はしないが食感はかなり近い。さっぱりしていて味もいい」と評した。
ハイスキー食品工業の菱谷龍二(りょうじ)社長(56)は「こんにゃくは安全、低カロリーで値段も安い。さらに大きな市場になる」と意気盛ん。近く機械を増設し、生産を倍増させる。
(朝日新聞デジタル)