TVアニメ「ワンピース」の放送25周年を記念した作品「
ONE PIECE FAN LETTER(ファンレター)」が放送されました。
作画はエッグヘッド編オープニングのような、ディテールを省略して丸くしたタッチで、明暗は少ないポップな絵でした。
小説短編『
ONE PIECE novel 麦わらストーリーズ』を原案にして製作されたという本作は、
小説を基にした複数のキャラクターを、シャボンディ諸島の麦わらの一味再集結の日に集めた群像劇のオムニバス作品となっていました。そのため、ストーリー性はあまりないです。
主人公の少女は同短編の『
会いに行ける航海士(一日限定)に会いに行ってきた!』の主人公ボクを原案にしたキャラクターで、海兵の兄弟は『
マリンフォードの”兄弟”』、”波頭の仁王”の異名を持つ海軍将校は『
”悪魔”に魅入られし者の苦悩』、本屋のバイトは『
むくれ顔ブックストアガール』が基になっています。
酒場でフードを被ったゾロが、ゾロの話題をしていた酔っぱらいに怒るシーンは『
剣豪談義、丁々発止』の内容を端的に描いたものです。この小説こそ、ストーリーが全くないのですが。
本作では基本的に小説のエピソードやキャラクターのアイディアが引き継がれているだけですが、
”波頭の仁王”の異名を持つ大佐だけは設定がほぼそのままで(シャボンディ諸島にて麦わらの一味逮捕任務についているのも同様)、小説キャラクターのアニメ化となっています。
この海兵はチョッパーのモフモフ感が堪らなく可愛いと思っている強面の男で、エニエス・ロビーの任務の際にチョッパーに一目惚れしたという設定があります。また、小説では後日談として、ドレスローザ事件後の新しいチョッパーの手配書にも悶絶している様子が描かれています。
ちなみに、主人公の少女の元の小説の”ボク”はかなりウザい主人公なんですよね。少女にもその影がありますが、小説と違ってちゃんと”冒険”しているのと、やたら冷たい海兵(クレジットではボンボン海兵)に虐められたお陰で、感情移入できるキャラクターになっていました。
また、海兵の兄弟のエピソードもアニメ版の方がずっと良くなっていました。エピソードの内容は同じなのですけども、兄弟に降りかかった危機的状況がリトルオーズJr.の足や軍艦が降ってくるような、非力な人間にはどうしようもできない状況に置き換えられていたというがリアルですし、兄弟の関係もアニメ版の方が感情移入しやすい設定になっています。おかげで、ストーリーの中核を担っています。
麦わらの一味は所々に登場し、サブキャラや動物に麦わらの一味声優が声を当てていました。
エンディングは新録の「ウィーゴー!〜麦わらの一味ver.〜」 で、これは翌週から放送される
新編集版(SPECIAL EDITED VERSION)魚人島編のオープニング曲となるようです。本作はTVアニメ「ワンピース」の番外となっていますが、新編集版魚人島編のプロローグ的な位置付けになっているようです。
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