LOGPIECE(ワンピースブログ)〜シャボンディ諸島より配信中〜 【ワンピース歌舞伎】 スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』レポート 【ストーリー解説編】
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スーパー歌舞伎II『ワンピース』
原作:尾田栄一郎
脚本:横内謙介
演出:横内謙介、市川猿之助
スーパーバイザー:市川猿翁
製作:松竹
平成27年度(第70回)文化庁芸術祭参加公演


スーパー歌舞伎II『ワンピース』のレポート第2弾です(前回→「初めてのスーパー歌舞伎編」)。今回は「ストーリー解説編」と題して、舞台の内容について詳しく紹介します。ネタバレ満載なので、次回以降の公演を初めて観に行く予定の方は閲覧注意でお願いします。歌舞伎ファンでワンピースを知らない人がこのページに辿り着くとは到底思えませんが、そういった方のために一応、ストーリーの補足と解説を交えつつ、逆にワンピースファンには歌舞伎の解説をしようと思います。なお、私の歌舞伎の知識は完全ににわかなので、その点はご容赦下さい。歌舞伎知識の補足などがあれば、ご遠慮なくどうぞ。

※舞台写真は公演前の公開リハーサル時のもの、解説内容と一部劇場写真は新橋演舞場11月公演です。


<第一幕>

序章

 開演前、舞台前面に幕はかかっていない《歌舞伎ではあり得ない》。演目が始まると、舞台中央にあるルフィの立像がセリ《床が上下に動く舞台装置》で下がっていき、船の帆を描いた舞台を覆う幕が落ちたかと思うと、舞台をスクリーンにしてアニメーション(※東映アニメでない)の上映が始まる。そして、ワンピースお決まりの語り(昼の部:中村勘九郎 夜の部:中村七之助)。「富・名声・力!かつてこの世の全てを……」。大海賊時代の幕開けである。

ストーリー解説
 舞台は、海賊王と呼ばれた男、ゴールド・ロジャーが遺したという財宝「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求めて海賊が海を割拠する大海賊時代。海賊に憧れる少年ルフィは海賊・赤髪のシャンクスと出会い、本物の海賊の粋と強さを知る。おまけに、ゴムゴムの実という悪魔の実(食べるとカナヅチになるが特殊な能力が得られる不思議な果実)を食べてゴム人間になる。立派な海賊になって再会することをシャンクスと約束したルフィは、10年後、仲間と船を手に入れ、海賊団・麦わらの一味として、その名を世間に轟かせるまでに成長していた。




一場 シャボンディ諸島、奴隷市場

 舞台は奴隷が競売にかけられる奴隷市場。オークショニアのディスコ(市川猿三郎)が登場。奴隷が呼び出されて競売が始まり、劇場内のどこそこから入札の声が聞こえる。さながら劇場がオークション会場である。この場面では悪魔の実も競売にかけられ、ワンピースを知らない客のために、申し訳程度の説明がされている。また、お部屋の灯り用にと、オリジナルの提灯アンコウ魚人(市川裕喜)の奴隷も競売にかけられる。そして、本日の目玉商品、人魚のケイミー(市川猿珠)が競売が始まったところで待ったが入る。花道《舞台下手から劇場後方に伸びる舞台通路》から麦わらの一味の登場である。

 縁あって麦わらの一味と同行していたケイミーは人攫いに攫われ、奴隷として競売にかけられてしまったのである。一味は、ケイミーは奴隷ではないと主張するが、全く聞き入れてもらえない。そこで一味の金奉行・ナミ(市川春猿、本当の役どころは一味の航海士)が友達のケイミーを買い取ることを提案する。お金(貨幣単位はベリー)をこよなく愛するナミがお金より友を選んだことに一味は驚愕するが、その案に賛成する。一味が全財産の2億ベリーでなんとか手打ちにした折、天竜人チャルロス聖(市川欣弥)が奴隷車に乗って仰々しく花道から登場する。

 人魚が売られていることを知ったチャルロスは自分が買うと名乗り出る。麦わらの一味と商談が成立した直後だったが、海軍も従える世界貴族の天竜人には誰も逆らうことは出来ない。しかも、チャルロスは5億ベリーを提示するのだから、ディスコは喜んでチャルロスにケイミーを売ることを決める。そこで、待った待ったと一味の船長・ルフィ(市川猿之助)が遅れて登場。ケイミーの連れの魚人はっちゃん(市川弘太郎)も仲裁に入るが、チャルロスに斬りつけられる。はっちゃんは自分は大事無いとルフィを宥めるが、ルフィの怒りは治まらず、ついにチャルロスを思いっきり殴り飛ばしてしまう。この場面はチャルロスの顔が舞台に大きく投影され、CG合成でルフィに殴られる様子が再現されている。

 何があろうとも天竜人に手出しをすれば、海軍が出動し、世界政府最高戦力の海軍大将が出動することになっている。だから、どんな無法者でも天竜人には歯向かわない。まずは、麦わらの一味が奴隷市場の警備兵と立廻り《歌舞伎独特の殺陣》。お次ぎは、海軍中将ストロベリー(坂東大和)の部隊と大立廻り(プロジェクションマッピングを使用。一場の見どころ)。そして、海軍大将・黄猿(市川猿四郎)が登場。強大な戦力を前に、一味は退散するが、王下七武海(世界政府公認の海賊=私掠船)の一角、バーソロミュー・くま(アニメ=配役なし、実は世界政府に反旗を翻す革命軍の幹部)の手によって、一味はそれぞれ遠い島に弾き飛ばされ、一味はあっという間に離散する。

ストーリー解説
 次の島に渡るためには船に特殊なコーディングをする必要だと分かったルフィとその一行は、航海の途中で出会った人魚のケイミーと魚人のはっちゃんの案内で、コーティング職人がいるシャボンディ諸島に上陸するが、ケイミーが人攫いに攫われてしまう。この島は奴隷売買が政府に黙認されており、人魚は非常に価値が高いのである(最低相場は7000万ベリー)。人間オークションにケイミーが出品されることを知った麦わらの一味は、ケイミーを競り落とそうとするが、天竜人チャルロス聖が一味が用意できる倍以上の額で競り落としてしまう。遅れて駆けつけたルフィがお構いなしにケイミーを奪還しようとしたため、はっちゃんが制止しようとするが、はずみではっちゃんが魚人であることが人々にばれてしまう。飛び交うはっちゃんへの蔑みの声とチャルロスによって放たれた銃弾。かつて世界政府によって魚類に分類されていた魚人族への差別がこの島では根強く残っているのである。それを十分承知していた はっちゃんであったが、かつて海賊だった頃にナミの故郷で酷いことをした償いを少しでもしたくて、麦わらの一味に同行していたのである。撃たれて負傷しながらも、はっちゃんはルフィを制止しようとするが、ブチ切れたルフィはついにチャルロスを殴り飛ばしてしまう。
 ケイミーを無事救出した一行であったが、世界貴族の天竜人に手を出したために海軍三大将の一人、黄猿が島に上陸していた。海軍が島を包囲する中(原作ではストロベリー中将は登場しない)、船のコーティングには3日を要するという。一味は、それまでの間、島の何処かに隠れていようとした最中、海軍大将 黄猿と王下七武海 バーソロミュー・くまと遭遇してしまう。圧倒的な力を前に、ルフィは一味に退散命令を出すが、なす術無く、くまのニキュニキュの実の能力(肉球であらゆるものを弾き飛ばす能力)によって、一味は離散する。実は、くまは世界政府に反旗を翻す革命軍の幹部であり、革命軍の司令官がルフィの父親というよしみで、くまは一味の危機を救ったのだった。


支配人ディスコ(市川猿三郎)。衣装は完全に西洋風。原作より品が良い。

人魚ケイミー(市川猿珠)。布で水槽の水が表現。原作と異なり、御淑やかな女性として演じられている。

麦わらの一味 サンジ(中村隼人)。役者のアイディアで、愛用のタバコは紙巻きからキセルに変更。スーツに和服とファーコートを羽織るハイセンスな出で立ち。「美女に弱いがたまに傷」
麦わらの一味 フランキー(市川猿若)。力紙という白いリボン状のものは豪快さの表れ。腕は大紋(大素襖)の袖が完全に分離した形状。衣装のイメージはおそらく、『暫』の権五郎と悪党の折衷。

麦わらの一味 ナミ(市川春猿)。前に大きく垂れた帯は遊女(傾城)のアイコン。トレードマークの風車とみかんの刺青が小袖の柄になっている。帯の柄は故郷のココヤシ村を表すココヤシと大好きなベリー(お金)とみかん。

麦わらの一味 ウソップ(井之上チャル)と麦わらの一味 チョッパー(ぬいぐるみ)。ウソップは一味でただ1人、大衆演劇の演技で一味の引き立て役&お笑い担当になっている。チョッパーの声もウソップ役の役者が裏声で担当。

天竜人チャルロス聖(市川欣弥)の出。人間の奴隷を車にして、鞭で叩く。世界貴族ということで絢爛豪華な衣装。下々の者と同じ空気を吸いたくないため、頭部にカプセルを被っている(前面は実際は開いていない)。語尾に「〜え」とつける口癖は、公家言葉っぽく、歌舞伎の台詞の言い回しに合っている。せかせか喋る麦わらの一味に対して、1人だけゆっくりと喋るチャルロスが対照的で面白い。公家悪の貫禄は元よりない。

魚人はっちゃん(市川弘太郎)。タコの魚人で腕は6本あり、左右4本は腹に巻いている。古風な道化方《歌舞伎のお笑い担当役》風の出で立ち。チャルロスに腕を斬りつけられても、タコだから腕の一本ぐらいとルフィを宥め、笑いを誘う。

麦わらの一味 モンキー・D・ルフィ(市川猿之助)。トレードマークの麦わら帽子は衣装が変わっても被ることなく、常に背中。髪の毛は後ろ髪の一部を束ねて少年っぽさを表現。

麦わらの一味 ロロノア・ゾロ(市川巳之助)。トレードマークの腹巻きに縄帯を締めて、刀を差している。三本刀を右に差すのがゾロスタイル。発声をアニメのゾロ役に似せている。

麦わらの一味 ブルック(嘉島典俊)と麦わらの一味 ニコ・ロビン(市川笑也)。骸骨のブルックは道化方というより道化師。

麦わら一味勢揃いの場面。『白浪五人男』の勢揃いの如く、順に七五調で名乗りを連ねる。ナミは『極道の妻たち』の様に着物の片方を脱いで、下着を露に(笑)。ツケの乱れ打ちの中の立廻り、そしてバッタリで見得。ザ・歌舞伎。

人型チョッパー(石橋直也)。ヒトヒトの実を食べたトナカイのチョッパーは人型、獣型(トナカイ)、人獣型(ぬいぐるみ)に変身することができる。舞台での変身トリックがバカバカしくて面白い(それは秘密)。

海軍大将”黄猿”ボルサリーノ(市川猿四郎)。敵役。派手なシャツ、派手なネクタイ、派手な束帯…。第三幕の衣装はカッコいいのでご心配なく。

海兵は機動隊のような盾(ライオットシールド)を持って登場する。これが自由自在に動く舞台上の幕として機能し、役者が現れたり消えたり、プロジェクションマッピングのスクリーンにもなる。ロビンは自身の体の一部を花のように咲かせることができるハナハナの実の能力者。

ルフィの技を受ける海軍中将ストロベリー(坂東大和)。背の高い僧帽を被っているのは彼の頭が極端に長いため。技名は漢字に外国語を当て字しているものは全て日本語にアレンジされている。「ゴムゴムのJET銃乱打(ジェットガトリング)」→「ゴムゴムのJET銃乱打(ジェットきかんじゅう)」


二場 女ヶ島、アマゾン・リリー

 場面は変わって、花道から現れた女戦士達と舞台から現れた侍女達が舞を踊り始める。バーソロミュー・くまによって飛ばされたルフィが着陸した島は男子禁制の島、アマゾン・リリーだったのだ。女しかいないこの島は、外界へ出た者が時折、子を宿して帰り来るも、不思議と女の子しか生まれない。絶世の美女であり、王下七武海の一角、ボア・ハンコック(猿之助)が女帝として君臨している。メロメロの実の能力者で人を魅了する美しさに長けたハンコックに、島の者達はメロメロ。あまりの美しさに心臓が止まり、侍女達がバッタバッタと倒れる(「オッ」と男声を出して倒れるチャンポンな演技が楽しい)。この美しさにかまけてハンコックはわがまま放題。つい先程も政府の招集要請を断って来たところだった。「みな許してくれる…なぜなら、わらわが美しいから」(お決まりの人を見下しすぎて逆に見上げているポーズは『鷺娘』のエビ反りとダブらせているのだろうか。ハンコックは最初白い衣装で登場する)。そんな折、男子禁制のこの島に男が侵入したという報が入る(全員男やんけと突っ込んではいけない)。村娘のマーガレット(市川笑野、設定は護国の戦士から変更)とスイトピー(市川猿紫)が男とは知らずルフィを助けてしまったのだ。侵入した男は直ちに排除せよという掟を破った二人を、ハンコックは罰として能力(メロメロ甘風)で石化してしまう。

 ハンコックの湯浴みの時間。ハンコックの裸を観た者はあまりの美しさに即死してしまうらしく、城には誰も近づかない。この場面は女方というよりオカマ方演技の侍女のエニシダ(市川段之)とラン(市川喜昇、設定は女戦士から侍女に変更)のやり取りが面白い。そして、ハンコックの入浴の場面。ハンコック(猿之助ではない)の肌が露になり、背中には紋様が入っている。そこにルフィがやって来る。ルフィはシャボンディ諸島で逸れてしまった仲間と合流するため、船が欲しいのだ。ハンコックは死んでも人に見られたくない背中の紋様を見たルフィを口止めのため殺そうとする。ルフィ(猿之助)とハンコック(猿之助)の立廻り(早変わり《衣装を瞬時に変えて役を入れ替える》の連続が見どころ)。ハンコックの妹、マリーゴールド(市川笑也)とサンダーソニア(春猿)も加わりついにルフィは捕えられてしまう。

 国の者が見る中、決闘によってハンコックの妹二人の手でルフィの処刑が行われる中、戦いのはずみでサンダーソニアの背中の紋様が露になってしまう。ルフィは身を挺してこれを隠す。この行動に感じ入ったハンコックとニョン婆。実はハンコックらゴルゴン三姉妹は人攫いによって天竜人の奴隷だった時があり、背中の紋様は天竜人の奴隷の刻印だった。その秘密を知られては国にいられなくなる。ハンコックはルフィを試すため、ルフィが欲しがる船とマーガレットらの石化を解くこと、どちらか一つを選ばせるが、ルフィは迷わずマーガレットらの石化を解くことをハンコックにお願いする。しかも、聞けば、ルフィはあの天竜人を殴ったというではないか。ルフィの誰にも支配されない強さと懐の広さを気に入ったハンコックはルフィに船を貸すことを約束する。

ストーリー補足
 女ヶ島に着いたルフィはカラダカラキノコガハエルダケを食べてしまい倒れていたところを護国の戦士マーガレットらに助けれられる。文字通り体中からキノコが生えていたため、マーガレット達はルフィが男だと分からず、男子禁制の掟を破ってしまう。蛇姫(ハンコック)が島に帰還する前にルフィを始末しようとするが、情が移ったせいか、ルフィを逃がしてしまう。


マリーゴールド(笑也)。ゴルゴン三姉妹の一人。ハンコックの妹。原作より美人。

サンダーソニア(春猿)。ゴルゴン三姉妹の一人。ハンコックの妹。原作より怖い。

ニョン婆(市川笑三郎)。実は先々々代皇帝(本名グロリオーサ)。「ニョ」を付ける独特の言い回しが客に受けていた。ワンピース歌舞伎随一の人気キャラ(だと思う)。

蛇姫ボア・ハンコック(猿之助)。ルフィ(猿之助)との立廻り場面。早変わりの連続が見どころ。湯浴み中だったので衣装は襦袢?

ルフィ(猿之助)がサンダーソニアの露になった背中を隠す場面。ルフィの衣装は場面ごとで変わっている。


三場 城内の宴会場

 マーガレットとスイトピーの石化は無事解かれ、ルフィは男であるが特例で客人として持て成される。初めて見る男に島の女達は興味津々。ルフィの腕と女戦士達が宴会で舞踊る。


ルフィの伸びる腕。ゴムゴムの実のゴム人間なので体が伸びるという設定。黒衣たちが各々の腕を連ねて伸びる腕を再現。歌舞伎では黒は見えないものというのがお約束。ちなみに、この場面の黒衣の配役は「踊る腕」となっている。

この場面のルフィの衣装は、原作でマーガレットがフリルを付けて仕立てたルフィの衣装がモチーフ。女ヶ島の住人は男という概念を全く知らない。

村娘スイトピー(市川猿紫)とマーガレット(市川笑野)。かなり痛い系のおバカキャラとして演じられている。

宴会場の場では、新橋演舞場で実際に出張販売をしている祇園味幸の「麦わらの一味セット」(黄金一味と祇園七味)をルフィがスイトピーとマーガレットに直で食べさせて、宣伝する場面がある。麦わらの”一味”だ。歌舞伎の人気演目『助六』には初演当時、実際に販売されていた商品(朝顔せんべい)が役名になった人物が登場するが、こちらは商品が後出し。


四場 バナロ島と宴会場

 宴会の最中、興を醒ます知らせがルフィの耳に入る。白ひげ海賊団2番隊隊長ポートガス・D・エース(福士誠治)が海軍に捕まり、公開処刑が数日後に決まったという。

 時は遡って舞台はバナロ島(セリ上がった舞台)。仲間殺しの罪を犯した元部下のマーシャル・D・ティーチ(市川猿弥)を捜していたエースは、ついにバナロ島でティーチと遭遇する。メラメラの実(炎を操る)のエースとヤミヤミの実(闇を操る)のティーチの能力者対決が始まるが(炎の特効が使われる)、あえなくエースは敗れてしまう。エースの身柄はティーチから、海軍科学部隊隊長・戦桃丸(弘太郎)に引き渡される。ティーチは海軍元帥センゴク(浅野和之)の差し金で動いていたのである。

 エースは実は、兄弟盃を交わしたルフィの兄だった。エースは今、大監獄インペルダウンに幽閉中だという。ルフィは仲間と合流することは後回しにして、エース救出のためインペルダウンに向うことを決意する。そのためには王下七武海であるハンコックの協力が不可欠だった。

ストーリー解説
 野心高い海賊・黒ひげティーチは白ひげ海賊団で実力を潜め、成り上がるチャンスを虎視眈々と待っていた。そしてある日、ティーチが求め続けた悪魔の実”ヤミヤミの実”を白ひげ海賊団の仲間が見つける。悪魔の実は最初に見つけた者が口にしていいという船の掟があったため、ティーチは友達だったその船員を殺し、悪魔の実を奪って逃げるのだった。仲間殺しは一番破ってはいけない鉄の掟。白ひげ海賊団2番隊隊長のエースは、部下が行った罪にケジメをつけるため、ティーチを追跡するのだった。
 ティーチの成り上がるための次の計画は懸賞金額1億ベリー以上の賞金首を海軍に差し出し、王下七武海に加入することだった。始めは目標をルフィに定めて、麦わらの一味を追っていたが、エースとバナロ島で遭遇し、決闘が始まる。エースの炎を操る”メラメラの実”の能力に対して、ティーチの”ヤミヤミの実”の能力は闇を操り、悪魔の実の能力者の能力を無効化する特殊な力もあった。ティーチが”ヤミヤミの実”が最強だと考える理由はこの点にある。エースを討ち取ったティーチはエースの身柄を海軍に引き渡した。予期せずエースを手に入れた海軍元帥センゴクはある決意のもと、エースの公開処刑を発表する。
 一方、ティーチはその実績を政府に売り込んで目論見通り王下七武海の座につき、次なる計画に移行するのだが、舞台ではこれ以降の黒ひげの活躍が描かれていないため、以降のストーリーが原作と多少異なっている。


セリ上がった舞台が別の場所や回想を表現している。

海賊”黒ひげ”ティーチ(市川猿弥)。大きな野望を抱く敵役で、原作では第二幕、第三幕に当たるエピソードでも活躍するが、舞台では海軍の犬的な海賊に成り下がっている。

ポートガス・D・エース(福士誠治)。ひいき目に見なくともカッコいい。

海軍科学部隊隊長・戦桃丸(弘太郎)。鉞かついだ『積恋雪関扉』大伴黒主ではなく、モデルは元より金太郎。

海軍元帥センゴク(浅野和之)。花道のスッポンから登場。

真面目なシーンだが、フリルの衣装が締まらない(笑)。


五場 ハンコックの部屋

 ハンコックの部屋の前(幕前)にて。ルフィが大監獄インペルダウンに侵入することに協力できるか窺いに来たニョン婆(市川笑三郎)だったが、ハンコックは原因不明の病で倒れてしまったという。話を聞くに、その病はニョン婆に心当たりのあるものだった。先代の皇帝も、先々代の皇帝も、先々々代の皇帝である自分もこの病にかかり、ニョン婆は国を捨てて外海に出たために助かっていた。「そニョ病とは…」「そニョ病とは?」「そニョ病とは…」「そニョ病とは?」。・・・恋煩い。先代達の皇帝は恋焦がれて死んだのである。

 ルフィの話になるとしゃんとしたハンコックは愛するルフィ(ルフィを「わが夫」とか言っちゃう)のため、王下七武海の立場を利用して、インペルダウン侵入に全面協力することを誓う。

ストーリー解説
 エースが公開処刑される予定の海軍本部マリンフォード、そしてエースが幽閉されている大監獄インペルダウンは天竜人が暮らす聖地マリージョアと目と鼻の先。かつてハンコックら三姉妹はマリージョアで奴隷になっていた。心の傷が癒えていないハンコックを政府中枢に向わせることに心配する妹君たちだったが、恋は盲目。そんなことは一切御構いなしのハンコックなのだった。東の海にはこんな諺があるという…恋はいつでもハリケーン。
 原作では、海軍の軍艦でインペルダウンに立ち寄ることを条件に、拒否していた政府の招集(二場の会話に出てくる。実はエース公開処刑の防備)を受けるが、舞台ではマリンフォードにハンコックら王下七武海は登場しないため、その辺りの設定は曖昧になっている(?)。


中央:恋するハンコック、中央左:侍女ラン(市川喜昇)、中央右:侍女エニシダ(段之)。衣装は極端に大きな袖に金糸のハンコックの紋(九蛇海賊団=ハンコックの海賊団のシンボル)が入った赤色の豪華な四天(と言っていいのか)。赤地に金糸は歌舞伎の姫の定番衣装。姫役の通称で”赤姫”という言葉があり、恋に積極的なのが特徴。ハンコックは原作では最初から赤の衣装だが、これが恋愛モードの合図というわけ。話は変わるが、ランの踊りが際立って上手い。



第一幕で力尽きそうです(ぇ
第三幕まであるんですけどね・・・。このペースで記事を書いていたらいつまでも更新できそうにないので、とりあえず第一幕まででアップしておきます。第二幕以降は後で追記します(未定)。


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無題
くろえる
衣装カッコイイですね~
この記事、ツイッターに投稿してほしい
2015/11/29(Sun)23:35:59
Re:無題
シャボンディ島民
第二幕以降、追記時にTwitterで報告します。
2015/12/13(Sun) 15:05
無題
名も無き島民
凄く面白い解説です!
読んでて舞台が鮮明に脳裏に蘇りました
2015/11/30(Mon)01:33:01
無題
通りすがりの女ヶ島民
昨日博多座で観劇。

ラン役のあまりの踊りのうまさに色々調べまわっていたら、こちらにたどり着きました。
同じ感想の方がいらして嬉しいです。
また覗きに来ます。
2016/04/26(Tue)19:51:24
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