・14年前の事件
前回、
14年前、イムと”深海契約”を結んでエルバフに戻った
ハラルドは、イムから最後の任務を言い渡されます。それは
エルバフを挙げて戦士の軍団を組織し、「巨兵船団」を立ち上げて世界に貢献せよ、というもので、これまでずっとエルバフを戦いから脱却させる改革を進めていたハラルドにとっては受け入れ難い要求でした。
しかし、「深海契約」を結んだ者はイムの命令に逆らえない制約があり、ハラルドはついに世界政府にハメられていたことに気づくのでした。
ハラルドは意識に反して体が動くことに危機を感じ、衛兵達に自身を鎖で縛りつけろと命じ、
ヤルルと息子達を呼ぶように命じます。この時、
ハイルディンは海に出ており不在で、
ロキは先の事件(酒村)の罪で冥界の留置所に幽閉されていましたが、この招集のために解放されています。
そして、ようやく本編が
1152話の回想に合流します。
ロキとヤルルが城前に到着したころ、城の「王の広間」では、ハラルドの命令に従いハラルドを鎖で縛ろうとした衛兵がハラルドに斬られていました。
衛兵達はハラルドの行動に困惑しますが、ハラルド自身もなぜ兵を斬ったのか困惑しており、ハラルドはイムの命令によって自我すら侵される感覚に恐怖するのでした。そして、それがエルバフにとって不利益になること、イーダと共に育み人生を捧げたエルバフの改革の一切無駄になってしまうことに絶望し、「一刻も早く…死ななくては」ならないと即断するのでした。
ハラルド:お前達…私を殺せ!!
衛兵:え…!!?
ハラルド:急げ!! 全てを乗っ取られる前に!!
この流れで、ロキが広間の扉を開け、
ハラルドが衛兵達に串刺しにされている現場に遭遇するわけです(
1152話)。衛兵達の決断が揃いも揃ってあまりにも早くて、多少無理がある展開ではあります・・;
ともかく、「深海契約」により不死身(もどき)になっているハラルドはちょっとやそっとでは死ねないことに気づき、さらに契約により力を増している自身に勝てる者はエルバフには現状いないことを悟ります。
そこで、ロキに”
エルバフの秘宝”(禁断の”悪魔の実”)を食べてもらい、自身を討ち取ってくれと懇願するのでした。また、ロキが「王座」に就けとも言っています。この現場にはもちろんヤルルも立ち会っています。
この後、ハラルドの自我は消失し、口止めのため城内の者を皆殺しにしようとする殺戮者と化してしまいます。この時、城の扉を閉めたのは(
1152話)、ハラルドの命令を受けた、城内の状況を何も知らない門番でした。
この混乱の中で、ヤルルがハラルドに剣を頭に刺されて倒れ、
ギャバンと
シャンクスがハラルドを止めに駆けつけ、ロキが宝物庫に立ち入ります。
ロキ:これがエルバフに伝わる禁断の”悪魔の実”
事件の流れは
1152話の考察と
前回までの考察から概ね予想通りですが、今のところイムや神の騎士団が現れる展開にはなっていません。
ギャバンとシャンクスが城から発生を感じた異様な覇気は(
1152話)、ハラルドとロキが武器を交わした際に発生したものでした。
また、ロキが対「神の騎士団」において自身が「
経験者」だと語っていたのは(
1152話)、イムに乗っ取られたハラルドまたは神の騎士団を討ち取った経験があると予想していましたが(1152話考察)、この時点で
ハラルドが神の騎士団だったわけです。
ハラルドの状況についてはヤルルとロキにはさっぱり分からないでしょうが、居合わせたシャンクスもしくはギャバンが後に説明したものと考えられます。
もう一つ予想外だったのは、”
鉄雷(ラグニル)”が禁断の”悪魔の実”と一緒に宝物庫に保管されていたことです。確かに、アウルスト城にやって来たロキが持っている武器は”ラグニル”とは別の鉄槌でした。
”ラグニル”もエルバフの秘宝の一つということなのでしょう。
正気を失った後のハラルドは、ヤルルから貰った名剣をヤルルに返し(頭に突き刺し)「
おれは実を食って”鉄雷”を手に入れる」と発言しています。
ロキがいざ宝物庫に着くと、禁断の”悪魔の実”が入っていると思われる宝箱の後ろに置かれた”ラグニル”がカタカタと動き出し、
「ゲッゲッゲッゲ!!」と鳴いて(?)、”ラグニル”がひとりでにロキに襲いかかってきたのでした。
ロキは咄嗟に「うわァ!!! 誰だ!!?」と叫んでいますが、見る限り、”ラグニル”を振っている人物は見えません。それに外から鍵がかかった宝物庫の中に人が籠っていたとは考えにくいです。
そうなると
”ラグニル”が動物系悪魔の実を食べた武器というのが妥当なところです。
禁断の”悪魔の実”を守る番人でもあるのでしょうか。
”ラグニル”は雷を落とす力がありますから、
幻獣種とすれば、エルバフと関連深い北欧神話で雷といえばトールですから、ヒトヒトの実 幻獣種 モデル・トールになるでしょうか。トールの武器も槌ですから、打って付けではあります。
・浅海契約
14年前、エルバフのギャバンを訪ねた
シャンクスがイム(シャンクスは「御大」と呼ばれる奴として認識)との契約について説明しています。
基本的にこれまでの本編から読み取れる内容ですが、初出の情報として、
「浅海契約」だけでもイムの能力圏内では契約者はイムに逆らえなくなるそうです。
それを理由に、シャンクスはマリージョアではハラルドに対して冷たかったものの(
1167話)、マリージョアの外ではハラルドと少し話したりしていたそうです。が、同じ”従刃”である
ハラルドとまともに会話することができない理由にはなっていません。
イムの能力圏内ではイムに逆らえなくなることの他にも、おそらく
能力圏内では言動がイムに感知されるのではないかと考えられます。
ただし、言動となると、タイガーの脱出を支援したシャンクスの行動(
1167話)も感知されてしまいますから、イムが感知できるのは会話のみなのでしょうか。それとも、タイガーの事件が発生した当時、シャンクスはまだ「浅海契約」を結んでいなかったのでしょうか。
マリージョアの外とはいえ、アウルスト城の事件で「深海契約」を結んでいるハラルドを止めにシャンクスが現れたのも、かなり不味い行動のようにも見えます。しかし、それでもイムへの叛逆はバレていないということなのでしょうね。
ところで「浅海契約」って、イムの存在を知らない状態で一方的に、かつ遠隔で結んでいる契約に見えるのですが、それでいてイムに逆らえなくなるとは、能力としてあまりにも強すぎませんか・・;
しかも、「深海契約」「深々海契約」とは違って、契約数は無制限ですから。
イムの強力すぎる能力には相応の副作用があるはずですが、イムはそれを無効化しているのかもしれません。例えば、寿命を削る類の副作用であれば、イム自身が”オペオペの実”の「不老手術」を受けているなどして、その問題を解決しているのではないかと考えられます。
また、「浅海契約」を結んでいる状態では、
シャンクスは”ワンピース”を手に入れてもイムを打倒することはできないわけですが、マークがついている左腕を失ったことで、契約は解消されたのでしょうか。
契約解消の条件をシャンクスは知り得ないはずですし、意図的に失ったとすればルフィに対して悪すぎるので、そうは考えたくないものです。契約が解消されているのならば、意図せず左腕を失って、結果的に契約が解消されていたするのが腑に落ちるところです。
