コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が経済産業省の受託事業として実施しているマンガ・アニメの海賊版対策プロジェクト「
Manga‐Anime Guardians (MAG) PROJECT」の成果が明らかになりました。
同プロジェクトは国が把握している海外の動画共有・投稿サイト、ストレージサイト、トレントサイト等を対象に海賊版コンテンツの削除要請をするとともに、正規版サイトへの誘導、国内外のユーザーへの啓蒙を行うというもの。
8月1日から開始された5ヶ月間に渡る大規模削除により
・マンガ 577作品を対象に447,096件を削除 削除率60%を達成
・アニメ 90作品を対象に264,601件を削除 削除率89%を達成
したとのことです。対象とした海賊版サイトは約580サイトです。
<対象サイト例>
サイト名 |
運営 |
上位アクセス国 |
マンガ |
goodmanga.net |
ドイツ |
米国、フィリピン、カナダ |
Mangapark.com |
カナダ |
米国、タイ、ベトナム |
uploaded.net |
オランダ |
米国、フランス、ブラジル |
rapidgator.net |
ロシア |
米国、日本、フランス |
bitshare.com |
米国 |
ドイツ、ブラジル、日本 |
torrentdownloads.me |
カナダ |
インド、米国、イタリア |
アニメ |
56.com |
中国 |
中国、米国 |
Anitube |
ブラジル |
日本、ブラジル |
Dailymotion |
フランス |
米国、パキスタン、フランス |
FC2動画 |
米国 |
日本、台湾 |
大きな活動成果を上げた同プロジェクトですが、正規版の売上げ増加実績みたいなものは明らかになっておらず、正規版サイトへの誘導がうまくいっているかは疑問です。正規版サイトのコンテンツもまだ充実しておらず、海賊版コンテンツの削除により海賊版を試聴していた海外ユーザーが単純に”観ることができない”状況になれば、どうせ新たにアップロードされてイタチごっこになるだけですからね。
なお東京ビッグサイトで今月21、22日に開催されるアニメ展示会「AnimeJapan 2015」ではMAG PROJECTのブースが出展されるとのことで、22日にはSKE48松井玲奈さんをゲストに迎え、鳥嶋和彦氏(集英社)、夏目公一朗氏(アニプレックス)により、MAG PROJECTの活動成果と今後の活動予定についてトークセッションが実施されるとのことです。
削除要請をしたのに海賊版コンテンツを削除できなかったサイトについては、おそらく要請を無視されたのでしょうから、次の段階であろう法的措置に乗り出すか注目です。