■ ONE PIECE novel LAW
2020年4月3日発売予定
出版社:集英社
原作:尾田栄一郎
著者:坂上秋成
判型:新書
価格:814円
【あらすじ】
北の海”スワロー島で恩人コラソンと死に別れたローは、オペオペの実”の能力で珀鉛病を克服、「ギブ&テイク」を信条とする発明家ヴォルフと出会う。寝床と飯をもらう代わりにヴォルフの手伝いを始めたローは、ある日、島の海岸でいじめられている白クマを救出、彼を子分にする。その白クマこそ、のちにハートの海賊団の航海士となるベポであった。ベポをいじめていた少年のシャチとペンギンからも慕われ始め、4人はスワロー島にまつわる「海底を飛ぶツバメ」という不思議な噂の謎を追う。だが、彼らの前に凶悪な海賊が立ちはだかり…。ハートの海賊団結成までをノベライズ!
――今も続いていて巻数が一番多いタイトルというと……?
千葉:『ハイキュー!!』ですね。各キャラ、各学校にファンがいる作品ですから、まったくネタ切れせずに続けられています。最近本誌で「2年後……」という時間を一気に飛ばす展開がされてみなさん驚かれたと思いますが、われわれからすると「その2年間のことを書ける!」。それは「週刊少年ジャンプ」編集長の中野(博之)にも言われました。もちろん読者それぞれがその2年のことを想像して楽しんでいらっしゃると思います。j BOOKSは「小説で書かれていることが公式の見解です」とまで強くは言いません。ただ「こんな話もあっていいのでは」くらいに受け取ってもらえればと思って作っています。
――でも公式感は大事にされていますよね?
千葉:私たち自身、その点には自負を持って制作しています。マンガ家さんの監修があり、絵も描いていただくという点に限らず、小説家も担当編集者も作品に思い入れがある人を選び、原作ファンに寄り添い、本当に喜んでいただけるものをつくることで公式感を最大化したい。
小説まで買ってくださるのは想いの強いファンです。また、間近でマンガ家さんや編集部の苦労を見て「毎週あの熱量のマンガを作るのはどれだけ大変か」をひしひしと感じていますから、原作者ではない別の作家が書くものであっても「このキャラの言葉は本物だ」と読者が思ってくれるものを目指して作っています。
ですからネットの反応は良いことも批判的なことも両方受けとめ、次に活かしています。「このキャラをこんな風に書いたら反響がよかった/よくなかった」は顕著にわかりますから。
――企画の立て方はどんなパターンが多いですか?
千葉:一番多いのはマンガ担当とノベライズ担当がやりとりをして出てきたネタを作家さんに話してプロットを出してもらう、というものですね。「もともと小説を書きたかった」というマンガ家さんもいて、積極的にアイデア出しをしてくださることもあります。
――j BOOKS読者の年齢は?
千葉:各マンガの読者の平均年齢と近いと思います。ただ性別で言うと小説はマンガよりも女性読者が多いですね。キャラへの理解をより深めたいと思ってくださるのは女性なのかなと。実は『鬼滅の刃』の読者には小学生も多いですが一方で40代女性も多く、はじめは「子どもの分を買っているのかな?」と思いきや頑張り屋の炭治郎が母性をくすぐるらしく、ご本人が読んでいることも多いようです。逆に読者の平均年齢が低いのは『約束のネバーランド』ですね、中高生どころか小学生でも読んでいる子がいます。謎解き、パズル的な感じがよかったのかなと。もしも出せるとしたらみらい文庫でも『約束のネバーランド』は売れそうだと思っています。
――両方出ているタイトルもあるんですか?
千葉:はい、映画ノベライズ『斉木楠雄のψ難』のように両方で出して両方売れるタイトルもあります。みらい文庫は児童文庫棚、j BOOKSはコミックス棚に置いてありますから、読者が意外とかぶらないんです。
――j BOOKS作品の読まれ方の特徴は?
千葉:先ほども言った通り熱量の高い原作ファンが読んでくださることが多く、「編集部の中の人かな?」とわれわれが思ってしまうくらい一話一話について深くレビューを書いてくださる方もいます。最近ではソフトカバーの本でも学校図書館に入れてくれるようになりまして「学校で読んだ」「朝読で読んだ」という人も増えてきた印象があります。
(Real Sound「『鬼滅の刃』ノベライズ100万部突破で注目 JUMP j BOOKS編集長が語る、公式スピンオフにかける熱意」から抜粋)