・ベッジのオーマイファミリー
万国(トットランド)を無事脱出したファイアタンク海賊団のその後が描かれている短期集中表紙連載「”ギャング”ベッジのオーマイファミリー」。ドレスローザでローラを見つけたファイアタンク海賊団は、海岸でパウンドにも遭遇します(Vol.29〜30)。ローラ、シフォン、パウンド親子がファイアタンク海賊団の中に全員収まることになるのかと思いきや、パウンドは娘姉妹に「父を名乗る変な男」と見られて逃げられてしまいます(笑)。
この短期連載、終わるかと思ったらまだ続くようです。正直、パウンド親子がどうなろうとあまり興味がないのですが、ストーリー本編にパウンド親子の動向が関わることがあるのでしょうか。
・鬼ヶ島の戦い
鬼ヶ島の裏口には正面入口から迂回して進軍した東軍と南軍が到着。各軍を率いていた
錦えもんと
傳ジローが既に到着していた赤鞘の侍達(
イヌアラシ、
河松、
アシュラ童子、
雷ぞう、
菊之丞、
ネコマムシ、
イゾウ)と合流しています。
前回、百獣海賊団を従えて待ち構えていた
カン十郎はやはり敗れた模様です(前回、示唆する描写があった)。今回、カン十郎が描いた首なしの武者の姿は見えず、カン十郎から血が流れていることから、このカン十郎は能力で描かれた偽物ではないと思われます。状況的にカン十郎が死亡したと読めますが、首ははねられていないため、まだ生きている可能性は否定できません(『ONE PIECE』故に)。
前回、
カイドウは
オロチを斬り殺し、「新鬼ヶ島」計画(百獣海賊団による傀儡ではないワノ国の完全な乗っ取り)を発表しました。カイドウはオロチの部下に百獣海賊団に加わるか、敵対してここで死ぬか選べと問いましたが、お庭番衆(忍者軍)5千人を率いる
福ロクジュと、見廻り組の総長・
ホテイは侍衆5千人を代表して、オロチに仕えることを宣言します。元より光月家を裏切るほど忠義の高くない打算的な忍者軍は福ロクジュの決定に安堵し、侍衆はというと「オロチ様……まァいいか…」という有様で、カイドウVS光月家VS元オロチ軍という弔い合戦の形にはなりそうにありません。オロチの人望の無さが窺えます。
カイドウが「新鬼ヶ島」計画を発表した後、
モモの助の処刑が行われようとしていたライブフロアには侍達の潜入組が裏口からの襲撃を待っており、麦わらの一味も続々と集結しつつありました(フランキー、ブルック、サンジは不明)。赤鞘の侍と裏口で行動を別にしていたハートの海賊団(ロー、ベポ、シャチ、ペンギン)も別ルートですでに屋敷に侵入している模様です。ヤマトとルフィがライブフロアに向かった情報を受けた飛び六胞の面々もライブフロアに集まりつつあります。ビッグ・マムやキッドもいますから相当な密です。
ルフィはカイドウの息子(娘)である
ヤマトが一緒に戦うことを確認して、彼(彼女)をワノ国に監禁状態にさせている手錠を覇気を使って外したところ、これが大爆発。ヤマトはカイドウが本気で息子(娘)の自分を殺すつもりだったことを知り、カイドウを倒す決意を固くするのでした。手錠の爆発とともにルフィとヤマトはライブフロアに到着。ルフィはカイドウのもとに向かおうとするヤマトを制止して「この決戦を始めるのはおれ達じゃねェ」と言います。
間も無く、カイドウと大看板3人(キング、クイーン、ジャック)の背後から赤鞘の侍達が突入。不意を打ち、おでんの仇であるカイドウに一斉に斬りかかります。
「スナ〜〜〜ッチ!!!!」
「捨名知(スナッチ)」とは九里の古い方言で、”名前”と”知恵”を捨てて頭を空っぽにすれば何事にも怖くないという自身を鼓舞する勇猛な掛け声(
950話)でした。侍達は帰りの船を沈めており、錦えもんがイゾウに「ここでいいのか?死に場所は」(986話)と声をかけており、決死の覚悟で臨んでいることが窺えます。さらに、カイドウとの問答(987話)で、錦えもんは光月家の侍が全員死んだとしても海賊王になるルフィさえ生き残れば、おでんとの約束(ワノ国の開国)が果たされ、ワノ国に必ず”夜明け”が訪れると信じているようです。
硬い鱗の皮膚で守られているカイドウは不意打ちを受けてもなお「てめェらの刀などおれには」効かないと慢心していましたが、赤鞘の侍達に光月おでんの姿が見えるのでした。かつて自身に唯一キズを負わせた男の姿が。おでんは死に際に「ウチの侍達をナメンじゃねェぞ」と言いました。そして、赤鞘の侍の刀がカイドウの体に突き刺さります。さらに、おでんから受けた20年前の古傷がなぜか痛むのでした。
この時、実際にカイドウに刀を刺したと思われる(描写がある)のは、錦えもん、傳ジロー、菊之丞、アシュラ童子です。おでんの霊的な力も感じられ、困惑するカイドウですが、赤鞘の侍達も
おでんの流桜を使えるのかと考察しています。ここで言う「おでんの流桜」とは内部から破壊する覇気に類するものでしょう。原理としては硬い鱗を内部から破壊しつつ斬るといった感じでしょうか。雷ぞうもカイドウの首に刀を当てていましたが(単に首を刀でロックしていただけ?)切れた様子はなく、忍者の雷ぞうは「おでんの流桜」を習得していないと思われます。ともかく、おでんが持っていた大業物21工の名刀「天羽々斬」あるいは「閻魔」でなくても、内部から破壊する覇気に類する力がればカイドウに傷を負わせることができると証明された形です。
つまり、ルフィがカイドウ、ビッグ・マムと十分張り合えるわけです。一方、「閻魔」を手に入れたゾロ(955話)は「おでんの流桜」に類する覇気を習得しているかは不明で、カイドウとビッグ・マムに有効打を与えることができるかは定かではありません。
赤鞘の侍達によって決戦の火蓋が切られ、潜入組は正体を明かし、襲撃組が裏口から続々と侵入。鬼ヶ島にて百獣海賊団(+ビッグ・マム+元オロチ軍)との全面戦争の始まりです。正面入り口からは
マルコと
ペロスペローがなぜか一緒に侵入してきています。単独で鬼ヶ島に向かったペロスペローの目的はビッグ・マム海賊団と百獣海賊団の同盟結成の阻止、マルコとキングへの復讐のはずで、マルコと出会えば交戦になりそうなものですが、マルコとの利害一致でまずは百獣海賊団を潰すということで手を打ったのでしょうか。ところで、ペロスペローの走る描写がブルックと同じダバダバ(?)走りになっているのがちょっと笑えますw
カイドウは「世界一の戦力を見せてやる」と早速、獣型の龍の姿に変身して屋敷の天井を突き破り、赤鞘の侍達との戦いの場をドクロドームの屋上に移します。ところが、それを見越していたのはネコマムシとイヌアラシでした。カイドウが龍の姿になれば、屋敷の中では戦えないだろうと踏み、ミンク族の兵力をドクロドームの屋上に配していたのでした。
そして好都合なことに、一面曇っていた空に晴れ間ができ、満月が見えています。いよいよ、ネコマムシとイヌアラシの
月の獅子(スーロン)のお目見え。ミンク族の本領発揮です。