・海賊島の宝
44年前にロックス海賊団が旗揚げして以来、わずか2年のうちに記録された事件の記録は下記の通りです。
襲撃事件 16件
沈めた船 76隻
焼かれた港 14港
滅んだ町 5ヵ所
崩壊した国 1ヵ国
「世界法」第18条違反特殊案件 3件
抹消された犯罪履歴 25件
「世界法」第18条違反というのはさっぱり分かりませんけども、犯罪履歴の抹消はロックスが「花の部屋」に侵入(
1155話)したような、政府にとって公にすること自体が阻まれる都合の悪い事件だと考えられます。
それがわずか2年で「25件」もあるわけです。
42年前、絶大な人気があった
シャクヤク(シャッキー)が九蛇海賊団の船長を辞めたことが報じられます。
前回(44年前)、先代の
グロリオーサ(後のニョン婆)はロジャーに片想いをして恋煩いを発症しており、その後、すぐに交代したとしても、シャクヤクがアマゾン・リリーの皇帝だったのはわずか2年ということになります。
グロリオーサと同じく、シャクヤクも恋煩いを患って海外に脱出したわけですが、その居場所はグロリオーサがロックス海賊団であるのに対して、シャクヤクもまた海賊島に身を寄せます。ただし、この時点で海賊から足を洗っており、海軍から逃れるために海賊島にやって来たのでした。
そして早速、シャクヤクは海賊島で生計を立てるため、BARをオープンします。
その名も「
シャッキー's ぼったくりBAR」。
シャボンディ諸島にある「シャッキー's ぼったくりBAR」の前店舗ということですね。
アイドルの降臨にロックス海賊団も含めて海賊達はメロメロで、シャクヤクは海賊島の「
海賊達にとって失う事のできない「宝」」となっていきます。
そう、「
海賊島の宝」(
1096話)とは、シャクヤクのことだったようです。
38年前のゴッドバレー事件の舞台となったゴッドバレーは、天竜人達が当時3年に1度開催していた「先住民一掃大会」に選ばれた非加盟国ですが、そこに
ロックス海賊団をはじめとして海賊達が現れたのは「海賊島の宝」を奪い返しに来たためでした(
1096話)。
「先住民一掃大会」の賞品には”ニキュニキュの実”と”ウオウオの実”が用意されており、カイドウとリンリンの発言から彼らのお目当ては悪魔の実と見られました。結果的に、「静かに奪うモン奪ってトンズラだよ」と言っていた
リンリンが ”ウオウオの実”を手に入れており、「海賊島の宝」とは悪魔の実と考えることができましたが、高々、悪魔の実に大ごとすぎるため多少の疑問はありました(
1096話考察)。
「海賊島の宝」がシャクヤクで、悪魔の実はオマケとして、
1096話を改めて見返すと筋は通っているように見えます。つまり、
シャクヤクは「先住民一掃大会」の豪華賞品に加えるために攫われたと考えられます。
ガープ:「ハチノス」をつつくなとおれは言ってた!! ナメすぎだ
アレは海賊島の宝だ!! そりゃ取り返しに来るだろうな
ー護衛も充分つけたんだろ?なぜ怯える
コング:いや それが……まさかロジャーも動くとは…
ガープ:先に言え!!! 行く!!!
海賊島の海賊達:先を越された!! ロックス海賊団が出航した!!
海賊島の海賊達:おれ達もいくぞ 急げ!!!
海賊島の海賊達:海賊界の大事件だ!!!
「アレ」と呼んでいるのが、まさか女性だと思わないわけですが、
ガープらしいと言えばガープらしく、上手いギミックでした。
また、
ロジャーもシャクヤクにぞっこんだったため(
1156話)、ゴッドバレー事件に海賊島の海賊達だけでなくロジャー海賊団も居合わせたことに納得できます。
ロックス:おれに続け「ロックス海賊団」!!
ニューゲート:おい待てロックス!! 誰が部下になった!? アホんだら
ステューシー:ニューゲートったら!! アンタもなの!?
グロリオーサ:見苦しいね ステューシー
ステューシー:オメーもだろ グロリオーサ
ロックス海賊団がゴッドバレーに着いた時のこちらの会話を紐解くと、ニューゲートに惚れているステューシーは、ニューゲートもロックスらと同じくシャクヤクに惚れているのかと動揺しており、グロリオーサに「見苦しいね」と言われて「オメーもだろ」と返しているのは、グロリオーサが惚れているロジャーもシャクヤクの奪還に駆けつけたためだと考えられます。
ロジャー:一年だぞ!! おれが一体どんな気持ちで過ごしたか!!
ギャバン:ロジャー!! この件に船長特権はねェからな!!
レイリー:荒れそうだな…
このロジャーのセリフはまだよく分からないのですけど、ギャバンが「この件に船長特権はねェからな」と確認しているのがシャクヤク救出の件だとすれば(つまり、誰がシャクヤクの王子様になるか)、文脈的に、
ロジャーは1年間、シャクヤクに会えない状況になっていたと読み取れます。
シャクヤク救出のために多数の名だたる海賊がゴッドバレーに集結したようですが、これだけでは結局、ガープとロジャーが共闘してロックス海賊団と戦う構図(
957話)にならないため、シャクヤクが攫われたのはゴッドバレー事件のきっかけの一つに過ぎないわけです。
「
ロックスのバカはきっと目的を見失う」(
1096話)とニューゲートが予言していたように、ロックスが暴走して、ロジャー、ガープと衝突することになるわけです。
ロジャー:待てロックス!!!
ロックス:邪魔だロジャー!!!
ゴッドバレー事件における
ガープの功績は、ロックス海賊団の壊滅と天竜人を守ったこととされているため(ガープは天竜人の奴隷達を守ろうとして結果的に天竜人を守った形)(
957話)、ロックスの敵意が天竜人に向かったものと考えられます。ロックスにとっては、シャクヤク以外は守る価値はないでしょうしね。
そこにロジャーが干渉したのも、おそらくガープと同じ理由で、天竜人の奴隷達を守るためだったと考えられます。
ちなみに、シャクヤクは最終的に
レイリーに救出されたんでしょうかね。
・加盟の条件
ロックス海賊団が名を上げいた頃(
42年前頃)、エルバフの世界政府加盟を画策する
ハラルドは政府の軍艦を沈めるという失態を起こしていました。
これはエルバフの友好国であり世界政府非加盟国の「エニシ」の国民に対して、世界政府の役人が非加盟国の人間には人権がないとして危害を加えたことが原因ですが、ハラルドはそれでもなお、世界政府加盟を諦めておらず、
誠意を示すために頭を丸めていました。
ロックスは相変わらず、ハラルドを勧誘するためエルバフに訪れており、イーダの酒場でハラルドと酒を飲み交わすぐらいの仲になっていました。ハラルドとしては、悪名が高まったロックスを国に入れるわけにはいかないという理由もあったようですが。
一方、五老星は世界政府加盟を希望するエルバフに対して、加盟の条件に「
ロックスの殺害」を提示するのでした。
ロックスは現在までに死亡しているされる人物ですが(
957話)、現状、エルバフが世界政府加盟国ではないことから、この条件は達成されなかったものと考えられます。
そもそも、ゴッドバレー事件でロックス海賊団は壊滅したとされていますが、後に名を上げたロックス海賊団出身の海賊は白ひげ、ビッグ・マム、カイドウ、金獅子、王直、銀斧、キャプテン・ジョンらが挙げられ(
957話)、その他、ステューシー、グロリオーサら主要メンバーの生存が確認できるため、”壊滅”とは言い難い状況です。
それでも”壊滅”と言うことができるのだとすれば、少なくともゴッドバレー事件が
ロックスの死に関与していると考えられます。普通に考えれば、逮捕されて死刑を受けたのでしょう。
ロックス海賊団はロックスの大きな野望が果たされた時(マリージョアの占領)の儲けのために集まっている集団ですので、ロックスを失えば、自然消滅するだけです。
ともかく、
ハラルドがロックスを殺害することはなかった、もしくは出来なかったと考えられます。
そして今回、ハラルドが頭を丸めた経緯から、ハラルドが頭の角をもいだのも何か大きな失態をした、もしくは加盟のために誠意を示すためだったと考えられます。
ロックスを殺害できなかった代わりに、角をもいで誠意を示したと考えるのが妥当でしょうか。
おそらく世界政府はこのハラルドの態度に付け込んで、
新たな加盟条件をハラルドに突きつけたのではないでしょうか。
世界政府とハラルドの関係はそこから不穏になっていくと予想されます。
