・デービーと約束
前回、
38年前のゴッドバレー騒動の最中、
イムと対峙した
ロックスはイムの”
黒転支配(ドミ・リバーシ)”を受けて悪魔化し、デービー一族を根絶せよと命じられてしまいます。
ロックスは悪魔化に抗ってしばらく自我を保っており、イムと会話を続けることになるのですが、ここで重要な情報が出てきています。いつも通り断片的ではありますが。
イム:しぶといな…
ロックス:ぜェ…ぜェ…人間をナめんな 怪物…!!
「デービー・D・ジョーンズ」こそが…!! かつての”世界の王”の名だ!!!
イム:ぬかせ!! あいつが王だった事など一瞬たりともない!!!
ムーとデービーの因縁にヌシアは関係ない!!
ロックス:だったらビビんじゃねェよ!!! デービーの名前ごときに!!!
お前はずっと恐れてたんだろ…?
”デービー”の意志が……受け継がれいつか「約束」を果たしに来る事を!!!
どっちが恐い!? ”デービー・D・ジョーンズ”!! ”ジョイボーイ”!!!
イム:…夢を見るな!!…あんな奴らはもう二度と現れぬ…!!
ヌシアさえ消えればな…!!!
”デービー”…ムーは…”いい兵士”を見つけたのだ
巨大で無害 迷いのある一族
ロックス:!!巨人族か!?バカ野郎 ハラルドには手ェ出すな!!
あいつら平和を望んでんだ!!!
イム:そうともかつてないチャンス
かくも操り易い王は二度と現れまい
ロックス:おい!!!
イム:今のヌシアの様にだ!! さっさと…!! 終わらせろ!! ”デービーの夢”を!!!
前回までの考察(
1163話、
1159話)で、
デービー・D・ジョーンズとジョイボーイが同一人物である可能性について言及してきましたが、この会話からはそれが否定され、”空白の100年”には
イムと敵対する勢力の筆頭としてデービー・D・ジョーンズとジョイボーイの2人が存在していたことが窺えます。
しかし、魚人島の「約束」にしろ、”空白の100年”にしろ、これまでに名前が出ていたのは
ジョイボーイばかりです。ベガパンクも
”空白の100年”の物語の主人公はジョイボーイだと言っており(
1114話)、
デービー・ジョーンズについては伝説の海賊だとしか現在に伝わっていません。
一方、ロックスはデービー・D・ジョーンズが「かつての”
世界の王”」だと言っており、それを踏まえると、デービー・D・ジョーンズは”空白の100年”に存在した「高度な文明を持つ王国」(
1114話)の
国王だったのではないかと推察されます。
デービー・ジョーンズが伝説の海賊であることも真実だとすれば、国が滅んだ後、海賊に転身したということになるでしょうか。「巨大な戦い」の結果、
海面が 200 mも上昇したということですから(
1115話)、おかしな話ではないです。
一方、ジョイボーイについては「高度な文明を持つ王国」に生まれ、「この海で初めて”
海賊”と呼ばれた男」(
1114話)だとされており、だからこそ、これまでジョイボーイとデービー・D・ジョーンズの同一性について考えていたわけでした。
仮に
ジョイボーイとデービー・D・ジョーンズが行動を共にしていたとすると、一応、辻褄は合いますが、デービー・ジョーンズだけ伝説の海賊として一般に伝わっているのは少し変ではあります。
ただし、ベガパンクが語った”空白の100年”の仮説については、通信障害によって聞き取れていない部分があり(
1119話、
1122話)、ちょうど”D”の名を持つ者達に語りかけていたところですから、この伏せられていた余白にデービーが含まれている可能性はありそうです。
「”デービー”の意志」「約束」「”デービーの夢”」…これらのデービーに関するワードは「約束」は完全にそうですし、残りの2つも何となくジョイボーイと共通点がありそうなものです。そして、これらはイムにとって都合が悪いようですから、
ジョイボーイとデービー・D・ジョーンズは同じ意志を持っていたのではないかと考えられます。
オハラの学者達は
「高度な文明を持つ王国」の思想が世界政府(の前身の20カ国連合軍)にとって危険なものであったために滅ぼされたと考察しているわけですが(395話)、国王がデービー・D・ジョーンズであれば、王国の思想とは”デービーの夢”であり、それがイムにとって都合が悪いというのは合点がいきます。
ルフィ(=ジョイボーイ)、しらほし(=ポセイドン)、モモの助、ロキ…という具合に何やら物語の鍵となりそうな人物は揃ってきているわけですが、イムが「あんな奴らはもう二度と現れぬ」と言う「あんな奴ら」には間違いなくデービー・D・ジョーンズが含まれており、
彼の役割を担う人物は必要なのか気になるところです。
その候補には立場上、デービー一族の生き残りである
ティーチが有力であり、最終的にティーチとルフィが共闘する、まさかの激アツ展開があったりするのでしょうか。
なお、ティーチとその母
エリスは悪魔化したロックスに追われ、前方からは海軍の砲撃を受けて絶体絶命の状況になっていましたが、突如現れた
くまがニキュニキュの実の能力で2人を飛ばして救出するのでした。
ティーチの生存は確定しており、白ひげ海賊団に拾われた時点では孤児だったので、エリスはゴッドバレーで亡くなりそうな予感がしていました、案外無事でした。
