LOGPIECE(ワンピースブログ)〜シャボンディ諸島より配信中〜 『ONE PIECE』第63巻、人種差別のアナロジーで物語に深み
ONE PIECEのBLOG、略してLOGPIECE。 ワンピースフィギュアを飾って楽しんでます。

るるぶワンピース
最新コメント
[03/29 名も無き島民]
[03/28 ブロンディの小さなライオン]
[03/26 そ]
[03/25 名も無き島民]
[03/21 そ]
[03/20 名も無き島民]
[03/16 coppa]
[03/13 名も無き島民]
[03/12 ハン・ソロ]
[03/09 名も無き島民]
ブログ内検索
-
 尾田栄一郎が『週刊少年ジャンプ』に連載中の漫画『ONE PIECE』第63巻が、8月4日に発売された。押しも押される大人気娯楽漫画であるが、人種差別を連想させる設定が盛り込まれ、物語に深みが増している。
 この巻は前巻からの魚人島編の続きである。前半は麦わらの一味が引き起こす魚人島での騒動と新魚人海賊団の襲撃を描く。ルフィは、しらほし姫を連れて「海の森」を目指す。後半は回想シーンで魚人島の悲しい歴史が明らかになる。タイガー・フィッシャーとオトヒメ王妃という異なる道を選択した二人の指導者が中心であるが、ジンべエやアーロンの若い頃も描かれる。

 『ONE PIECE』は壮大な一続きの物語であるが、スリラーバーク編やマリンフォード編などの複数のエピソードに分かれている。魚人島編の直前のマリンフォード編は世界政府海軍や白ひげ海賊団、王下七武海が一堂に会して大盛り上がりとなった。その直後ということで魚人島編への期待も高かったが、マリンフォード編の続きを期待する向きには肩透かしとなった。新しい海軍元帥は誰かなどのマリンフォード編が生んだ謎の解明は、お預けとなっている。

 この展開は空島編と共通する。空島編もグランドライン突入後からの大きな話であるアラバスタ編の直後のエピソードであった。しかし、空島編は空中に浮かぶ空島という隔絶された場所を舞台とした独立性の高い話になった。空中に浮かぶ空島と海底にある魚人島、大地(ヴァース)を求める空島の住民と太陽に憧れる魚人というように空島編と魚人島編は設定が好対照となっている。
 そして社会問題へのアナロジーという点でも空島編と魚人島編は共通する。空島編では先祖代々居住していた土地を追い出された先住民シャンディアと神エネルの対立が背景にあった。これはパレスチナ問題を連想させる。そして魚人島編も人間による魚人や人魚への差別が背景にある。登場人物の人魚に「人間が姿形の違う者達を区別したがる気持ちが分からない」と語らせている。これは強烈な人種差別批判である。
 『ONE PIECE』は今の日本で娯楽漫画の頂点に立つ存在である。この巻の初版発行部数は390万部で国内最高記録を更新した。娯楽性を維持しながらも、ストーリーが盛り上がった直後に、パレスチナ問題や人種差別のような社会的なテーマを連想させるエピソードが挿入される。やはり『ONE PIECE』は侮れない。

(リアルライブ;著・林田力)


63巻616話のトムの弟デンの言葉が強烈なメッセージ性を持っています。
トム(※コンゴウフグの魚人)とデン(※オオカミウオの人魚)が兄弟なのに似ていないことに戸惑うフランキーに対して、

デン 「ハハハ”人間”らしい考え方だ。地上に住む種族達は家族で姿が似ることが多いもんな。魚人は少し違うんだ。魚人は魚人の、人魚は人魚の古~い記憶を遺伝子に宿している。タコの人魚の親からサメの人魚が生まれたら、それはその親の古~~い先祖の誰かがサメの人魚だったという事さ」
(※魚人と人魚の間に生まれる子どもは魚人と人魚どちらかになる)

デン 「魚人島では誰がどんな子を産もうと何ら不思議じゃないんだよ。だから君ら人間が姿形の違う者達を区別したがる気持ちが本来・・・僕らには理解できないんだ


誰もがギクッとしてしまう痛烈なメッセージです。
「人種差別」だけにはとどまらない裏テーマが「魚人島編」にあります。

拍手

この記事にコメントする
Vodafone絵文字i-mode絵文字Ezweb絵文字
NAME:
TITLE:
COMMENT:
批判に関して
隆明
魚人島編のテーマは「人種差別」の他に、ナミとベルメールの救済の為に用意されたんだと思っています。
ナミの立場からすれば、なぜベルメールがあのような形で死ななければならなかったのか今でも納得が出来ていなかったと思うんですよね。
それなのに、一部の批判内容はこういった尾田先生の意図を汲み取らずに表面的な批判だけを繰り返しているように感じられます。
特に、アーロン一味の同情を誘う、海軍=外道というふうに誘導しているのでくだらないとの批判が多数見受けられましたが、オハラ島バスターコール等、海軍が非人道的な行いをしてきたのは何も今にはじまったことではありませんし、管理人様も仰られていたように、フィッシャー・タイガーの存在に関しましても当初から構想に入っており、後付で追加されたものではないと思います。
作品に対する批判的な意見全てを否定している訳ではありませんが、肯定派の人格まで否定するかの表現は不適切だと思います。(私も含めて)
2011/08/09(Tue)21:28:52
Re:批判に関して
シャボンディ島民
隆明さんはコメントが神出鬼没ですねw

魚人島編そのものに対する批判は私が知るところではないので、コメントしづらいのですが、1つアドバイスとしては、隆明さんはあまりそういった(どういった?w)サイトは閲覧しない方がいいと思いますよ。だって疲れるでしょう?w
2011/08/10(Wed) 02:15
≪ Next   │HOME│  Prev ≫

[1098] [1097] [1096] [1095] [1094] [1093] [1092] [1091] [1090] [1089] [1088]