LOGPIECE(ワンピースブログ)〜シャボンディ諸島より配信中〜 【映画】 長峯監督「温泉のシーンは青キジのために作りました」 【Z】
ONE PIECEのBLOG、略してLOGPIECE。 ワンピースフィギュアを飾って楽しんでます。

シャボンディ新聞(twitter)
最新コメント
[11/19 coppa]
[11/18 名も無き島民]
[11/17 てれさ]
[11/11 coppa]
[11/07 か]
[11/06 coppa]
[11/03 アリ]
[11/02 coppa]
[10/31 名も無き島民]
[10/30 coppa]
ブログ内検索
懸賞金(アクセスカウンター)
-
海賊王、ふざけるな!が出発点「ONE PIECE FILM Z」長峯監督インタビュー

fa118454.jpeg 12月15日に公開された『ONE PIECE』3年ぶりの長編映画「ONE PIECE FILM Z」。公開わずか2日、2012年度の邦画作品最速での観客動員100万人を突破し114万人を動員、興行収入も驚異の約14億円と前作「STRONG WORLD」の興行収入48億円を早々に越えそうな勢いを見せている。原作者・尾田栄一郎が総合プロデューサーを務め、脚本を放送作家・鈴木おさむ、声優陣にも篠原涼子、香川照之など豪華なメンバーが顔を揃えたことでも話題を集めているが、そんなプロフェッショナルな面々をまとめあげたのが、本作でメガホンをとった東映アニメーションの長峯達也監督だ。映画製作の舞台裏には何があったのか? 大ヒットの要因は何か? そして長峯監督自身について話を聞きました。

《みんな、スタンダードなドラマが好き》
─── 大ヒットおめでとうございます。監督にも反響は届いてるんじゃないですか?
長峯 ありがとうございます。あと、すみません、ヒゲ剃るの忘れてきました(笑)。えっと、反響ですよね。普段アニメは見ないけど、僕が監督だから見たよ、という親戚のおばさんからも「わかった!」って言ってもらえましたね(笑) ”Z”はアニメにまったく興味がない人にもワンピースの世界の一端を見てもらえる切っ掛けになるかもしれませんね。

─── 確かに、ワンピースらしい、熱くて直球な物語でした。
長峯 「今の子どもたちに熱血は流行らない」と言う人もたまにいるんですけど、やっぱりみんなこういうスタンダードなドラマが好きなんだな、というのが再確認できました。

─── 原作者の尾田さんも常々「ワンピースは子どものもの」という発言をしています。同時に、大人のファンも「ワンピース」にはたくさんいる。その中で、どこに向けて作ろう、といった意識はありましたか?
長峯 完全に子どもに向けて作りました。僕としては「アニメって大人は見ない」と思っていますので。

─── 言いきりますか?
長峯 大人は見ない、っていうのは、いわゆる「完成された大人は見ない」ということ。要は、年齢的・肉体的に大人になったとしても「心に子どもがいる」かどうか。子どもの心が残っている人がアニメを見るんだろうと思っているので。だから、少年漫画に魅了されていたかつての自分に対しても作ってます。心に今でもある小学生の自分に。大人と呼ばれる人たちにはこの”Z”を見る時は子供みたいに素直にドキドキ、ワクワクして欲しいです。

─── プリキュアなどの「女の子向け作品」が多い印象がありますが、今回の映画はまさに「男の物語」。ギャップはなかったですか?
長峯 見せ方の趣向は変わってきますよね。「女の子向け作品」の場合、主人公……例えばプリキュアたちが「こうしたい」「こうなりたい」という「希望」がそのまま力になって敵や障害を打ち破るんですね。でも、「男の子向け」の場合、それじゃダメなんですよ。男の子の場合は理論・理屈が優先になってくるので、ちゃんと段取りを踏んで、修行をしたり、新しい装備を手に入れたり、仲間を集めたりして敵に対抗する術を提示しないといけない。それをやらないと、なんで敵や障害を打ち破る事が出来たのか納得出来なくて、ドラマやストーリー、熱い台詞も楽しめない。

─── 長峯さんはこれまで、ワンピースについてはTVシリーズでも関わっていませんでした。その中でいきなり「劇場版」というのは、どう感じましたか?
長峯 東映アニメーションのスタッフルームは、「プリキュア」の隣が「ワンピース」チームなんですよ。その様子を見ていてなんとなく、「自分もワンピースをそのうちやるんだろうなぁ」と思っていて、勝手にネタも溜め込んでいました(笑)。それに、ワンピースには15年の歴史がある。つまり「資料が15年分ある」という意味でもある。どうすれば「ONE PIECE」になるのか、というのは逆に探りやすいですよね。だから、徹底的に研究しようと、それくらいで。それと、原作がある中で劇場映画を作る場合は当然、原作者の考えた範疇の中で展開しなくちゃいけないじゃないですか。どんなにがんばっても原作者の手のひらの上……でもその上で出来るだけ暴れてみる。手のひらから落ちそうになっても今回は原作者が監修してくれるので、「駄目だよ落ちちゃうよ」と知らせてくれる。原作者が監修してくれたのは本当に有り難かったです。気が楽な所でした。

─── 気が楽だったんですか? むしろプレッシャーなのかと。
長峯 楽ですよ。だって、間違っていたら「違うよ」って言ってくれるわけですから。監修してくれる事でワンピースの世界観的にそこに住むキャラクターが変な事言ったり、おかしな行動をしなくてすむ。そこで「ONE PIECE」という世界が担保されるわけですからね。
 


《「拳で語り合う」が東映の勝ちパターン》
─── 今回は、敵役“ゼット”のキャラクターが特に印象的でした。
長峯 原作付き映画の問題点にもなるんですが、だいたい劇場版はスピンオフ、外伝的に作られることが多くなります。物語っていうのは、キャラクターが成長したり変わっていくことでドラマが生まれるんですが、劇場版では最終的に入り口と出口を一緒にしなければならないので、キャラクターの変化を描けないわけです。そうなると、たいがいの場合、何か問題を抱えたゲストキャラが登場し、そのゲストキャラの問題を主人公が解決して「よかったよかった」となるのが劇場版の定番のプロット。だから、主人公たちがいまいち活躍しなくて、いまいち面白くない。

─── そういう作品、ありますよね。主人公が空洞化してるというか……。
長峯 じゃあどうするかと考えまして、ゲストキャラ自体を敵にしてしまおうと。「海賊王に、おれはなるっ!」がルフィのテーマなので、そのアンチテーゼとして「海賊王、ふざけるな!」というところが出発点。今までのようなゲストキャラに問題を振るんじゃなくて、海賊を全滅させたい「アンチ・ルフィ」を出してドラマにしようと。結果、ゼットを強く描けば描くほど「海賊王に、おれはなるっ!」というルフィのテーマも浮き上がってくるわけです。

─── ルフィと敵キャラの殴り合いというのは、原作でもなかなか見られないガチンコ勝負で、見応えがありました。
長峯 ちょうど原作で「覇気」の設定が出てきたのが大きいですよね。覇気があるから、拳が効く。覇気がないと、ガツンと殴っても「効かねー、ゴムだから」で終わっちゃう。やっぱり、感情をぶつけあうには近くないとね。遠くから「おーい」とやっても伝わらない。そのために、さんざん疲れさせて、もうゴムの力を出すのも辛い、という状況に持っていったんです。やっぱり任侠もの、「拳で語り合う」っていうのは東映の勝ちパターンなんで。そこに持っていけば、絶対に負けないんで(笑) この場合の負けないって言うのは、絶対楽しんでもらえるって意味です。念のため。

─── 「仁義なき戦い」(笑)
長峯 睨みをきかせあいながら「おんどりゃぁ……撃てるのかよ……撃ったな!ぐぁ!!」「うわぁぁ、兄貴ぃぃ! 何故、よけないんです!!」とか。ギリギリの状況での命のやり取りと心と心のぶつかり合いのドラマ!! こんなシーンは今回の映画には出てきませんけど(笑)、それだけでもう面白いじゃないですか。それで役者さんの演技が良ければ、もう何やったって負けない! まあでも、やり過ぎると、女の人にはウケなくなっちゃうんですけど。

─── 演技の話が出ましたが、レギュラー声優陣の皆さんは10年以上「ワンピース」に携わってきた歴史があります。そういう方々に指示を出す難しさはなかったでしょうか。
長峯 指示というか、結局、優秀な役者さんは絵がちゃんとあってシチュエーションがちゃんとしていれば、どんな演技をすればいいかを的確に理解してくれる。だから、僕は演技についてじゃなくて、画面に映る状況や流れの説明をするだけです。もう、役者の皆さんにおんぶにだっこです。台詞まで考えてもらっちゃいました。僕がキャラクターについての理解が足りないせいか、サンジのバトルでの最後の台詞が思いつかなかったんです。思いあまって、サンジ役の平田広明さんに「サンジならなんて言いますかね?」って聞いたら平田さん、「次のシーンは何?」とだけ聞いてきて、そんなに時間かからないうちに、最後のあの、カッコいい決め台詞を

─── おぉ。平田さんに惚れそうです。
長峯 皆さん、もう10年以上演じているわけですからね。青キジ役の子安武人さんは久しぶりの出番だったわけですが、すごい熱を持って演じてくれました。映画の最後で、青キジの大事な台詞があるんですが、こっちはリテイクを出していないのに、何度も何度も繰り返してくれて。もう、演出も不要。こんなに楽しちゃっていいの? という感じで進めていましたね。


《温泉のシーンは青キジのため》
─── それにしても、青キジがとにかくカッコ良かったです。
長峯 僕も青キジを研究しようと思って原作を読み直したんですけど、青キジの人となりがわかるのが「デービーバックファイト」の後にちょっと出てくるくらいなんですよね。だから、台詞を作ったりシチュエーションを作るたびに尾田さんに「これでいいんですか?」と聞いていました。あと温泉のシーンは青キジのために作りました

─── そうなんですか!?
長峯 当初の設定にはあの場面はなくて、尾田さんから「青キジが今、どうなっているのか」を聞かされて、それから考えましたからね。「青キジの体は今、こうなっている」っていうのを表現しなくちゃいけないのに、わざわざ服脱いでさ、「俺、こんなんなっちゃった!」って見せたら変でしょ?

─── 変です(笑)
長峯 「俺痛いわー、足痛いわー、チラリなんてダメでしょ! 何それ? 超カッコ悪いってなっちゃう(笑)。だから、風呂に入るしかないよねと。本当にこの映画では慎重に青キジを扱いました。
今後の原作に影響を与えるわけにもいかないし、青キジの格を下げるわけにもいかないし。子安さんの演技には助けられてますね。だって、何しゃべらせてもカッコいいんだもん。おまけに歌まで歌わせちゃって。

─── 海軍の歌「海導」ですね。
長峯 音響にもこだわっているんですよ。最初から青キジの生の声だと入り込めないので、初めはBGM的に聞かせるように音をキレイにコントロールして、途中から「台詞としての歌」になるよう、気づかないように調整しているんです。そういう微妙なミキサーのこだわりもぜひ……聞いてください! でも、歌にスッと入り込める為のこだわりなので気づかれても困るかも。

─── 全然気づきませんでした。ちょっと聞き直してきます! あ、あと、初見だと気づきにくい点としては、オープニングもですよね。内容がゼットの半生になっていますが、初見だと気づかないうちに終わってしまいます。あれ、もったいないというか、もっとアピールした方がいいような……あのオープニングはカッコいいですね。
長峯 オープニングのクオリティにはこだわりましたね。「シャレード」とか、ああいう昔のハリウッド映画のオープニングみたいに、まったく違う作家さんに丸ごとやって貰いたかったんです。そして発注する時に「この映画の概要を見せたい」というコンセプトだけを伝えて、児玉徹郎さんというCGクリエイターさんに作って貰いました。音楽も、できあがった映像を中田ヤスタカさんにお見せしたら「この絵ならこうする」と、ブルックが楽器を使うシーンにはそれに合わせて音を入れてくれたり、ナミが天候棒(クリマ・タクト) を振るシーンには風の音を入れてくれたり。それをまた児玉さんのところに持っていくとまたCGがパワーアップして……僕はそれが上がってくるのを見て「スゲ~」「またすごくなってる~」とどんどん良くなっていくから面白かったですね(笑)

(エキレビ!)


後半へ続く。1月4日更新とのことです(※この記事にこのまま追記予定)
映画のサンジの決め台詞ってなんでしたっけ?・。・→「惚れてもいいんだぜ。ナミさん」


【映画】 長峯監督「やはり尾田先生の言うとおりにやればうまくやれるという安心感」 【Z】
【やる夫AA】 とあるやる夫の休日 【Z観賞編】
映画評「ONE PIECE FILM Z」

拍手

この記事にコメントする
Vodafone絵文字i-mode絵文字Ezweb絵文字
NAME:
TITLE:
COMMENT:
無題
ami
サンジの決め台詞は、確か「惚れてもいいんだぜ、ナミさん」ですよ!
2012/12/29(Sat)07:08:26
Re:無題
シャボンディ島民
どもです。
うん。そうだった気がします!
2012/12/29(Sat) 23:07
≪ Next   │HOME│  Prev ≫

[2324] [2323] [2322] [2321] [2320] [2319] [2318] [2317] [2316] [2315] [2314]