916話のハイライトはカラー絵で間違いないお
・ワノ国大相撲
915話
前回、
お菊に振られた上にマゲを切り落とされた横綱の
浦島は人前で大恥をかいて怒り心頭。当のお菊は人前で無作法なことをついやってしまったという感じで、普通の町娘のような素振りに戻っています。怒って向かって来る浦島には「きゃーーっ」と悲鳴を上げていながら、「でもやっぱり女に手を上げる程度の男」と言ってみたりと、天然なのか猫を被っているのか、お菊のキャラクターはつかみ所がないです。剣術の才能はあるものの、剣を振るうことは女らしくないために控えている様子ですが、自称は男勝りな「拙者」という、これが新ジャンルの
拙者っ娘ですか。
一方、相撲が得意と言う
ルフィ(ルフィ太郎改めルフィの海)は浦島の張り手に”
ゴムゴムのつっぱり”(ちょっとだけギア3?の張り手)で応酬。ルフィはエドモンド本田の百裂張り手ばりの浦島の”
菩薩張手”(技名の由来はおそらく千手観音菩薩から)を避けきり、ギア3の”
ゴムゴムの巨人(ギガント)つっぱり”で浦島をあっさり張り飛ばし、突き出しでルフィの海の勝ち〜。
そして町で暴れるルフィ達の前に、お玉を誘拐した百獣海賊団・真打ちの
ホールデムが登場。お玉を人質にしています。博羅町には
ホーキンスも駆けつけた模様です。お菊の話では博羅町にはもう一人、「スピード」という名の真打ちがいるはずですが・・・。
・ワノ国の亡霊
前回のお鶴の話と光月おでんとイヌアラシ、ネコマムシの動向を時系列にまとめると次のようになります。
?年前- イヌアラシとネコマムシが「ゾウ」から海に出る ※二人は大親友
↓
?年前- 光月おでん、従者のイヌアラシとネコマムシが白ひげ海賊団の船に乗る(820話)
↓
?年前- 光月おでん、ロジャー海賊団にスカウトされる。イヌアラシとネコマムシが追従(820話)
↓
〜25年前- 光月おでん、ロジャー海賊団の最後の航海へ。イヌアラシとネコマムシはラフテルには同行せず(820話)
↓
24年前- ロジャー処刑
↓
23年前- ワノ国で「海賊騒ぎ」(909話)
||?
20数年前- 光月家がワノ国の治権を失う(914話)
↓
20年前- 九里のおでん城が無くなる(914話)
?年前(約20年前?)- イヌアラシとネコマムシが長い旅の末、瀕死の状態で「ゾウ」に帰る(820話)※この時点で抗争状態
?年前- 光月おでん、将軍オロチとカイドウによって処刑される
↓
現在- 百獣海賊団が光月家を悪の一族と呼んでいる(911話)
問題はやはり光月おでんがいつ処刑されたのかということです。
前回の繰り返しになりますが、819話の
モモの助の回想によれば、光月家はカイドウの軍勢によって火攻めを受け、逃げ遅れた?モモの助の両親(先代大名・光月おでんと母)が亡くなっていることが分かります。そこで「煮えてなんぼのォ!! おでんに候!!!」(818話)が おでんの最後の言葉だと思われます。この時、火攻めを受けたのが おでん城であれば、非常に理解しやすいわけですが、現在
モモの助はまだ8歳なのです。20年前にはまだ生まれていないことになります。
本話では、お玉が光月家の名を口にした(ワノ国では重罪とされる)と聞いたホールデムが、光月家を「
亡霊」と呼び、「
光月家は20年前…ワノ国を滅ぼそうとした悪霊一族だ」と語っています。ポイントなのは911話まで「悪の一族」だったものが「悪霊一族」になっているということです。「悪の一族」と「悪霊一族」では意味合いがかなり違ってくるわけですが、具体的にはどういうことなのか。。
確かそうなことは、光月家はワノ国を滅ぼそうとしたという理由(開国が鎖国国家のワノ国を滅ぼすということでしょうか)で将軍オロチとカイドウに攻められ、20年前に滅ぼされたのではないかということです。やはり、この時におでん城が火攻めを受けて、光月おでんは処刑されたのではないかと考えられます。
まさか映画『シックス・センス』(1999年)のような体験を『ONE PIECE』ですることになるとは思いもよらなかったわけですが、ホールデムが言う様に
モモの助が本当に亡霊だとすると、モモの助の年齢と一致しない言動などの辻褄がうまいように合うのです。
要するに、こういう話です。モモの助は20年前、8歳の時に将軍オロチとカイドウに攻められて両親と共に亡くなっていたとします。すると、2, 3歳の頃にモモの助はロジャー達に会っていることになり、「
せっしゃもロジャー達に会っておるが記おくはあいまいでござる わかかったゆえ」(820話)というモモの助の不自然すぎた言動に説明がつきます。また同様に、20年以上前のことと考えられる、イヌアラシとネコマムシが仲良かった頃をモモの助が知っている「
あんなに仲の良かった2人がなぜさっきから殺し合いのようなケンカをするのでござる」(817話)という発言も辻褄が合うことになります。
しかし、モモの助が亡霊だと仮定すると、そんな心霊体験をモモの助に関わった全員がしているとは考えにくく、
光月家が悪霊一族と呼ばれることには何か光月家に関わる特別な理由があるのだと思われます。光月家がミンク族と何百年も前から同朋関係(817話)にあることは光月家に関わる一つの謎ですが、光月家が実は特別な種族である可能性はなきにしもあらずです。類は友を呼ぶと言いますからね。例えば、舞台はワノ国ですから妖怪の一族だったり。そういえば錦えもんの異名は狐火だったなぁ、と。ともかく、不自然すぎるモモの助の状況を可能にする特殊性が光月家にありそうです。
817話では、両親を殺されたモモの助の心中を気遣うネコマムシが、麦わらの一味に囲まれてモモの助が楽しそうに振る舞っている様子を見て「
まだ数ヶ月しか経っちょらんハズぜよ あガラ達の賑やかさに救われちゅうがやな…」(817話)と発言しています。この発言から、光月おでんが処刑されたのが数ヶ月前のことと推察されたわけですが、ネコマムシが光月家の特殊性を分かった上での発言だと推察すると話は変わってきます。そもそも、20年前に光月おでんが処刑されていたとして、どうして錦えもん達は今頃急に動き出したのかという疑問が出てきます。
しかし、(光月家の特殊性ゆえ)
何らかの理由で錦えもん達の時間が20年間止まっていたとして、それをネコマムシが理解していればこそ、「数ヶ月しか経っちょらん
ハズぜよ」という不確かな言い方になったのではないでしょうか。
とにもかくにも、モモの助の年齢の謎の糸口が見えた気がします。
・盗賊 酒天丸
百獣海賊団に逆らうルフィ達に対し、ホールデムは「
盗賊 ”酒天丸”の部下か!?」と尋ねています。彼(彼女?)もまた錦えもんが探している反乱の同志でしょうか。名前が出たのみですので、詳細不明です。