隣国のホンネ・日中民間対話:第9回 伝統芸能に日本漫画融合させ活性化 評書のアマチュア演者・張准さんに聞く
◇「若者にも評書を」と活動、ネット再生は50万回超
中国の伝統芸能で、日本の講談にあたる「
評書」。「三国志」や「水滸伝(すいこでん)」「西遊記」など中国の古典を独特の抑揚をつけて語る芸能だ。その
評書の演目として日本の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」を語る中国人の若者がいる。舞台のほか、インターネット上でも作品を発表。再生回数は50万回を超える。評書のアマチュア演者、張准さん(30)に話を聞いた。【北京・井出晋平】
−−評書を始めたきっかけは?
張さん: 評書は中国でなじみの深い芸能です。テレビやラジオでも放送されており、中国人なら誰でもどこかで触れています。ちょうど、日本で漫画が身近にあるようなものです。私も小さいころからテレビやラジオ、レコードで評書を聞いて育ちました。私の家族はみんな評書が好きで、特に評書が好きだったおじいさんに教えてもらい、4歳から始めました。大学時代から、友人と相声(中国の漫才)もしています。
−−なぜ日本の漫画を評書にしようと思ったのですか?
張さん: インターネットなど新たなメディアが登場し、
若者の間では評書のような伝統芸能はなじみが薄くなりつつあります。「ワンピース」を評書にすることで若者に評書への理解を深めてもらうのと、古くからの評書ファンに新鮮な題材を提供するのが狙いです。私の活動は細々としたものでどこまで影響力があるか分かりませんが、伝統芸能を活性化したいと思っています。
−−日本の漫画を好きになったきっかけは?
張さん: 4、5歳ごろから見始めました。テレビで「ドラえもん」や「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」「一休さん」などのアニメが放送されており、いつも見ていました。日本のアニメが身近にあったので、自然に好きになりました。我々、1980年代生まれの「80後(パーリンホウ)」は、みんな日本のアニメを見て育っていると思います。「ドラえもん」は、我々世代の共通の思い出ですよ。
−−数ある日本の漫画のなかで「ワンピース」を題材に選んだ理由は?
張さん: 「ワンピース」は、私が数えたところ、約600のキャラクターが登場します。それぞれのキャラクター設定がとてもしっかりしており、約1300人が登場する「三国志」に匹敵する名作だと思っています。同じ日本の漫画でも、日本の文化風習を反映している「ドラえもん」とは違い、「ワンピース」は漫画の中の風景がヨーロッパ風だったりするなど、世界中のいろいろな要素が盛り込まれており、読めば読むほど面白く感じます。また、一貫したストーリーのなかにいくつものエピソードがあり、一つのエピソードを取り出して山場にしやすいので、評書にするには適しています。
