LOGPIECE(ワンピースブログ)〜シャボンディ諸島より配信中〜 【映画】 長峯監督「『千巻』に載っていないゼットの裏設定は実はもっとたくさんある」 【Z】
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青キジとの温泉シーンも実際に……「ONE PIECE FILM Z」長峯監督インタビュー2

63489110.jpeg今世紀の邦画史上最高のオープニング動員記録を達成した映画「ONE PIECE FILM Z」の長峯達也監督インタビュー。後編では、長峯監督自身のバックボーンにも迫ります。
(前編はこちらから)


《コンテを描くときには身体感覚が必要》
─── 長峯監督は以前から「アニメを作る上でもロケハンが大事」とおっしゃっていますね。
長峯 今回の話では「火山」がキーになっています。火山で有名な場所と言えばアメリカのイエローストーンなんですが、さすがにそこまで行く時間もお金もない(笑)。でも、調べてみたら九州が世界でも有数の火山島だということがわかったので、去年の9月頃に一人で、九州にシナリオハンティングを……自腹で!※去年=2011年

─── うわ……、ご苦労様です。
長峯 自腹で九州を10日間くらいだったかなぁ。大分から入って別府温泉に行って、そこから長崎の雲仙普賢岳、熊本の阿蘇山、鹿児島の桜島を見てきました。阿蘇山なんか火口まで行けるんですよ。それで自分の中で「空間感」ができる。コンテを描くときには、実際にその場に立ったり、匂いや雰囲気、風が吹くと寒いなぁといった身体感覚が必要になってくるんです。リアリティってわけじゃないんですけど、何かのリアクションを起こすための素として、取材するなりその場の雰囲気とか空間がわからないとどんどん世界が狭くなってしまう。だからこそロケハンしないと、と思って、自腹で!

─── 大事なことなので、2回目(笑)。どの作品でもロケハンはされるんですか?
長峯 そうですね。架空の場所を描くっていうのは難しいですから。だから今回の青キジとの温泉シーンも、小金井市にある「江戸東京たてもの園」に行って、浴槽に入ったり、浴槽からの視点を写真に撮ったりしてきましたよ。もちろん、必ずロケハンに行けるとは限らないんですが、その場合でも、例えば「ハートキャッチプリキュア!」の時は、完全に把握している実家周りを参考に使って描きましたね。多摩丘陵で起伏がある場所なので、結構フォトジェニックなんですよ。


《「監督になんかなれるわけないじゃん」》
─── ご実家の話が出ましたが、どんな少年時代でしたか?
長峯 どんなって……普通ですよ。小学校1年の時の将来の夢が「サラリーマン」でしたから(笑)

─── それが、アニメをやろうと思ったキッカケは何だったんでしょうか?
長峯 キッカケも何もないですよ。中学校を出て、高校の時は警察官になろうと思っていたので柔道部に入って、でも「柔道、キツいわー」と簡単に挫折して(笑)。その後、友だちに誘われて「特殊撮影同好会」という会でカメラマンをやっていました。高校を卒業する時は小学校の先生になろうと思って初等教育科がある大学を片っ端から受けたんですけど、勉強してなかったからどこにも受からなくて浪人。でも、浪人時代に「日芸に入って監督になる!」と言う友人に影響を受けて、日芸を受けたら受かっちゃったんです。もっとも、自分では「監督になんかなれるわけないじゃん」と思っていたので、映画学科の中の撮影コースに進んだんですけど。

─── では、元々はカメラマン志望?
長峯 でも、日芸でカメラマンの勉強をしているうちに、「カメラマンってずっと立ってるのか……辛いなぁ」ということに気づいたんです(笑)。それでゲームの会社とか受けて落ちたりしていたら、学校の求人掲示板にアニメの演出助手の募集を見つけたんですよ。給料もカメラマンよりは少し良くって、しかも座ってできる仕事だと(笑)。でも、何を作っている会社かも知りませんでしたからね。当時は「東映動画」という社名でしたが、「時代劇の東映がなんでアニメなんだろう?」と思ってましたから。入社してすぐに監督・演出家として有名な佐藤順一さんを紹介いただいた時も、全然知らなくて「はぁ」と大変失礼なことを……。

─── わからないことだらけだったんですね。
長峯 「演出試験」というものがあるんですが、普通は3年目くらいで受かるんです。でも自分は全然ダメで、30歳くらいになってようやく受かって、そこからデビュー。やっているうちにこうなった、みたいな感じですね。

─── でも、「監督になんかなれるわけないじゃん」と言っていた人が監督して今回のような大作に携わるわけですから、面白いですね。
長峯 ねぇ。だから、目の前の仕事をガムシャラにやるのが一番いいんですよ。今の時代、情報がありすぎてみんな何かやる前にいろいろ考え過ぎちゃうじゃないですか。そんな四の五の言わずにやればいいじゃん!って。

─── 目指していなかったからこそ、会社に入ってから様々なことを学んだと思いますが、その中で特に印象深い教えはありますか?
長峯 山内重保さんという有名な演出家がいるんですが、その人に師事していろんなやり方をそばで見せていただきましたね。中でも山内さんは、「モノを作るには仲間が必要」「どうやって一緒にやってくれる仲間を増やすか」ということを一番大切にされていました。思い返せば、「特殊撮影同好会」でカメラマンをやっていた時もみんなでワイワイひとつのものを作るのが楽しかったから、山内さんの「ひとつのことをみんなで一生懸命やって喜ぶ」という仕事のやり方に素直に憧れたのかもしれないですね。

─── 仲間が必要、というのは、「ONE PIECE」とも通じますね。
長峯 あと山内さんが教えてくれたのはアクションシーンですね。山内さん曰く「みんなアクションシーンが難しいって言うけれども、相手が攻撃してきたら、食らうか、よけるか、受けるか、反撃するか、なんだよ。それを考えていけばアクションコンテを切れるんだ」と。なるほどなぁと思いましたね。実際やるのは難しいんですけど。

─── 今回の映画のアクションも、速いけど動きをちゃんと追える、というのがすごく印象に残りました。
長峯 速いといっても、リアクションしている瞬間はほぼ止まっているんですよ。パンチが当たっている瞬間も画面ぶれで大きく動かしますけど、ほぼ止めてますから。動きをちゃんと見せたい時はカメラは正面から。パンチが正面から飛んでくる時は動きは速いけど、12コマ近くはパンチが大きくなってくるだけなので認識しやすいんです。

─── 山内さんからの教え通りだと。
長峯 山内さんからはそれ以外の場面でもコンテの切り方とか、会話シーンでのカメラサイズのうんぬんとか、わかりやすく教えていただきましたね。もう、本書けますよ(笑)。でも、シナリオに関しては別に学びましたね、通信教育で

─── 通信?
長峯 「シナリオセンター」の通信講座というものがありまして、それでシナリオの勉強をして、今に役立てています。そもそもは社内の「絵コンテ試験」を受けた時に、もう最低の点をもらったんですよ。「君はシナリオがわかっていない」というコメントまでいただいてしまって、「じゃあ、シナリオを勉強してやるよ!」と……あ、この話、あんまりするなって言われてるんだった。なんか「通信空手みたいでダメだ」って(笑)


《入り口としての子ども向けのアニメ》
─── 映画の中で、様々なキャラクターから何度も「信念」という言葉が出てきました。監督自身も舞台挨拶で「ルフィとゼットの信念のぶつかり合いを楽しんでください」とコメントしていましたが、「信念」という言葉に込めたものは?
長峯 やっぱりキャラクターものなので、個々のキャラクターをしっかり描くためには、それぞれの行動原理を見せる必要があるわけです。その行動原理を「信念」という言葉に託して表現しているんですけど……ストーリーの都合によってキャラクターが動いてしまうと、そのキャラがブレてよくわからなくなる。信念のあるキャラはストーリーの都合じゃ動いてくれない。ストーリーがどうなっても、キャラが「そうじゃない!」と言えば、もうそれに僕は従うしかないんです。ルフィの「海賊王に、おれはなるっ!」という信念だって、「俺やっぱり、大変だから海賊王になるのやめるわ~」とか言ったらもうそれは「ONE PIECE」じゃないし(笑)。もう一つ例えると、今回サウザンド・サニー号がメチャクチャに壊れたじゃないですか。壊した理由はフランキーのキャラを立たせるためです。

─── 船大工としてのフランキーを?
長峯 船大工のフランキーがサニー号に託す夢、映画の中では「信念」という言葉で言い換えていますけど、自分の造った船がグランド・ラインを一周してラフテルに辿り着き、ワンピースを見つける。そこでようやくフランキーの夢の船が完成するわけです。その夢の船が途中で壊されたとしても、自分の能力を使って直して、また仲間たちと旅立つ……というのを見せるためにサニーを壊しました。海で漂流していたゼットを救出するシーンも、チョッパーの医者としての信念を見せるために設定しました

─── それぞれのキャラの信念の描きどころはちゃんと押さえた、と。
長峯 「ONE PIECE」は、そこを描ければもう、負けないですからね! 

─── ゼットの「信念」もしっかり描かれていました。劇場でもらえる『ONE PIECE 千巻』にゼットの裏設定が載っていて、あのオマケもうれしいですよね。
長峯 ゼットのキャラ造形をする上で必要なだけなので表には出しませんが、『千巻』にも載っていないゼットの裏設定っていうのが、実はもっとたくさんあるんですよこれもシナリオセンターで教えてもらったことですけど、キャラクターには「半円人間」と「円形人間」という2種類があります。「半円人間」は見えている部分しかそもそも設定がないのに対し、「円形人間」は見えている表の部分以外の裏の部分もちゃんと作り込んでいます

─── ゼットはちゃんと「円形人間」でしたね。裏がびっしり!
長峯 でも、その裏の部分は「表ににじみ出すための裏」なので、そこを明かしてしまうと安くなっちゃうだから秘密です! これも、シナリオの教科書通りに話していますけどね。ちゃんと教科書通りにやると割とうまく行くんですよ。

─── 授業料払ったかいがありましたね(笑)
長峯 ほんと! 後輩にも薦めてるんですけどね、誰もやらない。僕、ダヴィッド社から出ている『シナリオの基礎技術』という本を買ってはスタジオに置いているんですけど、飾ってあるだけで誰も読まないから「お・ま・え・ら~」と(笑)。オススメなんですけどね……。

─── そんな、後輩の今後も考える長峯さんご自身が、今後作りたい作品は?
長峯 作りたい作品……東映アニメーションでもっといいモノ、子どもを喜ばせられる作品ができたらいいかなぁと。昔、入社したばかりの頃って、いわゆる「大人向けアニメ」が増えてきた時代だったんですが、その当時に佐藤順一さんから「大人向けアニメができるのは、ずっと子ども向けアニメを作ってきて、アニメの見方がわかる人たちが大人になって市場が広がったから。この先、20年30年とアニメを続けるためには、入り口として子ども向けのアニメを作って楽しませないと先がないよ」という話があったんですよ。だから、そこを頑張ってやっていこうかなと思います。

─── 子どもの心に訴えられる作品。
長峯 今のアニメって、割とサブカル的な部分ばかりがクローズアップされがちで、広がりがもしかしたら少ないかなって思っています。僕はマニアックなアニメをいつまでも楽しみたい。その為に市場というかベースとしてアニメを楽しむ人の数がもっと増えて欲しい。そうすれば狭い部分も広がってもっと楽しくなるんじゃないかなと思うんです。服で言うと「クラシック」と「モード」があると思うんですけど、その「クラシック」の部分を東映アニメーションで担って行ければいいかなぁと思いますね。まあ、お声がかかれば、僕はなんでもやりますけどね。アニメ作るの楽しいので。

(エキレビ)


江戸東京たてもの園 子宝湯
a62490bf.jpeg浴室
90c29e35.jpeg着替え場
(画像→http://sasazuka.blog.ocn.ne.jp/nakano/2008/02/post_5134.html

江戸東京たてもの園 大和屋本店
4af838db.jpeg風呂桶
(画像→http://supersentho.at.webry.info/201111/article_1.html





子宝湯の着替え場は牛乳を飲むシーンで参考にしたんでしょうか。


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『ONE PIECE FILM Z』 パンフレット
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T     .~ルフィ(尾田栄一郎)VSゼット(長峯達也監督)~
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