この記事はバンダイのトレーディングカードゲーム（TCG）「ONE PIECE CARD GAME」のエンジョイ勢の対戦日記的な何かです。今回は先日開催されたチャンピオンシップ2023 2次予選の宮城エリア大会の模様についてです。

参加人数は約1200名で、予選スイスドロー9回戦を行なって上位16名による決勝トーナメントが行われました。本大会は11月25日に発売されたブースターパック第6弾が初めて使用可能となる大規模大会でもあり、新弾環境を占う意味で注目度の高い大会でした。

第6弾の新リーダー達は黒モリア、青紫レイジュ、黄緑ヤマトなど非常にデッキパワーが高く、中でも再現性を踏まえて黒モリアの評価が非常に高くなっていました。旧弾のリーダーでは、05環境トップだった青黒サカズキは依然として評価が高く、毎回強化の恩恵を受けている黄単リーダー（カタクリ、エネル）も環境デッキ候補と見られている状況でした。

もし予選前に決勝の組み合わせ予想が行われていたとしたら、誰も当てることは出来なかったのではないでしょうか。


決勝は黄緑ヤマトと赤ニューゲートの対戦となりました。

＜ベスト16＞
1. 黒モリア……5人（31.2％）
2. 青黒サカズキ……3人（18.8％）
3. 黄カタクリ……3人（18.8％）
4. 黄エネル……2人（12.6％）
5. 黄緑ヤマト……2人（12.6％）
6. 赤ニューゲート……1人（6.3％）

赤ニューゲートは04環境まで長く環境トップにあり続けたものの、05環境では紫ルフィの登場により環境からすっかり姿を消していましたので、赤ニューゲートがベスト16に残ったのはサプライズでした。構築は新弾のカードは一切使われておらず、05環境までの麦わら速攻型（通称：麦ひげ型）が06環境に刺さったみたいです。というか注目されていなかっただけで、05環境でも十分通用していた可能性はありそうですけど、どうなんでしょう。

赤ニューゲート以外は06環境の環境候補として注目されていたリーダー達がベスト16にしっかり残っています。唯一、青紫レイジュがベスト16に残らなかったのは、再現性の問題でしょう。サーチカードはあるものの、ステージカード「ジェルマ王国」を引けないとデッキが回らないため、予選9回戦を勝ち抜くのは困難だったようです。また、新弾のリーダーの中ではプレイングが最も難しいデッキであるため、プレイヤーの練度がまだ成熟していない可能性があります。

暫定的ですがやはり現時点で06環境トップは黒モリアと言って良さそうです。

黄緑ヤマトはサーチカードの軸により現時点でワノ国型、魚人族型、空島型の3タイプの構築が知られており、おそらくワノ国型が主流でしたが、ベスト16に残ったのはいずれも魚人族型であったため、どうやら魚人族型が最適解だったようです。魚人族型は7ホーディと4アーロンをサーチできるのが強みです。

4アーロンはリーダーのアタックを咎めることが出来るため、パワー6000のリーダーやアタック時効果が強い、黒モリアや黄カタクリ、ミラーマッチに刺さると思われます。

『#ONEPIECEカードゲーム チャンピオンシップ2023 2次予選 宮城エリア大会』優勝者のデッキを公開！

優勝：WKT選手

WKT選手優勝おめでとうございます！#ワンピカード#ONEPIECE pic.twitter.com/EO9dH58PkL

— 【公式】ONE PIECEカードゲーム (@ONEPIECE_tcg) December 2, 2023

決勝の結果は黄緑ヤマトが勝利しましたが、実は神視点では赤ニューゲート側に勝ち筋がありました。





実際の試合のリーサル盤面では、黄緑ヤマトがブロッカーなし、アクティブドンなし、手札4、ライフ1、赤ニューゲート側がキャラなしの状況で、赤ニューゲート側がリーダー9000でアタックし、黄緑ヤマト側がこれをライフで受けます。次に速攻ゾロを登場させて、パワー9000でアタックし、黄緑ヤマト側がこれをカウンター6000でガードして（要求値は5000）、決着がつきました。

黄緑ヤマト側のライフは仕込んだものではなく、赤ニューゲート側にはキャラは立っていませんので、赤ニューゲート目線でトリガーを警戒するのは「雷神(アマル)」もしくはブロッカーのサンジ（実際は採用されていない）で、その場合、勝ち筋はほぼ無くなるので考えなくていいです。

黄緑ヤマト側はライフを含めて手札は5枚のみですので、最初のリーダーのアタックをガードされた場合に5ルフィも登場させて、手札の要求枚数を増やすルートがありました。

まず最初にリーダーに1ドン付けてパワー7000でアタックします。

ダメージが通った場合、手札は5枚ですので赤ニューゲート目線で最大のカウンター値は10000で、おそらく通常5000程度です。速攻ゾロにドンを6枚付与してパワー11000でアタックすれば要求値は7000となります。神視点ではカウンター値の合計は6000ですので、赤ニューゲート側の勝利です。

ダメージが通らなかった場合、つまりガードされた場合（要求値3000）、2000カウンターがあれば手札は2枚減り、残りの手札は2枚です。仮に実際アタックしていた場合はガードされたはずです。手札2枚の状況では神視点ではカウンター値の合計は0ですので、速攻ゾロのパワー5000のアタックが通ります（要求値1000）。神視点ではライフから2000カウンターが入りますが、5ルフィに1ドンつけてパワー7000でアタックすると要求値が3000となり、ちょうどダメージが通り、赤ニューゲート側の勝利です。

まとめると、最初にリーダーでパワー7000でアタックした場合、要求値の合計は7000になり、最初にリーダーでパワー9000でアタックした場合の要求値5000よりも高くなるため、最初はパワー7000でアタックするのが期待値的には最善手でした。

とは言っても、ライフのカウンター値を0と予測すると、最初にリーダーでパワー9000でアタックするのが正解ですので（最低の要求値が最も高いため）、あくまでも神視点の話です。


ワンピカード対戦思案＃38 【OPCG】